アウトソーシングとは?業務効率化への活用とメリット・デメリット
事業を拡大するほど、行うべき業務は増えて煩雑化します。ほとんどの人員がコア業務に集中できる環境を築き、無駄のない仕事を実現するにはさまざまな工夫も必要になるでしょう。
この記事では、業務効率化の手法としてさらに普及が見込まれるアウトソーシングについて、活用のコツやメリット・デメリットをご紹介します。
目次
アウトソーシングとは
アウトソーシングという言葉を日本語に直すと「外部(からの)調達」となります。企業外から調達すべきものすべてをアウトソーシングと呼びますが、ビジネスにおいて使用される際にはおもに「業務の外部委託」を指す際にこの言葉が用いられます。
アウトソーシングの目的
企業がアウトソーシングを行うおもな目的は、人的コストの削減や業務の効率化です。従来はコア業務を自社の従業員で行えるよう、一般事務などの業務を外部委託するケースが主流でした。しかし近年は、高いスキルを持つ外部業者へ専門業務をアウトソーシングする事例もみられるようになりました。あらゆる業務の品質を高め、全社的な付加価値性を向上させる取り組みにおいても、アウトソーシングが活用されています。
以下は、アウトソーシングで得られた効果に関してのアンケート資料をグラフにしたものです。
多くの設問で「期待通り」「期待以上」の回答がおよそ7割から8割も得られており、アウトソーシングの導入が企業の期待に応えられていることが分かります。特に業務プロセスの標準化や効果的な業務の実現に、アウトソーシングが役立っていると考えられます。
アウトソーシングの歴史
アウトソーシングがビジネスに取り入れられた歴史をさかのぼると、1960年代の米国である企業が情報処理業務を外部委託したことに始まると言われています。また、日本でアウトソーシングを専門とする企業が現れ始めたのは、1990年代半ば頃からと言われています。2000年頃のITバブル期におけるベンチャー企業の台頭によってアウトソーシングの事例はさらに増えました。その後の目まぐるしい情勢変化を経て、現在ではアウトソーシングの専門化・高品質化の波が到来しています。
アウトソーシングの需要が高まっている
さまざまな業種において普及を遂げたアウトソーシングですが、現在は再びその需要が高まっています。いまアウトソーシングが求められる背景とは、どのようなものなのでしょうか。近年のビジネスを取り巻く状況や、企業における経営状況を踏まえてご説明します。
変化の速い現代ビジネスへの対応
人材を育成するには一定のコストと期間が必要ですが、現代のビジネスは急速な変化をともないます。社員育成にかかるコストと期間は変えられませんが、急にやってくるビジネスの変革には追いついていかなければならないという状況です。
もちろん主幹業務に必要な人材は育成しなければなりませんが、それ以外の既に標準化できている業務をアウトソーシングすることで、主幹業務へ企業内のリソースを集約させられます。
人材不足への対応
現在、あらゆる業種において慢性的な人手不足が指摘されています。この状況は将来予測される少子高齢化社会にともない、今後も続くと言われています。多角化を続けてきた経営状況のなか、この先も自社すべての業務に従来どおり人員を配置することは難しくなっていくでしょう。
一部の業務をアウトソーシングすることは、これから加速していく人材不足の状況を乗り切っていく手段ともなります。
新型コロナウイルス感染症の影響
2020年から世界的に拡大した新型コロナウイルス感染症の影響で、1つの大規模オフィスに大勢の従業員が集まって働くスタイルが継続困難になっています。今後は事業拠点の小規模化や分散化の実施による業務効率化が、多くの企業で進められていくでしょう。
拠点を増やして分散を図ることが難しい場合、コア業務以外の一部業務をアウトソーシングすることも、効率化の一環として有用です。
アウトソーシングのメリット・デメリット
アウトソーシングの有用性についてご説明してきましたが、ここからはアウトソーシングを取り入れることの具体的なメリットやデメリットについてもご紹介します。
アウトソーシングのメリット
1.コスト(固定費)の削減
アウトソーシングのメリットの1つとして、コストの削減を実現できる点が挙げられます。さまざまな業務コストのうち、アウトソーシングで削減可能な費用は人件費です。自社の従業員にかかる人件費は固定費ですが、それをアウトソーシングすることで仕事量に応じた変動費とできるため、経営に必要なコストを無駄なく有効活用できます。
2.業務効率化
アウトソーシングと派遣は混同されることもありますが、より業務の効率化を図れる手段はアウトソーシングと言えます。派遣の考え方は「人材派遣」であるため、派遣社員を職場内で管理するコストが発生しますし、業務の引き継ぎに際して一定期間教育を行う必要もあります。それに対しアウトソーシングは業務そのものを外部へ委託するため、一定のコストで望んだ期日どおりの成果を得ることができます。
3.社員育成にリソースを活用できる
コア業務に従事する社員に対しては、従来どおり時間とコストをかけて育成することが必要です。ノンコア業務や一部の専門的業務をアウトソーシングすることで、それらの社員育成にも一定の期間やコストを割け、企業の将来性向上へもつなげられます。
アウトソーシングのデメリット
1.社内でのノウハウが蓄積しにくい
業務そのものを外部へ委託しますので、その業務に関する知識や技能は社内の人員の身につきません。アウトソーシングを行いながら業務に関するノウハウを社内に維持したい場合、社内の人員の一部をアウトソーシングした業務に参画させるなどの取り組みが必要となります。
2.認識のずれが生じる可能性がある
アウトソーシングで委託することに適しているのは、手法や手順が標準化された業務です。自社内の事情に左右されがちな要素が委託業務内に含まれると、委託先では対応しきれない部分も増えてしまいます。その結果として自社と委託先で認識のずれが生まれ、望んだとおりの成果を得られなくなる可能性があります。
アウトソーシングの導入に適した業務
ここでは、アウトソーシングに適したおもな業務についてご紹介します。
コールセンター
コールセンターは、アウトソーシングに適した業務の1つです。コールセンター業務をアウトソーシングすることで得られる効果は、まずは業務人員の削減です。またコールセンターの施設規模が大きかった場合、外部への委託で施設の維持コストも減らせます。
人事・採用業務
人事・採用業務も、アウトソーシングでメリットを得られる業務です。なかでも給与や福利厚生関連の業務は標準化が図られているため、外部へ委託することでメリットがあります。採用業務は専門性が求められますが、採用に特化したアウトソーシングを請け負う企業も数多くあるため、安心してスペシャリストに一任できます。
これらのほか、常駐警備や現金管理、BCP対策、IT関連業務、機械の保守・運用など、アウトソーシングに適した業務は数多くあります。依頼するのが標準化された業務なのか、専門性が求められる業務なのかによって依頼先の特徴は異なります。何を依頼したいのかによって、適した委託先を選定しましょう。
アウトソーシングを行う際の注意点
自社業務のアウトソーシングを検討する際は、以下の点に注意を払って計画を立てましょう。
外部委託する業務を慎重に見直す
アウトソーシングすることが自社に必要であるか、どこまでアウトソーシングするかなどを、先に述べたメリット・デメリットを踏まえて良く検討しましょう。
基準を設けて委託業者を選定
アウトソーシングの目的に応じて、委託する業者を選定します。おもな目的がコスト削減なのか品質向上なのか、スピードアップなのかによって、適した依頼先も異なります。またセキュリティ対策が必要な業務の場合は、それに対応可能な委託先を選ぶ必要があります。
アウトソーシングで起こる問題を考慮しておく
アウトソーシングすることで、業務によっては社内の重要情報を外部へ持ち出すことになります。漏えいのリスクや、万一トラブルがあった際の責任の明確化など、アウトソーシングで想定される問題点もあらかじめ考慮しなければなりません。
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ALSOKでも、アウトソーシングとして受託可能なサービスをご提供しています。警備会社としてのノウハウを持つ専門業務が中心となりますので、自社業務から切り替えたい方はぜひご検討ください。
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その他技術員による保守・点検業務の代行や、緊急時のかけつけ業務なども対応いたします。特殊な専門業務の例には、爆発物・薬物検知装置の保守点検業務などもあります。
地域や資格の有無など、条件によってはお引き受けできない場合もありますので、まずお気軽にお問い合わせの上ご相談ください。
まとめ
アウトソーシングと言えば、自社でこなしきれない業務を委託するものと考えている方が多いかもしれません。しかし近年では事業規模の拡大や多角経営によって、コア業務外であっても専門性を求められる業務が増えました。それらを安心してプロに一任できるのも、現代のアウトソーシングのメリットです。
ALSOKでも、警備会社ならではの各種サービスをご用意しています。業務の外部委託をご検討であれば、ぜひご相談ください。
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