企業防災における災害対策用品(備蓄品)の管理方法
日本は世界でも有数の災害大国です。地震、台風、津波、火山噴火などが発生しやすく、首都直下地震や南海トラフ巨大地震、富士山の噴火など大規模災害の発生が懸念されています。
条例等では企業に対し従業員1人当たり3日分の備蓄を推奨している自治体もありますが、発災直後は行政からの支援の手が行き届かないことから、食料や飲料水は1週間分を用意したいものです。
今回は、企業防災における備蓄品の種類と分量、管理方法についてご紹介します。
いざという時に有効な災害対策用品(備蓄品)
内閣府「平成 29 年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」によると、「被害を受けた際に有効であった取り組み」は、「備蓄品(水、食料、災害用品)の購入・買増し」と回答した企業が最も多く、全体の約4割を占めていました。
日頃から備蓄品を用意しておくと、いざという時に役立つことがわかります。
何を用意すればいい?災害対策用品(備蓄品)の種類と分量
企業防災には、災害時の被害を最小化する「防災」の観点からアプローチする場合と、災害時の企業活動の維持または早期回復を目指す「事業継続」の観点からアプローチする場合があります。
事業継続の取り組み(BCP)を策定する企業は増加傾向にありますが、事業を継続するには、まず従業員の安全を確保してください。
災害対策用品(備蓄品)の種類
保存水や食糧(アルファ化米、クラッカー、乾パンなど)は主要アイテムとして、多くの企業様が準備をされていますが、その他備蓄品も様々な場面を想定して備えておくことで、いざという時にも安心して過ごすことができるでしょう。
- 滞留生活の寒さ対策として
…毛布、保温シートなど - 避難時の安全対策として
…ヘルメット、防災頭巾など - 救出や避難脱出時の対策として
…救助工具、救急用品、拡声器など - 断水時の対策として
…ウェットシート、水が不要のシャンプーなど - 停電時の対策として
…ライト、ラジオ、蓄電池など
災害対策用品(備蓄品)の分量
では、従業員1人当たりの1週間分の備蓄量はどのぐらい必要なのでしょうか。
- 水:従業員1人当たり1日3リットル×1週間分=21リットル
- 主食:従業員1人当たり1日3食×1週間分=21食
- 毛布:従業員1人当たり1枚
- 簡易トイレ:従業員1人当たり1日5回×1週間分=35回
これらを参考に備蓄品の適切な管理を行う必要があります。
災害対策用品(備蓄品)は管理が重要
企業で備蓄している水や食料品は、賞味期限(3~7年程度)が定められています。「業務が忙しい」「担当者の異動」などの理由で備蓄品の買い替えの優先度が下がりかねません。しかし、災害はいつ発生するかわからないもの。もしもの時に備えて、備蓄品をリスト化して賞味期限を把握し、適宜買い替える必要があります。
かつて非常食といえば乾パンなどのイメージでしたが、今ではお米やパン、おかずなどそのバリエーションも豊富です。また、非常時に食べなれたものだと少しでも安心につながるため、非常食を定期的に食べながら新しいものに入れ替える「ローリングストック法」という考え方も広まりつつあります。
もし、ローリングストック法などでの備蓄品の消費が難しい場合、備蓄品管理代行サービスなどを利用することで賞味期限切れを防ぎ、廃棄による食品ロス削減にもつながります。
まとめ
近年、災害の発生が増加しており、地方自治体でも備蓄に関する条例を定めるケースが増えています。企業防災の基本として水や食料などの備蓄が挙げられますが、食料品の場合は賞味期限があることから、管理方法で課題を抱えている企業が少なくありません。
賞味期限切れを防ぐためにも、備蓄品管理代行サービスなどを利用して備蓄品の管理をしっかりと行い、もしもの時に備えましょう。
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