管理は徹底して手間も省く勤怠管理効率化

2017.04.25

今、多くの企業では、タイムカード、タイムレコーダーに代わるITを活用した勤怠管理システムが導入され始めています。このシステムを活用することにより、どのような効果が期待でき、何が可能になるのでしょうか。新しい勤怠管理システムの仕組みについて紹介します。

勤怠管理の必要性

勤怠管理はさまざまな目的で従業員の勤怠情報を記録・管理するもの。周知の通り、労働者の労働時間は法律によって定められており、勤怠情報は給与や残業代の計算などにも必要となるため企業等の労務管理の基本と言えます。

勤怠管理の目的は、労働基準法などで規定された条件に沿って従業員の労働時間を管理することであり、それは従業員の健康を守ることにもつながります。そして近年では、長時間労働や残業代未払い、過労死・過労自殺などは社会的に大きな問題。勤怠管理を徹底することは大切な従業員を守ると同時に、企業にとって大きなダメージとなる労使トラブルを未然に防ぐためにも大きな役割を果たしているのです。

法定労働時間は、労働基準法第32条によって1週40時間・1日8時間までと定められており、それを超える場合は労使協定を締結して労働基準監督署に届ける必要があります。これは従業員の実労働時間を把握していなければ適切に管理できません。また、最近はフレックスタイム制やテレワークなど多様性のある働き方が多くの企業で取り入れられていますので、そういった場合についても使用者は従業員の実労働時間を正確に把握することが求められます。

労働時間を正確に把握するためには、毎日の始業・終業時刻を確認して記録することが必須。これは厚生労働省からも求められている管理方法であり、原則として使用者がその場で確認・記録するか、タイムカードやICカードなどの客観的な記録をもとに確認・記録しなければなりません。さらに今後は、労働安全衛生法の改正によって管理職を含む従業員の労働時間の把握が義務化される見通しとなっています。企業はこれまで以上に勤怠管理を確実に行う必要があると言えるでしょう。

従来の勤怠管理方法は?

従来の勤怠管理と言えば、出勤簿やタイムカードを使用する方法です。これらについて、導入や運用のメリット・デメリットを考えてみましょう。

出勤簿

出勤・退勤・休憩などの際に紙の出勤簿に時刻を記入し、勤怠情報を管理する方法。上長などの承認を得て締め切り、担当者が従業員の出勤簿の記録をPCなどに入力して労働時間を集計します。出勤簿は紙とペンさえあればつけられるため、どんな企業でもコストをかけず簡単に導入できる方法と言えるでしょう。

一方、集計が手作業で行われるため、時間的コストがかかったり集計ミスが起きたりする可能性があります。また、従業員が出勤・退勤時刻を詐称するリスクや、まとめて記入したために労働時間を正確に管理できないという問題などがデメリットとして挙げられます。

タイムカード

出勤・退勤・休憩などの際に、打刻機にタイムカードを差し込んで時刻を印字することで勤怠情報を管理する方法。出勤簿と同様に、担当者がタイムカードに打刻された記録をPCなどに入力して労働時間を集計します。かなりメジャーな方法であったため、現在でも中小企業を中心にタイムカードによる勤怠管理を行なっている企業は少なくないようです。

打刻機やタイムカードを購入する初期費用・ランニングコストは必要となりますが、記入する必要がないため記録は比較的楽。同じ打刻機を利用するため、分刻みで正確に勤怠情報を管理できます。一方で、出勤簿と同じく集計に手間がかかったり、出勤時間帯などに打刻機の前が混雑して効率が悪かったりといったデメリットがあります。また、打刻漏れや別な従業員による不正打刻などの問題が起きるケースも少なくありません。

効率的な勤怠管理とは?

では、タイムカードに代わるITを活用したシステムによる効率的な勤怠管理とはどのようなものなのでしょう。

まず特徴的なのは、出退勤時間を記録するための機能が多様に用意されていることです。カードリーダーにかざすだけで出入管理ができる社員証も兼ねたICカードはもちろん、指紋、静脈などの生体認証による入室・退室の確認も可能です。PCでログインして打刻するタイムカードシステム、GPSで位置を特定しながらスマートフォンや携帯電話で社外から打刻する方法も存在します。このことにより、不正打刻を防ぎつつ、多様化する出勤・勤務スタイルに柔軟に対応することができます。

これらのデータは一元管理でき、月ごとの自動集計は当然のこと、リアルタイムでの勤怠時間、勤怠状況の参照も手間を掛けることなく簡単に行えます。

一元管理について気になる方は、ALSOKガードシステムのALSOK-GV(ジーファイブ)をご確認ください。

システム導入のポイント

タイムカードはカードやインクの備品購入、集計作業にかかる人件費、事務所が複数あればカード収集のための運搬費、保管費など意外に多くのランニングコストがかかります。勤怠管理システムは導入費がかさむ面もありますが、業務効率化、ペーパーレス化などでランニングコストは抑えることが可能です。

導入に際しては補助金を利用できる可能性があります。厚生労働省では、労働時間改善やワーク・ライフ・バランス推進のためにテレワークなどの就業スタイルへの移行を推進する中小企業に対して、実施に要する費用の一部を助成する制度を設けています(平成30年度時点)。申請の受付には締め切りがありますので、詳細は厚生労働省の「時間外労働等改善助成金」を案内するウェブページを参照してください。

加えて、勤怠管理システムは、入退室管理システムや警備システムと組み合わせることもできます。たとえば「ALSOK-GV」というオンラインセキュリティシステムは、勤怠管理、出入管理、オフィス管理を一括して提供するものです。こうしたセキュリティ面でも強いサービスを導入すれば、ICカードや生体認証、電気錠などを利用して、オフィスへの出入管理と在室管理、不審者の侵入対策、いざというときに警備員(ガードマン)が駆けつける機械警備までを行うことができます。

勤怠管理システムは今や、単に出勤・退勤時間を記録するためだけのものではありません。企業規模やオフィス環境に合わせて、最適な勤怠管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。