サステナビリティコミットメント

サステナビリティ経営と企業価値の向上

 ALSOKは、創業者が1964年の東京オリンピックで大会運営に深く関わったことをきっかけに、翌1965年に誕生しました。創業時の理念「ありがとうの心」と「武士の精神」を経営の基本精神に掲げ、お客様と社会の安全の確保のため日々努力してまいりました。この精神は会社が年月を重ねてもなお揺らぐことなく継承するべき原点であるとして、全従業員に脈々と受け継がれ、今日にいたるまでグループ全体でその理想を追求し続けております。

 安全・安心を守る警備業そのものが社会課題の解決に直結するものであることから、事業を通じて企業価値向上に努めることが、ALSOKグループのサステナビリティ推進に繋がると認識しております。

 そして、社会課題の解決と企業価値向上、サステナビリティの推進に向け、ALSOKグループでは5つのテーマを重要な課題「マテリアリティ」と位置付けています。

  1. 1信頼される警備サービス
  2. 2社会的課題の解決に貢献する商品・サービスの提供
  3. 3人材育成と働きやすい職場づくり
  4. 4積極的なコミュニケーションによる地域社会への貢献
  5. 5地球環境への配慮

 これら5つのマテリアリティはSDGsの17の目標とも重なるものです。人々の笑顔と、安全に安心して暮らせる社会を守る「綜合安全安心サービス」を提供する企業グループとして、ステークホルダーの皆様からご評価いただき、持続的な企業価値向上につなげる。それこそが、ALSOKグループが歩む成長の道筋と考えています。

ALSOKを取り巻くリスクと機会

 最近の環境変化において、特に事業へのインパクトが大きいと考えられるのは、深刻さが増した人手不足と、気候変動を背景とした異常気象や地震をはじめとする自然災害の脅威の拡大です。

 人手不足は、その背景に少子高齢化と人口減少という日本社会の構造的問題があり、今後さらに深刻な事態となります。これは、アウトソーシングニーズの拡大につながる一方で、人材が基盤である警備業界にとっては事業成長の制約要因ともなるため、その克服は至上命題です。ALSOKは、ビッグデータの活用と、AI・IoT・ロボットなど新技術の駆使により労働生産性を向上させ、さらには警備員・技術員のマルチタスク化による業務効率の改善などを通じて、その担い手となる「人財」の育成に努めます。

 また、自然災害については世界各地で地震・豪雨が頻発し、甚大な被害が生じました。こうした事態に対しては、いかにリスクを最小限に食い止められるかといった観点や社会的弱者への対応を含め、自助、共助、公助の観点からパブリックセクターを含めてどのように支えるかなどの対策が強く求められており、ALSOKグループとしても、総合的な警備・設備管理の事業スキームを早急に確立すべきだと捉えています。また、国土強靭化対策の一環として公共インフラの点検などにも新たな視点から貢献し、ALSOKならではのアプローチで、安心して暮らせる社会に寄与していきます。

人材の確保と活躍推進

 現在ALSOKでは、グループをあげて人材強化に取り組んでいます。女性、シニア、外国人社員、障がいのある社員をはじめ多様な人材に働きがいを持って活躍してもらうため、さらにはワークライフバランス実現のため、「働き方改革」を積極的に推進しています。具体的には長時間労働の是正や年次有給休暇取得率向上などに向けたアクションプランを策定して、環境整備を進めています。また、社員に対しても「ありがとうの心」で接し、気持ちよく働けるよう、福利厚生の充実に注力しています。さらには、ICTを活用した先進的な教育を取り入れ、専門性の高い「人財」育成に取り組むなど社員の満足度向上と能力強化にも努めています。

事業を通じた社会の安全・安心ニーズへの対応

 2021年5月に中期経営計画「Grand Design 2025」を策定しました。リスクが多様化する社会の中で、拡大する安全・安心ニーズに対応すべく、ALSOKグループ一丸となって警備ビジネスモデルの変革を推進し、強靭な「綜合安全安心サービス業」を目指します。

 この計画の遂行に向けて、次の4つの基本方針を掲げました。

  1. 1社会の多様な安全・安心ニーズへの対応能力の強化
    警備・FMで培った内外インフラの強化と多様なサービス機能を組み合わせた新たなソリューションの創出、新技術を取り入れた迅速な商品・サービスの開発に取り組みます。
  2. 2デジタル化とデータ活用
    お客様とのコミュニケーション強化やオペレーションの効率化・少人化に対してデジタル技術を活用するとともに、収集したデータの分析や外部データとの連携等、データ活用に取り組みます。
  3. 3社員が活躍できる環境の構築
    多様な人材の採用や能力開発、多様な働き方の提供を推進します。
  4. 4サステナビリティへの取組強化
    ガバナンスの強化、SDGsや環境問題への取り組みを行っていきます。