オフィスやビルに防犯カメラを設置する必要性
2018.01.09
オフィスに防犯カメラを設置する必要性
オフィスは重要な情報やモノが溢れている場所です。機密レベルの高い情報は厳重に保管・管理されているはずですが、それでも日常業務で扱う書類や資料、情報端末、記憶装置などが持ち出されるといったリスクは、どんなオフィスにも必ず存在します。
大切なのは、オフィスは情報が集約される場所であり、不特定多数の人が出入りする場所であるという意識を持つことです。防犯カメラは、そんなビル内やオフィス内をモニタリングし、映像による記録を残すことができる道具です。万が一、機密情報や個人情報、顧客名簿などが持ち出されるような事態に遭遇したとき、仮にカメラが1台も設置されていなかったとしたら、その会社では起きたことの状況を確認することも、証拠を残すこともできません。そのような最悪の事態を避け、オフィスの重要な情報を安全に管理するために、防犯カメラの設置が必要なのです。
オフィスに防犯カメラを設置して得られる効果
オフィスに防犯カメラを設置するメリットはいくつかあります。防犯カメラがどのような意味をなすのかをここで確認しておきましょう。
犯罪や不正の監視
事務所荒らしなどの被害に遭う企業は決して少なくありません。オフィスには金目のものを置いていないと思う方もいるかもしれませんが、現代の企業において非常に重要な資源のひとつとされる情報が盗まれ、大きな問題に発展するケースが多発しています。情報の漏えいや紛失は企業のイメージや信頼を損なわせ、取引先や顧客との関係にも影響を及ぼすでしょう。もちろん、情報だけでなく金庫やOA機器等の備品が盗まれることもあり、夜間や休日のオフィスに窃盗集団が入り込み、重大な損害を受ける事件も発生しています。
さらに、あまり考えたくないことですが、内部の人間による犯罪や不正も起こらないとは限りません。実際に、社員が休日出勤をして重要文書を持ち出すといったケースも起きています。防犯カメラはこうした犯罪や不正を監視し、記録することができます。
犯罪の抑止効果
カメラが設置してあることを示すことによって、犯罪に対する抑止力となるのも防犯カメラの大きな効果です。監視されている状況では簡単に不正行為が明らかになってしまうため、犯行を諦める可能性が高まります。実際に、防犯カメラの設置によって犯罪率が低下するというデータは、日本だけでなく世界でも証明されています。そして、犯罪抑止効果は外部の人間はもちろんのこと、内部の従業員にも効果があり、内部の不正行為を未然に防止するためにも役立ちます。
積極的な活用で業務の効率化
最近の防犯カメラシステムは高性能化しており、高画質・広角撮影や長時間記録などが可能。犯罪以外でも、何らかのトラブルは発生した際に原因究明の一助となる可能性があります。また、リアルタイムの遠隔監視やクラウドを利用したスマートフォンなどによる監視機能も備えている防犯カメラもあります。こういった機能を活用して、店舗等に設置したカメラで本部のスタッフが店の状況確認し、応援スタッフを送ったり指示を出したりしているケースなどもあるようです。
さらに高度な防犯カメラシステムになると、出入りする人や侵入者を自動検知する機能、侵入者を追尾して映し出す機能、異常発生時にガードマンが緊急出動するサービスなども利用できます。こういった機能を組み合わせれば、防災や事故・トラブル防止、特定設備の異常を感知して知らせる設備監視なども行うことができるのです。
防犯カメラによって問題解決につながった事例
最近ではオフィス以外にもあらゆる場所に防犯カメラが設置されるようになっていますが、実際に防犯カメラの映像が問題の解決などにつながった例が多数あります。
実際にあった事例として、傷害事件が発生した際、防犯カメラに映った不審人物の姿が警察によって公開され、犯人の早期逮捕につながったことがありました。市街地などには多数の防犯カメラが設置されており、数百メートル離れた場所からでも人の顔を鮮明に映し出せるものまであります。また、強制わいせつやストーカー事件等の犯人特定に役立ったという例もあり、防犯カメラはあらゆる場面で私たちの身を守っていると言えるでしょう。
コンビニ等のレジで発生する内部の不正が防犯カメラで明らかになるケースもあります。精算時に操作を完了せず、会計をキャンセルして現金を着服する空打ちなどの手口が、会計時の手元まで映った映像を照会することで判明するのです。こういった行為を戒めるために、防犯カメラを設置するという場合もあるでしょう。
一方で、福祉介護施設等においては防犯カメラによる顔認証システムを活用して出入りを制限することで、認知症の高齢者が徘徊して行方不明になるなどの事態を防いでいるといった事例もあります。さらに、遠隔のモニターから映像を常に確認できるようになり、定期的に行なっていた出入り口の見回り業務がなくなり、負担の軽減にも役立っているようです。
防犯カメラの種類と選び方
防犯カメラにはいくつかの種類がありますが、オフィスに設置する場合はどのようなカメラが適しているのでしょうか。
カメラのデザインは大きく分けて、ボックス型・ドーム型の2種類があります。ボックス型は天井に設置するいかにもカメラらしい見た目をしており、存在感があるため犯罪抑止・威嚇の効果が高くなります。ドーム型はドームの中にカメラが収められており、あまり目立たないため景観重視の場合や威圧感を抑えたい場合に便利です。ドーム型はカメラが回転するタイプもあり、一般的に監視する範囲が広くなることもメリットです。
機能としては、夜間や暗い場所でも赤外線を照射することによって鮮明な映像を撮影できる赤外線タイプのものや、赤外線センサーと連動して監視エリアに人がいるときのみ動作するものも。また、現場の音声まで確認できるマイク内蔵のカメラ、犯人に攻撃されても簡単には壊れない耐衝撃性カメラなどもあります。
防犯カメラは基本的に映像をハードディスク等に記録したり、遠隔のモニターでリアルタイムの映像を監視したりします。なかには電波で映像を送信するワイヤレスカメラや、ネット・LANを通じて映像を送信するウェブカメラなどもあり、配線しにくい場所にカメラを設置したり、遠い場所でモニタリングしたりが可能。このように防犯カメラにはさまざまなタイプがあるため、設置場所や目的などを考慮して防犯カメラを選ぶことが大切です。
防犯カメラはどこに設置するのが効果的?
多数の人が出入りするオフィスビルの玄関、エントランスホールなどは、最も防犯カメラの需要が高い場所です。カメラの存在をアピールすることで、侵入者に対する威嚇効果ももたらします。ビル内のオフィスの出入り口に設置するのも同様の効果があるほか、来客状況の確認にも活用できます。
ほかには、普段目が届きにくい階段、資料室や倉庫、密室になりやすいエレベーター内なども設置ポイントとなります。各部署がある一般オフィス内にカメラを備える企業も増えています。ただし、重要情報を保管している部屋などは、カメラに情報が映し出されることによるリスクが生じることを忘れてはなりません。その場合は、警備員の配置を優先し、防犯カメラは出入り口に設置するのにとどめるのが適切です。
ダミーカメラとは?
防犯カメラ等の一種として、撮影機能のないダミーカメラといった製品も存在します。これは、外見が本物のカメラとそっくりであるため、犯罪抑止に効果を発揮するというもの。通電が困難な場所に設置したり、最小限のコストで防犯カメラの抑止力を利用したりといった理由で設置されます。
念のための防犯対策として導入する場合や、本物とともに設置してカメラの死角がないように見せかける場合などは、ダミーカメラが役立つことでしょう。しかし、犯罪のプロは偽物であることを見破れる可能性があり、当然、実際に犯罪が起きても証拠は残せませんので過信は禁物です。
オフィスやビルに防犯カメラを設置する際の注意点
防犯カメラの役割と性能は年々高くなっていますが、それだけに注意すべきポイントもあります。例えば人物が特定できる映像記録は、個人情報保護や肖像権の対象となります。これらの映像は安易に公開することは避け、慎重に取り扱わなくてはなりません。
また、防犯カメラシステムは高度な機能を備えているほど、正常な作動を確認するための定期メンテナンスが必須となります。侵入者がこれらの機器やシステムの破壊、機能停止を行う可能性も想定しておくことが重要で、何らかの対策が必要となります。
ALSOKのオフィス用防犯カメラシステムでは、カメラやレコーダー等の機器の状況を常時監視し、異常があればメンテナンス出動するサービスが付帯しています。詳しくはこちらをご確認ください。
オフィスやビルの規模が大きくなり、入退室者の数が増えれば、防犯カメラの役割は一層大きくなります。企業のセキュリティとリスク管理を考え、信頼できる防犯カメラシステムの導入を検討してください。