マンションのセキュリティを高める防犯・防災対策とは
マンションの購入や入居を決める際に、セキュリティ面の充実を条件に挙げる方も多いのではないでしょうか。高セキュリティをアピールしている物件が珍しくなくなってきたことからも、マンション暮らしを考えている方の間でセキュリティに関する意識が高まっていることが分かります。
マンション経営をしている方にも、セキュリティの強化は見逃せない課題ではないでしょうか。
今回は、マンションのセキュリティを向上させるための効果的な防犯・防災対策についてご紹介します。
目次
マンションにおけるセキュリティリスク
マンションで暮らすにあたり、考えられるおもなセキュリティリスクといえば以下のようなリスクが挙げられます。
- 不審者侵入などによる犯罪のリスク
- 地震・火災などの災害に遭うリスク
- 建物や設備の整備不良などによるトラブルのリスク など
また、上記のようなリスクが生じた際、そのために引き起こされる以下のような問題も想定できます。
- 入居者が減少してしまうリスク
- マンションの資産価値が減少してしまうリスク など
セキュリティリスクが実際のマンション生活に影響を及ぼすようなことがあれば、マンション経営に関するリスクも生んでしまう可能性があります。何かが起こってしまう前に適切な対策を講じ、セキュリティリスクを抑える取り組みが必要になるでしょう。
マンションのリスク対策
ここでは、マンションで必ず行っておきたいセキュリティリスクに関する具体的な対策をご紹介します。
不審者侵入防止に共有スペースの防犯対策
外部からの侵入を防ぐため、不特定多数の人が利用するエントランスやエレベーターなどの共有スペースにおけるリスク低減には次の8つの防犯対策が有効です。
オートロックの設置
エントランスに入る段階で居住者とその関係者しか入館できないようにする仕組みで、既に設置されているマンションも多いと考えられます。
デジタルレコーダーに映像を録画できる防犯カメラの設置
24時間365日、映像の記録が可能な防犯カメラも有効なセキュリティ対策です。
しかし、居住者のプライバシーに配慮する必要があるため、共有スペースに設置する場合は注意しましょう。
「警戒中」と書かれたステッカーの取り付けによる抑止効果の向上
防犯カメラなどの監視システムを設けていたり、管理人さんに常駐委託しているマンションに「24時間警戒中」などのステッカーを掲示して犯罪を抑止することも一案です。
防犯ガラスの設置
各戸や共用スペースの窓ガラスを、割られにくい防犯ガラスにする方法です。1階の住居部分のみ、割られにくい防犯ガラスを取り入れる方法も有効です。
また共有スペースのみならず、人の目につきにくく死角を生みやすい1階部分の住居玄関前通路やベランダ、非常階段の出入り口や駐車場などにも対策が必要です。以下のような方法で、セキュリティリスク低減を図りましょう。
周辺を明るくして見通しをよくする照明器具の設置
1階部分は暗くなりやすく、暗いというだけで死角同然になる可能性もあります。照明を明るくするなど、常時暗い部分を作らないよう対策しておくと良いでしょう。
死角になりやすい箇所への防犯カメラ・監視カメラの設置
死角にあたる場所に防犯カメラや監視カメラを設置し、常時監視可能とします。しかし、居住者のプライバシーへの配慮もしっかり検討してうえで設置を考える必要があります。
人が通行するとその場を明るく照らせる人感センサー付きライトなどの設置
先に述べた照明器具と同様、人が通ったときだけライトを点灯できる人感センサー付きライトの設置も有効です。点灯時間を限定的にして電力消費を抑えながら、効率的にマンション共有スペース内のセキュリティ対策の強化が可能です。
ご紹介した対策以外にも、非常通報ボタンの導入やいざというときにガードマンが駆け付けるサービス、オンライン監視サービスなどの導入もおすすめです。
地震や台風、火災などの災害対策
地震や台風などの天災、あるいは火災など不測の災害や事故のリスクも、マンション住まいにおいて対策しておきたい要素です。それらの災害に有効な対策は、おもに以下となります。
- 各戸および共用スペースへの火災報知器の設置
- 各戸の水回り箇所へのガス警報器の設置
- 消防用設備の整備
- 停電に備えた蓄電システムの設置
- 災害時の水道管損傷を想定した漏水センサーの設置 など
設備異常などのトラブル対策
マンションに設備が増えれば、それらが不調となったときのトラブル発生にともなうリスクも想定されます。設備異常などに関するトラブルを回避するためには、以下の対策が有効です。
鍵の管理システムの導入
マンションで使われている鍵をクラウドサービスやIoT機器などで一元管理し、誰がどの鍵を使用しているのかをいつでもリアルタイムで把握・追跡できるシステムです。
自動通報システムの導入
設備機器などに自動通報システムを取り付けると、万一設備に不調が発生した際もすぐ通報が行われるため、適切な対処を迅速に行うことが可能となります。
マンションの防犯カメラ設置の注意点
マンションの防犯対策として検討されることの多いものに「防犯カメラ」があります。
しかし、防犯カメラの設置を検討する際には「マンション居住者や近隣住民のプライバシーに関すること」が課題として挙げられます。
防犯カメラの設置をはじめとする防犯対策を実施する際には、早い段階で居住者の方や近隣住民の方など関係者の理解を得ておくことが大切です。
実際に、ALSOKが行った「防犯カメラがあると安心か不快か」という調査によるデータでは、以下のような結果が出ています。
防犯カメラに安心感を持っている人が7割いる一方で、セキュリティのための防犯カメラであっても15%の人が不快感を持っていることが分かります。ただし不快感を持つ人の7割近くは、不快であると同時にセキュリティ面での安心感も得られると感じていると回答していました。
マンションへの設置に向いていない防犯カメラとは?
防犯カメラはセキュリティの向上に効果があるものですが、カメラの選定を誤るとかえって役に立たない可能性もあります。マンションへの設置に向かない防犯カメラには、以下のようなものがあります。
防犯灯が設置されているタイプの防犯カメラ
防犯灯は、人が通りかかると防犯のためにライトを点灯させます。マンションの防犯カメラにこの機能が付いていると、防犯カメラの映像に光が入って逆光となり、映しておきたい瞬間を撮影しにくくなる可能性もあり得ます。マンション内の設置には、防犯灯付きの防犯カメラは避けた方が無難でしょう。
音声録音記録付きのカメラ
音声を録音できるタイプの防犯カメラも、カメラの前をたくさんの人が通りかかるマンションへの設置には向きません。音声の記録はマンション居住者へのプライバシー侵害に該当する可能性があり、多くのマンションにおいて管理規約に抵触することもあります。共用スペースに設置する防犯カメラは、小型で広範囲の撮影が可能な音声記録機能がないドーム型の防犯カメラなどが適しているでしょう。
防犯・防災対策はマンションの価値の向上につながる
セキュリティや災害へのリスクが明らかに想定できるマンションは、必然的に入居率も下がります。今現在、セキュリティに課題を感じているのであれば、早めに対策を講じて適正なメンテナンスを行いましょう。
それらを実施することで、セキュリティ意識の高い入居者へもアピールができます。安心感のあるマンションという特徴を加えることで人気を生み、空室率の改善につながることにも期待できるでしょう。
また、マンション自体の人気が高くなれば家賃などを上げても入居率への影響は抑えられ、長期的には資産価値の向上にもつながります。
ALSOKの防犯・防災サービス
ALSOKでは、マンションの適切な維持管理にも役立つ防犯・防災サービスを提供しています。突然の災害に備えられる「可搬型蓄電システム」など、もしもの時のセキュリティ対策も安心です。
また、マンションセキュリティの基本ともいえる「オンラインセキュリティ」では共用部、管理室、住戸の侵入監視、火災監視、非常通報などが1つのシステムでパッケージ化されており、もしもの時はいち早くALSOKのガードマンが駆けつけます。
ALSOKではマンション向けのサービスをはじめ、さまざまな防犯・防災サービスを展開していますので、是非お気軽にお問い合わせください
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まとめ
今回は、マンションのセキュリティを向上させて居住者や訪問者を守り、マンションそのものの人気や価値の向上までを図れる防犯・防災対策についてご紹介しました。
セキュリティ対策を新たに加える場合、その性質によっては居住者の方や近隣の方とプライバシーに関する確認や取り決めが必要なこともあり得ます。事前に計画をしっかり立て、マンションに最適な防犯・防災対策の選定を行いましょう。