工場・プラントにおける労務管理の重要性とは
企業における総務・人事業務のなかでも重要なもののひとつに、労務管理が挙げられます。工場など製造現場での労務管理は難易度が高いといわれていますが、適切に実施することでさまざまなリスクの回避や低減につながります。
この記事では、労務管理の概要をご説明するとともに、特に重要といわれる工場での労務管理における課題についてご紹介します。
目次
労務管理とは?
まず、社内における労務管理の業務内容がどのような取り組みであるかをご説明し、企業が行うべき具体的な内容についてご紹介します。
労務管理について
労務管理とは、企業において従業員を管理する業務の一種です。適切に労務管理がなされていることで、業務生産性向上やリスク管理が可能となります。
労務管理を行うためには、労働基準法など法律に関する知識が求められます。
企業が行うべき労務管理
企業内での労務管理業務には、以下のようなものがあります。
- 労働契約・労働条件等書類の作成
- 従業員の勤怠管理
- 従業員の給与計算
- 福利厚生に関する業務
- 従業員の健康管理
- 職場の安全衛生
労務管理ができていないとどうなる?
企業内での労務管理が適切に行われていないことで、さまざまなリスクや影響が生じるといわれています。ここでは、適切に労務管理が行われていないことで起こり得るリスクについてご紹介します。
勤務時間の不正行為などのリスク
勤務時間の管理ができていないと、出勤時間や退勤時間などの記録において従業員による不正行為が発生する可能性があります。また、残業時間や有給休暇の消化日数などが把握できず、業務量や業務の進行に支障が生じることも考えられます。
過重労働による事故などのリスク
勤務時間を正確に把握できないことで、残業が横行し過重労働が常態化する可能性があります。従業員が健全に勤務できなくなり、事故などが発生する危険もともないます。さらに、事故や重大な過失があれば、工場の操業が停止してしまうリスクも考えられます。
以下は、厚生労働省の「令和5年労働災害発生状況の分析等」より、製造業における労働災害発生状況をグラフにしたものです。
死亡災害数こそ減少傾向にあるものの、負傷をともなう労働災害の数値は依然として高い数値で推移しています。特に2023年の死傷災害数は27,000人以上と、コロナ前と同水準に戻りました。労働災害を減らすため、従業員の勤務状況を把握し適切な労務管理を行うことが求められます。
その他のリスク
適切に労務管理が行われないことで生じるリスクは、他にも数多くあります。
従業員一人ひとりの健康状態を把握できないと、急な体調不良などで担当者が休んだ場合にサポート体制が整わず、円滑に業務を行えなくなるリスクもあり得るでしょう。また、従業員が抱えている人間関係などの悩みを早期に気づくことができず、従業員の定着に影響を及ぼす可能性も考えられます。
それらの影響を些細なものと考えてしまい放置すると、企業の将来に関わる重大な問題にまで発展することもあり得ます。
工場、プラントの労務管理における課題
冒頭で、工場など製造現場の労務管理には複数の課題があるとご説明しました。なぜ工場やプラントの労務管理は難しいのでしょうか。ここでは、工場やプラントの労務管理が抱える課題についてご紹介します。
勤務形態・雇用形態が煩雑
工場やプラントは基本的に交代制勤務を採用していることが多く、従業員の勤務形態(日勤・夜勤・準夜勤など)や雇用形態(正規・非正規)も非常に複雑です。たとえば、その日実施する作業内容によって、勤務する場所や建物が日々変わる可能性もあるでしょう。そのような状況から、職場や勤務時間が変化する従業員をその都度管理することの難しさが分かります。
現場における管理の難しさ
工場は敷地が広く非常に多くの従業員が就業している場合もあるため、従業員一人ひとりに管理が行き届きにくいケースが考えられます。
このため現場の人数によっては、工数の管理や勤怠管理の難易度も高くなります。また現場によっては体力を要する業務に従事する場合もあり、各従業員の健康管理や過重労働の抑制がとても重要になってきます。
このような課題を踏まえると、製造業においては特に従業員の労務管理を徹底する必要があります。
ALSOKのサービスで労務管理をサポート
複雑な労働環境のなかで、限られた人数の労務管理担当者が全従業員を管理し、労働状況を確認することは簡単ではありません。
ALSOKでは労務管理に役立つさまざまなサービスをご提供しています。
機械警備システム
最先端のオンライン機械警備システムで効率的にセキュリティを強化します。センサーと画像を組み合わせることで現地の状況をより正確に把握し、音声による威嚇を行います。犯行を確認した際は、即時関係機関へ通報するとともに最も近くにいるガードマンが迅速に駆けつけます。カメラ付き遠隔操作器を使用すれば出退勤情報を確認することができ、市販の給与ソフトとの連携が可能です。遠隔地からも警備状況や設備の稼働状況を確認することができ、管理者の負担を軽減しながら快適な職場環境の構築をサポートします。
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入退室管理システム
従業員の事業所や現場内への入退室を管理できる、入退室管理システムをご用意しています。極力機器や建物に触れることなく入室でき、非接触型の顔認証タイプはハンズフリーでの入室だけでなくなりすましも防止。表面温度を測定可能なカメラを備えたものは簡易的な検温も行えます。また、入退室履歴と出勤・退勤時刻を照合することで正確な勤怠管理が可能です。
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防犯カメラ・監視カメラ
防犯カメラ・監視カメラで業務中の様子を監視・記録することで従業員の安全を確保し、部外者の立ち入りを監視するなど事業所のセキュリティ強化を実現します。万が一の事態が起きた際には録画映像を確認することで原因を追究、証拠としても活用できます。
従来の監視カメラでは検知が困難だったさまざまなシーンを記録する3Dレーザーレーダーセンサー(3DLR)で、施設のセキュリティをさらに強化することもできます。また、ドローンを活用した外壁調査では従業員が高所作業をすることなく外壁の状態を確認でき、安全面の強化とコスト削減を実現します。
従業員の健康管理
サーモカメラを用いて、より積極的に従業員の健康管理を行いましょう。心肺停止などいざという時に備えてAEDを設置することもおすすめします。また、各企業に義務付けられている従業員のストレスチェックサービスも実施しています。
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現場の災害対策
労務管理を適切に行うことに加え、災害による被害から事業所を守る取り組みも大切です。万一の事態が起こっても従業員の人命を確実に守り、事業停止を招くことがないようしっかり備えましょう。
まとめ
労務管理は、企業において従業員の適切な働き方を維持するために欠かせない業務です。しかし、従業員の数が多く、一人ひとりの業務時間や業務に従事する場所が異なる工場などの現場では、労務管理の難易度も高くなりがちです。
機械警備システムと入退室管理システムを組み合わせることで、セキュリティ強化だけでなく従業員の勤務状況をスムーズに把握でき、より正確で適切な労務管理が行えるメリットもあります。もし工場内の労務管理にお悩みがありましたら、ぜひALSOKまでお気軽にお問い合わせください。