コインランドリー開業の流れや初期費用は?安心して使える防犯対策のポイント

コインランドリー
2024.11.29

コインランドリーは基本的に無人で運営できるため、人件費がかからない・安定した収入が得られやすいなどのメリットがあります。
しかし、開業の手順や初期費用などが分からず不安を感じている方も多いでしょう。また、コインランドリーなどの無人店舗では盗難被害などがニュースになることもあり、コインランドリーを開業するうえでは適切な防犯対策も知っておく必要があります。

この記事では、これからコインランドリーを開業しようとしている方に向けて、開業の手順や初期費用、利用者の安心感につながる防犯対策のポイントなどをご紹介します。

目次

コインランドリー開業の流れ

事業計画書

コインランドリー開業の、基本的な流れについて見ていきましょう。

1.個人経営かフランチャイズかを決める

まず決めることは、個人経営・フランチャイズのどちらの経営形態にするかです。個人経営の場合、売上の全てを受け取れることがメリットですが、集客・清掃・売上管理などあらゆる業務を負担しなければなりません。

一方フランチャイズの場合、本部からのサポートによって立地調査や開業準備をスムーズに進められることや、顧客からの問い合わせ対応などを委託できるメリットがあります。フランチャイズ加盟金や、ブランド名やロゴを使用するためのロイヤリティなどが発生する点はデメリットといえるでしょう。

2.立地選び

コインランドリーの売上を大きく左右する要素が、立地です。コインランドリーに対してどれほどのニーズがある土地なのかを、事前に調査しておくことが重要です。周辺の住民は一人暮らし・ファミリー層のどちらが多いのか、住宅地の近くにあるのか、周辺に競合店舗はないかなど、立地選びにおいては考慮すべきポイントが数多くあります。

3.事業計画の作成

立地を決めたら、事業計画を作成しましょう。開業にどれくらいの費用をかけ、どれくらいの期間で回収するのか、現実的かつ具体的に決めます。そのためには、毎月の売上見込みやランニングコストなどをできるだけ正確に計算する必要があります。開業時は融資を受ける方もいると想定されますが、収益性が見込める事業計画でなければ融資も受けられないため、事業計画は綿密に立ててください。

4.店舗の内外装・設備工事

立地を決め、事業計画も作成したら、次は店舗を準備する段階です。コインランドリーの経営には専門的な機器の導入が必要ですが、その前に内外装や設備(ダクト・空調、水道管・排水管など)の工事が必要です。内装も清潔感や使いやすさを意識しましょう。顧客満足度が高ければ、口コミによる集客効果も期待できます。

5.機器や備品の選定

次に洗濯機・乾燥機や備品を選定します。洗濯機・乾燥機の台数や容量、洗濯~乾燥まで行える機器にするのかなどを考えましょう。
開業する地域に一人暮らしの人が多く住んでいる場合は、回転率を上げられるよう小型の機器を置き、ファミリー層が多い場合は大量の洗濯物や布団なども扱えるよう大型の洗濯機・乾燥機、靴専用の洗濯機・乾燥機を置くと良いでしょう。また、事前にペットを飼っている家庭が多いとわかっている場合は、ペット用品専用のマシンを導入するとより集客が見込めるかもしれません。

その他、洗剤の自動販売機やドリンクの自動販売機の設置、待合スペースの設置も検討してみてください。

6.各種届出

コインランドリーを開業する際には、税務署への開業届以外にも以下のような届出が必要です。

  1. コインオペレーションクリーニング営業施設開業届(提出先:保健所)
  2. コインオペレーション営業施設概要(提出先:保健所)
  3. 消防への届出(提出先:消防署)

コインオペレーションクリーニング営業施設開業届は、管轄の保健所に対して提出するものです。届出が受理されれば保健所の職員が店舗を訪れ、営業基準を満たしているかを調査します。保健所によっては、コインオペレーション営業施設概要(店舗の構造や寸法などの届出)の提出も求められることがあります。

また、消防法第九条により、乾燥機が火器とみなされ、所轄の消防署への届出が必要です。

「かまど、風呂場その他火を使用する設備又はその使用に際し、火災の発生のおそれのある設備の位置、構造及び管理、こんろ、こたつその他火を使用する器具又はその使用に際し、火災の発生のおそれのある器具の取扱いその他火の使用に関し火災の予防のために必要な事項は、政令で定める基準に従い市町村条例でこれを定める。」

出典:消防法 第九条

ただし、自治体によっては店舗の広さや乾燥機の性能など条件次第で届出不要としているケースもあるため、事前に確認しておきましょう。

コインランドリーの初期費用

コインランドリー開業に必要な初期費用は、2,500万円~5,000万円ほどといわれています。おおまかな内訳は、以下のとおりです。

物件取得費

物件を新たに取得する場合は、物件取得費が必要です。小規模なコインランドリーであれば10坪ほどでも開業は可能ですが、一般的な広さは20坪ほどとされています。

例えば、建築費が1坪90万円で20坪の場合「90万円×20坪=1,800万円」の計算になり、土地を所有していない場合にはさらに土地代がかかります。
このように物件取得費だけで1,000万円以上かかるため、すでに土地・建物を所有しているかどうかで、初期費用は大きく変わります。

また、坪単価や物件の価格は地域によっても大きく変動します。条件によっては、上記の計算よりも費用を抑えられる可能性も十分あるでしょう。

内外装費・設備工事

内外装・設備工事には、800万円~1,200万円ほどかかるといわれています。具体的な工事内容は以下になります。

  • 電気工事
  • 給排水工事
  • ダクト工事
  • 看板設置工事
  • 外灯設置工事
  • 駐車場の整備工事 など

機器・設備費

洗濯機・乾燥機の購入費は、初期費用のなかでも大きな割合を占めます。それぞれの相場は以下のとおりです。

  • 洗濯機(ドラム式):100万円~200万円
  • 乾燥機:60万円~100万円
  • 洗濯乾燥機:200万円~300万円

【費用例】
広さ:20坪
洗濯機4台:400万円~800万円
乾燥機6台:360万円~600万円
洗濯乾燥機4台:800万円~1,200万円

上記の例では、機器・設備費だけでも合計1,560万円~2,600万円ほどかかります。

コインランドリーのランニングコスト

コインランドリーの水道費用

次は、コインランドリー開業後にかかるランニングコストを見ていきましょう。

融資を受けた場合のローン返済

物件取得費や工事費、設備費用のために融資を受けた場合、毎月のローン返済が発生します。自己資金の金額や初期費用にいくらかかったかによっても大きく変動します。

例として、物件取得費のみローン返済の場合は10坪~15坪ほどの店舗で月10万円~、50坪ほどの大型店舗であれば月25万円~が目安です。

水道光熱費

洗濯機や乾燥機を日々稼働させるため、水道光熱費はランニングコストのなかでも大きな割合を占めます。稼働率にもよりますが、10~15坪ほどの店舗で月10~20万円程度を想定しておくと良いでしょう。

人件費

コインランドリーは無人で運営することができるため、人件費を抑えられる点が大きなメリットです。ただし、洗剤の補充や定期的な清掃などを業者に依頼する場合は、その都度費用がかかります。

広告宣伝費

開業当初は周知のための広告宣伝が重要になります。のぼり旗の作成・設置、チラシの作成・配布などにかかる費用として初期100万~200万円、次年度以降は年間30万~50万円ほどを想定しておきましょう。

機器メンテナンス費

洗濯機・乾燥機が故障した場合、その都度メンテナンス・修理費用が発生します。ただし、リース契約の場合は契約期間内のメンテナンス費用を無償としている業者もあるため、メンテナンス費用を抑えられることがあります。

その他

その他、両替機や自動販売機などの備品の管理費、洗濯機・乾燥機が故障した場合の保険、さらに、コインランドリーの管理を外部に委託した場合の保守費用などがかかります。

コインランドリー運営のポイント・失敗しないための注意点

コインランドリー運営を失敗させないためのポイント・注意点について解説します。

立地調査を綿密に行う

コインランドリーの運営では、できるだけニーズの高いエリアで出店することが非常に重要です。近所の方がリピーターになることで安定した収益が見込めるため、事前の立地調査を綿密に行い、ニーズの有無をしっかりと調査しておきましょう。いくら設備が整っていても、ニーズのないエリアで出店してしまうと収益にはつながりません。

初期費用をかけすぎない

コインランドリー開業には数千万の初期費用がかかると説明しましたが、あまり初期費用をかけすぎると回収の期間が延びてしまいます。損益分岐点を低くし、早期に黒字化させるためにも極力スモールスタートで始めることがおすすめです。

ランニングコストを抑える

初期費用と同じく、ランニングコストを抑えることでも損益分岐点を低くできます。毎月のコストを考慮したうえで機器の購入またはリースのどちらが良いか決める、清掃や管理のための人員を雇いすぎないなど、ランニングコストを抑える工夫を行いましょう。ただし、コストを抑えすぎた結果、店舗の清潔感が失われたり、機器が故障したまま放置されたりといった事態は好ましくありません。お客様が快適に利用できる環境を維持できる程度に、コストを抑える必要があります。

顧客が安心して使えるように防犯対策を徹底する

コインランドリーは無人経営の場合が多く、下着の窃盗や両替機の破壊・強奪などの被害が起こる可能性があります。安心して利用してもらうためには、防犯対策を徹底することが重要です。

コインランドリーの防犯対策

では、具体的にコインランドリーではどのような防犯対策を行えば良いのでしょうか。

防犯カメラの設置

無人経営では、スタッフが誰もいないことから犯罪の心理的ハードルが下がると考えられます。防犯カメラを設置し、「監視されている」「人の目がある」と思わせることで犯罪の抑止効果が期待できます。また、仮に犯罪が発生した場合も犯行の手口や犯人の容姿を特定する重要な手がかりになるため、防犯カメラは必ず設置しましょう。

防犯カメラを設置する際は、店舗の出入り口だけでなく、死角になりやすいところや、両替機のある場所など窃盗が発生する可能性が高いところを撮影できるように設置してください。

キャッシュレス決済の導入

コインランドリーでは現金決済の店舗が多くありますが、店舗内に大量の現金があると窃盗の標的になる確率が高まります。キャッシュレス決済を導入することで、店舗内で管理する現金を減らせるため、売上金や両替機内の現金の窃盗が発生しても、被害を低減できます。

機械警備の導入

機械警備とは、店舗などの警備対象施設に設置したセンサーが建物内への侵入や火災などの異常を検知し、監視センターに警報が通知され必要に応じてガードマンが現場に急行、一次対応する警備システムのことです。
機械警備の導入により、スタッフが常駐しなくても24時間の警備体制を整えることができます。また犯罪や火災の発生を防止できるだけでなく、店舗内の混雑状況や二酸化炭素濃度を計測して換気のタイミングなども通知してくれるため、快適な店舗運営につながります。

コインランドリーの防犯対策はALSOK

ALSOKでは、コインランドリー運営の防犯対策に役立つセキュリティサービスをご提供しています。

最先端の機械警備・オンラインセキュリティ「ALSOK-G7」

「ALSOK-G7」は、店舗内に設置したカメラや画像センサーから、リアルタイムで店舗の監視ができるシステムです。さらに、混雑状況配信サービスを活用して混雑状況をホームページなどに掲載すれば、お客様がより快適に利用できるようになるでしょう。

ALSOKの防犯カメラ・監視カメラサービス

ALSOKが提供する多彩な防犯カメラ・監視カメラを利用できるサービスです。昼夜を問わず高画質の映像を記録でき、ALSOK画像クラウドサービス(オプション)を活用すれば映像の管理の手間も大幅に減らせます。防犯カメラの設置から運用まで、トータルサポートいたします。

ALSOKの警備輸送(現金・貴重品)

売上金を安全に輸送するためのサービスが、ALSOKの警備輸送(現金・貴重品)です。警備輸送のエキスパートが2名体制で輸送するため、売上金回収や両替金準備も安心してまかせられます。現金決済をメインとするコインランドリー運営を考えている方は、大切な売上金を守るためにも防犯対策の徹底をおすすめします。

なお、ALSOKでは現金の窃盗被害対策としても役立つ「マルチQR決済ソリューション」をご提供しています。自動精算機やPOSレジと連動させることで、Wi-Fi不要でさまざまなキャッシュレス決済に対応可能です。コインランドリーを営業する際に防犯面でご不安がある場合にはぜひALSOKにご相談ください。