ALSOKあんしん通信
知っていますか? 身近な火災対策の効果や注意点
2019年12月10日(2022年10月31日更新)
冬から春にかけては、火災が発生しやすくなる時季です。万が一の火災発生に備え、住宅用火災警報器と消火器をご自宅に設置されている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、これらの防災用品の効果や使用にあたっての注意点、ALSOKが提供する火災対策サービスについてご紹介します。
○高齢者にせまる火災の危険
総務省消防庁から発表の「令和3年版 消防白書」によると、令和2年中の出火件数は、3万4,691件でした。数値を時系列的にみると、火災件数・死者数ともに10年前と比較すると減少していますが、それでも一日あたり95件もの火災が発生しています。ここで、住宅で発生した火災がもたらす被害に注目してみましょう。建物全体で発生した火災による死亡者1,056人のうち、約9割(973人)が住宅で発生した火災で命を落としています。こうしたデータから家庭で火災対策をすることがいかに大切か分かります。さらに、被害者の約7割が65歳以上の高齢者となっていることにも目を向けてみましょう。この傾向は、高齢者の年齢が上がるほど顕著であり、たとえば66〜70歳の死亡者数が111人なのに対し、81歳以上は299人と突出しています。これは、加齢による身体能力の変化から火災が発生しても素早く動けず、逃げ遅れて深刻な被害を招いてしまうためではないかと考えられます。
○必ず設置して!住宅用火災警報器
出典:総務省消防庁「住宅防火関係 住宅用火災警報器を設置しましょう!」
平成16年より、住宅用火災警報器をすべての住宅に設置することが法律により義務付けられました。新築住宅は平成18年より設置の義務化が始まっていますが、既築住宅についても平成23年6月までに設置するよう、全国的に定められていました(設置基準・期限は、各自治体により異なります)。なぜ、住宅用火災警報器を設置しなければならないのでしょうか?さきほど、建物火災による死者のうち住宅火災によって亡くなった方が圧倒的に多い点について触れましたが、これらの火災の発生状況を詳しく分析すると、夜間の就寝時に発生した火災において、発見が遅れ逃げられなくなっているケースが多くなっていることがわかります。つまり、住宅用火災警報器を設置していれば、いち早く火災に気づくことができ、被害を最小限に食い止められる可能性が高まるのです。
住宅用火災警報器を設置することによる効果は、過去のデータからも明らかにされています。総務省消防庁が、平成30年から令和2年にかけての住宅火災の被害状況を分析したところ、火災による死者数、延焼床面積、損害額のすべてにおいて住宅用火災警報器を設置しているケースの方が、被害が軽減されていました。
現在、全国的な住宅用火災警報器の設置率は84%(令和4年6月1日時点の数値)にとどまっています。火災による悲劇をなくすため、いま一度ご自宅に住宅用火災警報器が設置されているかチェックしてみてください。
また、設置した住宅用火災警報器の交換目安は10年。電池切れなど定期的に確認しましょう。
○火災対策もALSOK!ニーズに応えたお得なサービス
こうした社会動向を踏まえ、ALSOKでは、高齢者にとって大きな不安である「火災」に加え、もう一つの心配事である「急病・ケガ」への対策に特化したお得な見守りサービス「HOME ALSOKみまもりサポート」を販売しています。以前より「離れて暮らす親が心配・・・」という方からの声が多く寄せられていましたので、こうした方が気軽に高齢のご家族へ「安心」をプレゼントすることができるよう、導入しやすい価格設定になっています。おかげさまで販売開始以来ご好評をいただき、多くのお問い合わせをいただいております。
詳細は商品ページをご確認ください。
また、「住宅用火災警報器だけ設置したい!」という方のニーズにもお応えしています。
ALSOKのオンラインショップ「防犯・防災グッズ通販ショップ(http://guardman-shop.com)」から住宅用火災警報器を購入することが可能です。
★火災にまつわる危険は、住宅用火災警報器の不備だけではありません。
○古くなった消火器、危険です!
過去には、駐車場で遊んでいた子どもが、置いてあった消火器をいたずらで操作したところ破裂し、重傷を負うという事故がありました。この消火器は20年前に製造されたもので、老朽化が進み腐食劣化していたそうです。この事件をきっかけに、古くなった消火器の破裂事故の危険性が注目されることになりました。
【たとえばこんな事件です】
●玄関に設置していた消火器を移動しようとしたところ、底の腐食部分が破裂し50歳代の男性が負傷した。この消火器は製造から22年が経っており、さらに設置していた玄関先で犬を飼っていたため、その尿が掛かり腐食していたとのこと。●屋外に放置してあった消火器を移動させようとしたところ、底の腐食部分が破裂し70歳代の 男性が負傷した。この消火器は製造から28年が経っていた。
●古くなった消火器を廃棄するため薬剤を放出させようとしたところ底が破裂し、40歳代の男性が負傷した。消火器は製造から27年が経っており、腐食が進んでいた。
○ご自宅の消火器の種類や使用期限、知っていますか?
消火器リサイクル推進センターの「消火器リサイクルレポート 2020年度版」によると、全国の一般家庭が保有している消火器の総本数は 2,969万本程度と見込まれています(令和2年の数値)。消火器はその構造の違いから「加圧式」と「蓄圧式」に分類されますが、破裂事故などにより重大な被害をもたらしやすいのは加圧式の消火器です。本来、住宅火災に適した構造で製造された住宅用消火器は蓄圧式になりますが、こうした仕組みの違いがわからず、加圧式消火器を購入している家庭も多いといわれています。また一般的な住宅専用消火器の使用期限は5年だといわれています。しかし、同資料によると、保有している消火器の21.8%が製造から10年以上経過しており、使用期限が切れている消火器であることがわかりました。
また、平成27年に同組織が公表した「家庭の消火器に関するアンケート調査」では、保有している消火器の点検について「点検したことがない」あるいは「わからない」という家庭が約5割を占めており、老朽化した消火器が腐食していても、その変化に気づいていない可能性があります。
出典:一般社団法人日本消火器工業会
株式会社消火器リサイクル推進センター
「消火器リサイクルレポート 2020年度版」
出典:一般社団法人日本消火器工業会
株式会社消火器リサイクル推進センター
「家庭の消火器に関するアンケート調査」(平成27年調査)
【ふだんから以下の点に気をつけましょう】
●消火器の置き場所に注意!屋外で雨風にさらされる場所や水周りなど湿気の多い場所は、消火器の腐食が進みやすく非常に危険ですので、避けましょう。
●日ごろから消火器の点検を!
以下の項目を参考にお手持ちの消火器をチェックしてみてください。該当する項目がある場合は、いざというときに使えないですし、破裂して怪我をするなどの恐れがあります。ただちに消火器を交換しましょう。
・表面にサビやキズがある、変形している
・ホースがひび割れている
・ピンやキャップが変形している、ゆるんでいる
・使用期限・有効耐用年数が過ぎている
・(圧力ケージがある場合)圧力が正常値(緑色の範囲)になっていない
○消火器の処分に困ったときは・・・
処分が必要な消火器は専門業者を通じてリサイクルシールを購入し、安全に回収・リサイクルすることができます。一般のゴミとして廃棄することはできないので注意してください。また、廃棄するにあたり、消火器の薬剤を抜く・分解するなどの行為は破裂の危険が増しますので絶対にしないでください。お住まいの近くの回収業者が分からない場合は、消火器を購入したお店や消火器メーカーに問い合わせてみましょう。また、消火器の業界団体によって設立された(株)消火器リサイクル推進センターのWebサイトからも最寄りの業者を検索できます。郵送による回収もできますので、詳しくは下記サイトをご確認ください。
・(株)消火器リサイクル推進センター http://www.ferpc.jp/index.html
以 上
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対象別
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場所・シーン別
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犯罪・災害別
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