サプライチェーン・マネジメント
サプライチェーン・マネジメント
ALSOKグループは、変化する時代と社会の要請に応え、人権・労働、汚職・腐敗、地球環境保全など、さまざまな課題解決の一助となるべく取り組んできました。しかし、この取り組みはALSOKグループの努力だけで完結するものではなく、取引先をはじめ、すべてのステークホルダーの皆さまのご理解・ご協力のもと実現するものであると考えています。
こうした考えに基づき、ALSOKグループでは、取引先との連携をより一層密にしながら、調達や機器の設計・ 開発などに取り組んでいきます。
人権方針
ALSOKグループでは、経営理念および「ありがとうの心」と「武士の精神」という2つの基本精神に基づき、基本的人権を尊重しています。人権尊重に対する姿勢を明示するため、2023年11月に「ALSOKグループ人権方針」を策定しました。
ALSOKグループのすべての役員・社員に適用するとともに、サプライヤーを含むすべてのビジネスパートナーの皆様にも本方針に沿った人権尊重への理解と実践を期待しており、賛同を得られるよう働きかけと定期的なコミュニケーションを行ってまいります。
CSR・サステナビリティ調達指針
取引先を含めたサプライチェーン全体で地球環境保全や人権・労働、汚職・腐敗などのさまざまな課題解決に取り組むため、2022年、「CSR・サステナビリティ調達指針」を新たに制定しました。この指針への賛同を、調達先としての新規契約の条件としています。
取引先と協力して資源の有効活用や廃棄物の発生抑制など、地球環境保全に積極的に取り組むとともに、人権に関する国際規範を踏まえ、サプライチェーン全体の人権の尊重を推進しています。
2022年には、「CSR・サステナビリティ調達指針」に基づき、警備機器の既存調達先290社に対して環境保全や人権侵害リスクへの取り組み状況に関するアンケートを実施しました。この結果を踏まえ、各調達先の取り組み状況に応じて、フォローアップや講習会の開催など、必要な対策を検討してまいります。
国連グローバル・コンパクト 分科会への参加
ALSOKでは2023年4月に国連グローバル・コンパクトに参加するとともに、さまざまな分科会に参加することでサステナビリティに関する学びを深めています。
参加する分科会のうちの一つであるサプライチェーン分科会においては、幹事サポーターとして他社との意見交換や勉強会、人権デューデリジェンスに関するマニュアルの検討等にも積極的に参加しています。
環境配慮設計
警備機器などの委託開発においても、環境保全に貢献していくことを目的として、社内ガイドライン「環境配慮設計に関わるガイドライン」を策定しました。
本ガイドラインに基づき、取引先と協力して、製品を設計・開発する際の環境配慮設計の検討、納入製品の有害化学物質の使用制限、長寿命化、梱包材の再資源化などに取り組み、より一層、環境保全に貢献していきます。
環境省「バリューチェーン全体での脱炭素化支援事業」に参加
政府が「温室効果ガスを2030年に46%削減(2013年度比)、2050年カーボンニュートラル」という目標を発表したことを背景に、大企業を中心に脱炭素経営への取り組みが広がっています。こうした状況の中、ALSOKはサプライチェーンCO₂排出量(Scope3)の削減に向けて、環境省の「バリューチェーン全体での脱炭素化推進モデル事業」に応募し、採択されました。
本モデル事業にはALSOKを含む5社が参加し、当社は総務部サステナビリティ推進室と調達部が連携し、サプライヤー4社様に支援をいただきながら、当購入する物品(警備機器、制服、帳票など)の製造時に発生するCO2排出量を算出しました。
2024年3月13日には、環境省主催の「脱炭素経営フォーラム」にも参加し、取引先と協働でのCO2排出量算出における課題や実施した対策(サプライヤー向けガイドラインの策定)について発表しました。また、他の参加企業とディスカッションを行い「お客様に安全安心を提供するだけでなく、環境にも貢献するサステナブルな警備会社としてバリューチェーン全体でのCO2排出量削減に引き続き取り組んでいきたい」と今後の意気込みを語りました。
本事業で得られた知見や取り組みの情報は、環境省のガイドブックへ反映され、広く周知される予定です。本事業を通じて当社のサプライヤー向けガイドラインを策定することができ、さらに脱炭素経営の促進に向けたロールモデルを確立することができたため、今後はより幅広いサプライヤーの皆様とともに、CO₂排出量削減に取り組んでまいります。
ALSOKお取引先ホットライン
自浄作用、社会的信頼、企業価値の維持向上および取引先の皆様との持続的発展を確保することを目的として、「ALSOKお取引先ホットライン」を2021年に開設しました。
ALSOKグループ内の組織または個人のコンプライアンスについてお気付きになられた場合にお知らせいただくことで、速やかに問題の未然防止または是正を図っています。また、内部通報制度である「ALSOKホットライン」と同様に(1)通報者の保護、(2)不利益な取り扱いの禁止、(3)匿名通報も可能となっています。
ALSOKグループのCSRに関するお取引先へのお願い
現代社会は、持続可能性を脅かす厳しい状況に置かれ、様々な問題に直面しています。グローバル化により企業活動の場がボーダレスになる一方、差別や労働環境の問題が浮かび上がり、企業の社会的対応が問われるようになりました。また、利潤の追求を重視して発展してきた世界経済は地球温暖化をもたらし、生態系の破壊と資源の枯渇を招き、様々なエネルギー問題をも引き起こしています。そのような背景から、世界は、国や企業の社会的・環境的責任を促進するため、すべての事業活動において、国の法律、規則、および規制を遵守することは基より、国際的に認知された基準を尊重することを求めるようになりました。
私たちALSOKグループも、世界人権宣言を尊重し、「ILOの中核労働基準」及び「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠することで、ステークホルダーの利益を守り、パリ協定により採択された地球温暖化対策の一助となるべく環境活動に取り組み、責任ある企業としてリーダーシップを発揮していきます。
私たちは、これまでも強い使命感のもと「ありがとうの心」と「武士の精神」という2つの基本精神を掲げ、『あらゆる「安全・安心」のご要望にお応えするために、24時間365日対応可能なネットワークを活用して社会とお客様を守る』という事業モデルによりCSVを実践し、変化する時代の中で社会課題を解決し続けCSRを推進してきました。しかし、この取り組みは、弊社グループの努力だけで完結するものではなく、すべてのステークホルダーの皆様のご理解とご協力をいただくことで実現するものであると考えています。
こうした考えに基づき、この度弊社グループでは、「ALSOKグループのCSRに関するお取引先へのお願い」を作成しました。お取引様には、ALSOKの考え方を理解していただき、ともに持続可能な社会の実現に取り組んでくださることを切願いたします。
サプライヤー様とのコミュニケーション
2019年12月、ALSOKでは警備業務の主要なサプライヤー157社*に対し、CSRの考え方や趣旨をご理解・ご賛同いただくことを目的に、「ALSOKグループのCSRに関するお取引先へのお願い」を送付し、多くのサプライヤー様からご賛同賜ることが出来ました。
また、サプライヤー各社様とは部門ごとの定期集会などを通してコミュニケーションをとっており、定期集会においては最新情報の共有や活動方針についての話し合いなどが行われています。2023年12月には当社の機器調達先様を対象とした「綜栄会」において、国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンより講師をお招きし、バリューチェーン全体での気候変動対策に関する講演を行いました。
人権・労働・環境等の国際的なガイドライン等を勘案し、サプライヤー様向けの研修やアンケート調査の実施など、今後もサプライチェーンへの働きかけを積極的に行っていきます。