お知らせ

「2017冬季アジア札幌 大会」にて実証実施
「サイバーセキュリティ」と「物理セキュリティ」を連携
イベント警備におけるサイバー空間と物理空間の脅威に対応
2017年
7月
6日

ALSOK(本社:東京都港区、社長:青山 幸恭)は、2017冬季アジア札幌大会において「サイバーセキュリティ」と「物理セキュリティ」を連携させ、サイバー空間と物理空間の脅威の発生に対応する実証を行いました。



1 背景・目的

近年、サイバー攻撃による設備破壊などの事件が発生しており、大規模イベントや重要施設に対する警備業務においても、サイバー空間と物理空間の脅威を意識し対策を講じる必要性が高まっています。

そこでALSOKは、2017冬季アジア札幌大会において公益財団法人第8回札幌アジア冬季競技大会組織委員会(以下、冬季アジア組織委)の協力のもと、ICTを活用したコミュニケーションツールを導入し、サイバーセキュリティと物理セキュリティを連携させる実証を行いました。


サイバー攻撃に起因した設備破壊等の事例(注1)
サイバー攻撃に起因した設備破壊等の事例

●印:設備制御システムへの攻撃事例


2 実証概要

(1)実証体制

冬季アジア組織委の指揮のもと、ALSOKによる物理セキュリティとサイバーセキュリティを連携したシナリオ訓練を実施しました。なお情報の連携にはNTTセキュアプラットフォーム研究所(注2)が開発した統合リスクマネジメント支援システムKADAN®(注3)を活用しました。


訓練体制イメージ図
訓練体制イメージ図

(2)訓練シナリオ

<シナリオ①> サイバーセキュリティから物理セキュリティへの連携

NTTのサイバー監視において、大会運営を妨害することを示唆したSNS投稿を発見、MOCの判断により各エリア統括担当に対しベニューにおける警備強化が指示された。
警備強化により警備員が負傷者を発見し、救急救命措置が行われた。MOC危機管理委員会が開催され、競技中断が決定、警備員の誘導により観客は無事避難した。

シナリオ1

<シナリオ②> 物理セキュリティからサイバーセキュリティへの連携

会場内を巡回中の警備員がUSBメモリーを拾得、本部へ届け出るとともにKADAN®により情報共有。その後、真駒内競技場内のPCが動作停止する事案が発生。
MOCでは真駒内の状況を、KADAN®を活用し他競技場へ共有、同様の事案に対する注意喚起が行われた。MOC危機管理委員会が開催され、競技・記録システムの手動切替えにより競技続行となった。

シナリオ2

3 実証結果

(1)従来体制との相違点

ア 従来の体制

サイバーセキュリティが実施されていない(パターン①)、または監視は行われていても運営本部内で物理セキュリティとの連携は行われていませんでした(パターン②)。そのため、サイバー攻撃に起因した脅威に対し、物理セキュリティ側では的確に対処することが困難でした。

従来の体制

イ 今回の体制

KADAN®を通じ、各組織間で横断的に情報が共有され、運営本部内にALSOK警備責任者及び通信責任者が駐在することで、運営本部における意思決定に必要な情報を随時提供することが可能になりました。

今回の体制

(2)実証効果

従来では対処が困難であったサイバー攻撃に起因した脅威に対し、以下の有用性を確認しました。

【効果①】運営本部での意思決定のスピードと精度が高まった。
【効果②】サイバー攻撃による脅威に対し、物理セキュリティとの連携が速やかに行われ、被害拡大防止へと繋がった。
【効果③】物理セキュリティ側で覚知した情報を基に、他会場での被害蔓延を軽減するとともに、サイバー攻撃の原因究明の一助となった。

4 今後の取り組み

本実証においてイベント警備における有用性を確認しました。同様の脅威が想定される施設警備においても有効であり、今後、イベント警備ならびに施設警備向けに「サイバーセキュリティ」と「物理セキュリティ」を連携しサービス展開を進めてまいります。



  • 注1


  • 注2

    • ALSOKとNTTセキュアプラットフォーム研究所では、共同実験契約を締結し実証を実施。

  • 注3

    • NTTセキュアプラットフォーム研究所が開発した統合リスクマネジメント支援システムKADAN®は、大規模なイベントなどにおいてサイバー・物理空間で複合的な危機事象が発生した際に、各組織、分野を横断した統合危機管理センタにおける危機対応を効率よく実現するための機能を提供。
    • http://www.ntt.co.jp/RD/active/201602/jp/pf/pf015.html

以 上

この件に関するお問い合わせは
ALSOK 広報部

mail : koho@alsok.co.jp
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