ALSOK(本社:東京都港区、社長:青山 幸恭)は、ポットホールや段差など、道路の路面状態をモニタリングし、モニタリング情報から効率的な舗装修繕計画を策定する「道路モニタリングサービス」の販売を、2016年12月1日(木)より開始いたします。
記
1 背景
近年、建設後数十年を経過した社会インフラの老朽化が大きな社会問題となっています。例えば、2012年の笹子トンネルの事故を機に、橋梁・トンネルは5年に1度の近接目視による点検が義務化されるなど、社会インフラの維持管理の重要性が非常に増しています。
道路の路面においても、路面の劣化に起因する事故やその管理瑕疵(かし)を問う裁判によって道路管理者の業務が圧迫されるなどの問題が顕在化しており、今後ますます老朽化が進むことを考えると、早急に適切な維持管理を実施することが望ましいと言えます。現状、高速道路や国道・県道・大規模な地方自治体の幹線道路の多くは、路面性状調査により劣化状態の把握や修繕の判断を行い、適切な維持管理がなされています。しかし、本調査は費用が高額となり、大多数を占める小規模な地方自治体においては、調査が十分に実施されていないのが現状です。
そこで、ALSOKは2014年度より内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)インフラ維持管理・更新マネジメント技術」において、JIPテクノサイエンス、東京大学が進めている「インフラ予防保全のための大規模センサ情報統合に基づく路面・橋梁スクリーニング技術の研究開発と社会実装」の実証実験に参画し、道路の維持管理に資するサービスの検討を進めてきました。
本取り組みでは、ALSOKの車両に測定機器となるスマートフォンを設置し、走行から得られる加速度情報を分析することで、IRI値※1の算出及び路面の異常箇所(ポットホール、段差等)の検出を行い、路面の劣化箇所を安価で効率的にスクリーニングする技術を開発しました。ALSOKは本技術と実証実験で得た運用ノウハウを活用し、道路の路面をモニタリングし、モニタリング情報から効率的な舗装修繕計画を策定する「道路モニタリングサービス」の提供を開始することとしました。
2 サービス名
道路モニタリングサービス
3 サービスメニュー
(1)モニタリングサービス
(2)舗装修繕計画策定サービス
<参考1:モニタリングサービス>
<参考2:舗装修繕計画策定サービス>
SIPの実証実験先A市において、道路の路面のモニタリング情報(IRI値)を活用し、舗装修繕計画をシミュレートした結果、今後50年の工事費において、約63%の削減(総額約7,365百万円。年換算147百万円)※6につながる試算結果が確認できました。
<導入効果>
路面の異常箇所を早期発見し補修することで住民サービスの向上につながることが期待され、また、効率的な舗装修繕計画による予防保全に取り組むことで、道路維持管理おけるトータル的なコスト縮減につながることが期待されます。
<技術協力>
SIP「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」の研究開発テーマ「インフラ予防保全のための大規模センサ情報統合に基づく路面・橋梁スクリーニング技術の研究開発と社会実装」の研究実施機関である、JIPテクノサイエンス株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:前川静男、研究責任者:家入正隆 取締役インフラソリューション事業部長)と連携して提供します。
4 提供先
全国の道路管理者
5 販売、サービス提供エリア
全国
6 提供価格
サービスを提供する路線の延長等により異なります。(詳しくはお問い合わせください)
7 提供開始時期
2016年12月1日(木)販売開始(予定)
(サービスの提供開始は2017年3月頃を予定)
8 今後の展望
ALSOKでは、現在、人工知能(AI)を活用し画像から異常箇所(ポットホールやひび割れ等)を認識するサービス※8や、画像解析によるひび割れ解析サービス※9についても取り組んでいます。今後、道路空間全体を監視するサービスにつながるよう継続的に進化させていき、安全・安心な社会づくりに貢献してまいります。
以 上