事務所荒らしの多い都道府県は?侵入盗被害ランキング

オフィス
2024.08.30

事務所荒らしとは、休日や夜間の人がいない隙を狙って事務所・オフィスに侵入し、機密情報や金品などを窃盗する犯罪のことです。特に、人目に付きにくい場所に構えているオフィスや、複数のテナントが入っているビルの中にある事務所は、周囲に気付かれず犯行に及ぶことが可能なため、万全な防犯対策が必要といえます。

本コラムでは、事務所荒らしの多い都道府県ランキングや事務所等への侵入手口、事務所荒らし対策についてご紹介します。

目次

事務所等への侵入盗のワーストランキング

事務所等への侵入等の遭遇率が高い都道府県と認知件数が多い都道府県のランキングは次の通りです。

犯罪遭遇率:該当エリアの事業所何か所あたり1件の事業所等への侵入盗が発生しているか
認知件数:警察が事業所等への侵入盗の発生を認知した件数

順位 エリア名称 犯罪遭遇率
1 茨城県 119事業所に1件
2 群馬県 134事業所に1件
3 栃木県 154事業所に1件
4 千葉県 169事業所に1件
5 埼玉県 170事業所に1件
6 富山県 182事業所に1件
7 三重県 193事業所に1件
8 高知県 202事業所に1件
9 岐阜県 211事業所に1件
10 宮城県 227事業所に1件
11 石川県 228事業所に1件
12 長野県 233事業所に1件
13 山形県 238事業所に1件
14 愛知県 250事業所に1件
15 福島県 255事業所に1件
16 福岡県 278事業所に1件
17 島根県 284事業所に1件
18 青森県 298事業所に1件
19 滋賀県 308事業所に1件
20 神奈川県 313事業所に1件
20 佐賀県 313事業所に1件
22 岩手県 336事業所に1件
22 岡山県 336事業所に1件
24 福井県 343事業所に1件
25 徳島県 349事業所に1件
26 愛媛県 355事業所に1件
27 香川県 367事業所に1件
28 兵庫県 368事業所に1件
29 鳥取県 378事業所に1件
30 静岡県 392事業所に1件
31 奈良県 400事業所に1件
32 沖縄県 407事業所に1件
33 山梨県 409事業所に1件
34 鹿児島県 442事業所に1件
35 新潟県 457事業所に1件
36 和歌山県 467事業所に1件
37 北海道 488事業所に1件
38 山口県 511事業所に1件
39 広島県 537事業所に1件
40 宮崎県 541事業所に1件
41 大分県 542事業所に1件
42 大阪府 588事業所に1件
43 京都府 630事業所に1件
44 秋田県 697事業所に1件
45 東京都 756事業所に1件
46 熊本県 827事業所に1件
47 長崎県 862事業所に1件
順位 エリア名称 認知件数
1 埼玉県 1,742件
2 愛知県 1,496件
3 千葉県 1,423件
4 東京都 1,242件
5 神奈川県 1,218件
6 茨城県 1,128件
7 福岡県 967件
8 大阪府 899件
9 群馬県 782件
10 兵庫県 714件
11 栃木県 632件
12 北海道 560件
13 岐阜県 525件
14 長野県 520件
15 宮城県 510件
16 静岡県 500件
17 三重県 458件
18 福島県 394件
19 富山県 325件
20 石川県 299件
21 岡山県 293件
22 広島県 282件
23 新潟県 272件
24 山形県 257件
25 京都府 228件
26 青森県 220件
27 滋賀県 216件
28 愛媛県 210件
29 高知県 202件
30 沖縄県 201件
31 鹿児島県 198件
32 岩手県 194件
33 香川県 150件
34 奈良県 147件
35 福井県 139件
35 山口県 139件
37 島根県 138件
38 佐賀県 135件
39 和歌山県 123件
39 徳島県 123件
41 山梨県 122件
42 大分県 117件
43 熊本県 109件
43 宮崎県 109件
45 長崎県 82件
46 秋田県 78件
46 鳥取県 78件

事務所等への侵入盗の犯罪遭遇率が最も高いのは「茨城県」で、119事業所に1件となっています。
2番目に高いのは群馬県で134事業所に1件で、続いて栃木県が154事業所に1件、千葉県が169事業所に1件、埼玉県が170事業所に1件と、上位5県はいずれも首都圏近郊となっています。

また、認知件数が最も多いのは「埼玉県」で1,742件でした。認知件数のランキングを見てみると、埼玉県、愛知県、千葉県、東京都、神奈川県の順となっており、いずれも認知件数が1,200件以上と多く、この5都県で全体件数の約1/3を占めています。さらに、大都市を擁する大阪府、福岡県なども上位に入っています。
首都圏近郊や主要都市は事務所やオフィスの数も多いことから認知件数が多くなっていると考えられます。

出典:警察庁や各都道府県警発表資料等を元に2022年における犯罪情勢を綜合警備保障株式会社が整理したもの

事務所等への侵入盗の少ない都道府県ランキング

犯罪遭遇率の低い都道府県と認知件数の少ない都道府県のランキングは次の通りです。

犯罪遭遇率:該当エリアの事業所何か所あたり1件の事業所等への侵入盗が発生しているか
認知件数:警察が事業所等への侵入盗の発生を認知した件数

順位 エリア名称 犯罪遭遇率
1 長崎県 862事業所に1件
2 熊本県 827事業所に1件
3 東京都 756事業所に1件
4 秋田県 697事業所に1件
5 京都府 630事業所に1件
6 大阪府 588事業所に1件
7 大分県 542事業所に1件
8 宮崎県 541事業所に1件
9 広島県 537事業所に1件
10 山口県 511事業所に1件
11 北海道 488事業所に1件
12 和歌山県 467事業所に1件
13 新潟県 457事業所に1件
14 鹿児島県 442事業所に1件
15 山梨県 409事業所に1件
16 沖縄県 407事業所に1件
17 奈良県 400事業所に1件
18 静岡県 392事業所に1件
19 鳥取県 378事業所に1件
20 兵庫県 368事業所に1件
21 香川県 367事業所に1件
22 愛媛県 355事業所に1件
23 徳島県 349事業所に1件
24 福井県 343事業所に1件
25 岡山県 336事業所に1件
26 岩手県 336事業所に1件
27 佐賀県 313事業所に1件
28 神奈川県 313事業所に1件
29 滋賀県 308事業所に1件
30 青森県 298事業所に1件
31 島根県 284事業所に1件
32 福岡県 278事業所に1件
33 福島県 255事業所に1件
34 愛知県 250事業所に1件
35 山形県 238事業所に1件
36 長野県 233事業所に1件
37 石川県 228事業所に1件
38 宮城県 227事業所に1件
39 岐阜県 211事業所に1件
40 高知県 202事業所に1件
41 三重県 193事業所に1件
42 富山県 182事業所に1件
43 埼玉県 170事業所に1件
44 千葉県 169事業所に1件
45 栃木県 154事業所に1件
46 群馬県 134事業所に1件
47 茨城県 119事業所に1件
順位 エリア名称 認知件数
1 鳥取県 78件
1 秋田県 78件
3 長崎県 82件
4 宮崎県 109件
4 熊本県 109件
6 大分県 117件
7 山梨県 122件
8 徳島県 123件
8 和歌山県 123件
10 佐賀県 135件
11 島根県 138件
12 山口県 139件
13 福井県 139件
14 奈良県 147件
15 香川県 150件
16 岩手県 194件
17 鹿児島県 198件
18 沖縄県 201件
19 高知県 202件
20 愛媛県 210件
21 滋賀県 216件
22 青森県 220件
23 京都府 228件
24 山形県 257件
25 新潟県 272件
26 広島県 282件
27 岡山県 293件
28 石川県 299件
29 富山県 325件
30 福島県 394件
31 三重県 458件
32 静岡県 500件
33 宮城県 510件
34 長野県 520件
35 岐阜県 525件
36 北海道 560件
37 栃木県 632件
38 兵庫県 714件
39 群馬県 782件
40 大阪府 899件
41 福岡県 967件
42 茨城県 1,128件
43 神奈川県 1,218件
44 東京都 1,242件
45 千葉県 1,423件
46 愛知県 1,496件
47 埼玉県 1,742件

事務所等への侵入盗の犯罪遭遇率が最も低いのは「長崎県」で、862事業所に1件となっています。また、認知件数が最も少ないのは「鳥取県」と「秋田県」で78件でした。
認知件数・犯罪遭遇率のランキングをみると、長崎県や大分県、宮崎県の認知件数・犯罪遭遇率はともに低い結果となっていることが分かります。
一方で、認知件数の多い東京都や大阪府は、犯罪遭遇率の低さではそれぞれ3番目、6番目という結果です。遭遇率の観点では、認知件数の多い大都市が必ずしも被害に遭いやすいとは言えないことが分かります。全体的には、事業所数の少ないエリアでは事務所荒らしの遭遇率が低い傾向にありますが、そういった場所では人通りも少なかったり、騒音も気づかれにくい環境だったりと、侵入者が忍び込みやすい状況が発生しがちです。そのため、事業所数の少ないエリアでも他のエリアと同様に事務所の防犯対策が必要だと言えます。

事務所等への侵入で狙われるもの

会社等の事務所やオフィスなどに侵入された場合、どのようなものが盗まれるのでしょうか。
多いのは金庫や機密情報・個人情報、備品などです。

貴重品の入った金庫

事務所やオフィスの金庫には、金品や機密情報など企業にとって重要な貴重品が管理されています。鍵や暗証番号での施錠により金庫が開けられない状態であっても、金庫ごと持ち出されてしまうこともあります。金庫は重量があるため、盗難されにくいと思われがちですが、台車などを使ってそのまま運び去ることもできます。そのため、金庫が不正に解錠されないよう対策するとともに、持ち出し防止も行うことが必要です。

機密情報・個人情報

事務所やオフィスには、企業機密が記載された文書・データや、企業に関する重要情報が保管されています。また、取引先の契約書や個人情報が記載された顧客リスト、一部の社員しか知り得ない情報も機密情報に該当します。社外に漏洩すると、事業に影響する重大なトラブルにつながりかねない情報もあるため、しっかりと対策を行うことが必要です。

パソコンやスマートフォンなどの換金できる備品

業務で使用するパソコンやスマートフォンなど、換金できる備品も転売目的で盗まれるケースがあります。また、パソコンやスマートフォンなどには顧客情報や個人データが保存されており、運び出されると現物を失うだけでなく情報漏洩の恐れもあるため、防犯対策が必要です。

事務所への侵入手口

事務所荒らしや空き巣の侵入手口として目立つのはガラス破りやサムターン回しなど特殊な器具の使用によって窓やドアが開錠されるケースです。
ここからは、事務所への侵入手口について見ていきましょう。

ガラス破り

窓ガラスとハンマー

窓ガラスを破壊して侵入する「ガラス破り」は、侵入方法の中でも多く使用される手口の一つで、窓からの侵入の際に用いられます。ガラス破りの種類には、「三角割り」「打ち破り」「焼き破り」があります。それぞれの手法について紹介します。

まず三角割りは、引き違い窓の錠前部分(窓ガラスとサッシの境のゴム部分)をマイナスドライバーなどで窓を割る方法です。防犯対策のない窓ガラスの場合は10秒ほどで割られてしまいます。

打ち破りは、バールやハンマーなどを窓に打ち付け叩き割る方法です。この手口は短時間で壊すことができますが、大きな音が発生するため、周囲の騒音が激しい線路付近や工業地域などで用いられます。

焼き破りは、窓ガラスにライターやバーナーの熱をあて、温度差によってもろくなった部分に穴をあける方法です。水や冷却スプレーで冷やした後にバーナーで加熱する場合もあります。防犯対策のない窓ガラスの場合、10秒ほどで破壊されます。また、破壊音が静かでトーチバーナーなど一般的な機器を用いて実行することができます。

無施錠

無施錠は、ドアや窓に鍵をかけていない状態のことです。無施錠の事務所やオフィスは不法侵入されやすいため、侵入者に狙われる可能性が高くなります。鍵の閉め忘れ防止の対策を徹底することが必要です。

ピッキングやサムターン回しなどの開錠

ピッキングやサムターン回しは、施錠されているドアに道具を用いて、不正に鍵を解錠して侵入する手口です。ピッキングは、金属製の特殊な工具を鍵穴に入れて鍵を解錠します。サムターン回しはドアにドリルなどで穴を開け、外から金属の棒を用いて内側のサムターンを回してロックを外します。ピッキングやサムターン回しは古い鍵を使用している場合、時間をかけず容易に解錠されて侵入されてしまう可能性があります。

ドア外し

ドア外しは、ドアそのものを外す侵入手口です。開き戸に多い方法ですが、最近は簡単に外れることのない防犯性の高い開き戸が増えているため、侵入手口として用いられるケースは減少しています。

セキュリティカードの不正利用

最近のオフィスや事務所ではセキュリティカードでの入退室管理が広く導入されています。これに伴い、セキュリティカードの紛失や盗難によって第三者に不正利用されるリスクも高まっているといえます。従業員がセキュリティカードを落として悪意のある第三者へ渡ってしまった場合、本人になりすましてオフィスに侵入され、機密情報の持ち出しや事務所にある私物や金品の盗難など被害が拡大する可能性があります。

事務所等の防犯対策

事務所荒らしを防ぐためにはしっかりと防犯対策に取り組むことが重要です。

ドア・窓の鍵や構造を防犯性の高いものにする

侵入者は侵入に時間がかかる場合は犯行を諦める傾向にあります。そのため、ドア・窓の鍵や構造は防犯性の高いものに変えるのが効果的です。鍵はディンプルキーなどの防犯性の高いものにし、ドアや窓自体も二重ロックや補助錠の備わったものにするなどして備えましょう。

さらに事務所荒らしではガラス破りで侵入される手口も多いため、防犯性の高い窓ガラスに変更する、防犯フィルムを貼るといった対策も必要です。ドアについても容易に壊されないために、頑丈な素材・構造のドアにすると良いでしょう。

ドアや錠、防犯ガラス、サッシ、網戸、シャッター、面格子などの製品の中にはCPマーク(防犯性能の高い防犯建物部品)が表示されたものもあります。防犯性能を強化したい場合はCPマークの有無を1つの判断材料にすると良いでしょう。

防犯カメラ(監視カメラ)を設置する

防犯カメラ

事務所内や出入り口付近に防犯カメラを設置することで、犯罪の抑止効果を高めることが期待できます。防犯カメラは侵入経路となる出入り口や重要機密が保管されている部屋、死角となる場所、人目に付きにくい駐車場などに設置すると有効です。
また、万が一侵入された場合に映像を記録として残すことが可能なため、後から録画映像を確認したり、証拠として活用したりすることもできます。クラウドサービスを導入すれば、事務所から離れた場所でもリアルタイムで確認でき、記録された映像を不正に消去される心配もありません。

さらに、防犯カメラは機械警備システムと連動させることができます。機械警備システムの各種センサーが反応したら自動録画することができ、機械警備と連動して強固な防犯システムを確立することも可能です。

金庫を防犯性の高いものにする

破壊や持ち出しへの対策として、防盗金庫などの防犯性の高い金庫を使用することや、床へのボルト止めなどが挙げられます。
また、金庫に振動検知センサーを設置し、異常時にはアラーム音が出たり警備会社へ通報されたりするようにしておくと効果的です。

機械警備システムを導入する

事務所荒らしを防ぐには、まず侵入者を事務所内に侵入させないことが重要です。機械警備システムを導入すれば、設置した各種センサーによって侵入者を感知した場合、警備員が現場に駆けつけます。そのため、夜間や無人時の事務所荒らし対策に有効です。また、警備員が到着するまでの間も遠隔でライブ映像を監視し、現地のスピーカーを通じて威嚇するサービスなどもあり、万が一侵入された場合も被害を最小限に食い止めることが可能です。

事務所の防犯対策はALSOKにおまかせ

事務所は、夜間や無人時に侵入者に狙われるケースが多く、24時間365日万全な防犯対策に取り組む必要があります。「24時間監視するためのコストが割けられない」「休日や夜間に何かあったときに駆けつけられない」という場合は、信頼できる警備会社に依頼するのがおすすめです。万が一、事務所で異常が発生した際に現場へ急行し、適切な処置を行ってくれるため従業員の業務負担や人件費を軽減することができます。

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