オゾンによる除菌・脱臭のメカニズムと効果的な利用方法

オゾンによる除菌・脱臭のメカニズムと効果的な利用方法
2024.01.31更新(2020.02.13公開)

これまで室内の除菌・脱臭を行う際は、薬剤などを使用する必要がありました。このため、施設の性質によってはそれが大きなハードルとなる場合もあるでしょう。
しかし、空気中に含まれる気体の1つである「オゾン」を用いて安全に除菌・脱臭ができる「オゾン除菌・脱臭」が近年注目されています。
今回は、オゾン除菌・脱臭の仕組みや効果、選ばれる理由や使用時の注意点についてご紹介します。

オゾンとは

オゾンとは

オゾンとは、地球を取り巻く大気中のオゾン層に多く存在する気体で、大気中にあるオゾンは有害な紫外線を吸収して生命を保護する役割を果たしています。
また、日常的に吸っている空気中にもオゾンは微量に存在し、大気を浄化する性質があるといわれています。

オゾンのメカニズム

オゾンのメカニズム

先に「オゾンには大気を浄化する性質がある」と述べましたが、ここではオゾンが除菌・脱臭を行うメカニズムについてご紹介します。

オゾン除菌・脱臭のメカニズム

酸素の化学式はO2、オゾンはO3です。つまり、オゾンの分子は酸素原子3つからできており、酸素の同素体であることが分かります。

オゾン分子を形成する3つの酸素原子=O3は、酸素(O2)と比較するとかなり不安定であるという特性を持っています。そのため、オゾンは菌やにおいの物質が近くにあると、酸素原子3つのうち1つを分離させて酸素(O2)になろうとします。一方、菌やにおいの物質はオゾンの酸素原子と融合することにより酸化させられ、破壊されます。残った2つの酸素原子はO2=酸素となりますので、最終的に除菌・脱臭が行われた後の残留物質は酸素のみとなります。使用後は酸素だけが残りますので、きわめて安全性が高いといわれています。

空気清浄機との違い

空気を正常にする働きを持つ機器として「空気清浄機」を連想する方は多いでしょう。しかし、空気清浄機とオゾン脱臭器による除菌・脱臭は根本的に作用が異なります。
空気清浄機は、空気中の微粒子など異物をフィルターによって除去することが主な作用となりますので、近くを浮遊しているものにしか効果はありません。また、フィルターを使って異物を吸着するため、年に1回程度、フィルター交換が必要となります。一方、オゾン脱臭器による除菌・脱臭は、菌やにおい成分を分解して空気を浄化します。飛んでいる菌やウイルス、臭い成分の分解のみならず、よくさわる机やイス、ドアノブなどに付着している菌やウイルスなども徹底的に分解します。

オゾン除菌・脱臭が選ばれる理由

オゾン除菌・脱臭が選ばれる理由

オゾン除菌・脱臭はなぜ選ばれるのでしょうか? ここでは、オゾン除菌・脱臭が選ばれる理由をいくつかご紹介します。

1.においの元から脱臭が可能

室内の悪臭の主な原因は菌の発生です。先にもふれたとおり、空気清浄機などと異なり、オゾンには菌やにおい成分を分解して空気を浄化する作用があるため、根本的なにおいの原因を除去して脱臭する効果があります。

2.除菌やウイルスの除去

オゾンは菌を除菌し、ウイルスを不活性化できるため、感染症のリスクを軽減することが期待できます。

3.防カビ効果

発生してしまったカビを除去することはできませんが、カビが出す胞子を分解することが出来ます。このため、オゾンを発生させることでカビの繁殖を予防する効果が期待できます。

4.虫の忌避効果

害虫は、フェロモンや体臭・糞尿をあちこちにつけて活動しますが、オゾンはこれらを分解して害虫にとって住みにくい環境をつくります。ただし、オゾンで殺虫まではできませんので、完全に害虫を除去したい場合は他の方法との併用が望ましいでしょう。

5.花粉の不活性化

オゾンの酸化作用によって、花粉の膜壁を破壊し不活性化させることができます。

オゾン除菌・脱臭が推奨される施設

オゾン除菌・脱臭が推奨される施設

オゾンによる除菌・脱臭の導入が特に推奨される施設は、以下のような場所となります。

  • 飲食店
  • 病院
  • 介護施設
  • 保育園、幼稚園、小学校など幼児・児童のいる教育施設

オゾン以外の方法による除菌・脱臭を行う際には、処理後に人体に有害な薬剤が残存してしまうリスクがあります。しかし、オゾンで除菌・脱臭を行う際に残存する物質は酸素のみです。このため、飲食物を取り扱う場所や人の健康管理をする場所、菌やウイルスや化学物質を避けたい小さな子どものいる場所などではオゾンによる除菌・脱臭が最適といえます。

上記でご紹介した場所以外でも、ホテルや食品工場、スーパーマーケットなどの生鮮食料品店などに適しています。会議室やカラオケルーム、公共のトイレや公衆浴場など、不特定多数の人が入室する場所にもおすすめです。また、ペットを飼っているご家庭や動物のいる施設なども、推奨できる場所といえます。

オゾン除菌・脱臭の注意点

様々な理由から選ばれているオゾン除菌・脱臭ですが、注意点も併せて知っておくことで、より賢く活用することができます。ここでは、使用時の注意点について知っておくべきものを挙げさせていただきます。

1.高濃度のオゾンによって腐食する物質がある

日常生活に密接にかかわっている物質のなかに、オゾンによって腐食してしまうものがあります。その例を挙げるとゴムやプラスチックなどですが、これらの材質でできたものが室内にある場合は濃度次第で腐食のリスクが懸念されます。※ ALSOKが扱うオゾン脱臭器(エアバスター、エアキューブ)では、それらに影響が出るほどの高濃度にはなりません。

2.オゾン使用時には、特有のにおいが発生する

オゾン除菌・脱臭では、オゾンが発生する際に特有のにおいが発生するため、換気をしながら使用する必要があります。また、空気中のオゾン濃度が高くなりすぎるとにおいが強くなり、気分が悪くなってしまう方が出てくるかもしれません。その場合はこまめに換気をするなどしてにおいが残らないよう注意しましょう。高濃度のオゾンは人体に有害とされていますが、ALSOKが扱う小型のオゾン脱臭器(エアバスター、エアキューブ)では人体に影響が出るほどの高濃度になることはないため、安心してご使用いただけます。※※ 機種によっては、無人下での使用を想定しているものもあるため、仕様をよくご確認ください。

ALSOKのオゾン除菌・脱臭器について

ALSOKのオゾン除菌・脱臭器について

ALSOKでも、オゾン除菌・脱臭器をご用意しています。使用する室内の広さや用途に合わせて、さまざまな機能やサイズの製品を幅広く展開。
「強力に除菌したい」、「すばやく瞬間脱臭したい」、「カビ予防効果がある機器を使いたい」など、あらゆるニーズに応じた機器を取り揃えております。

まとめ

今回は、残存物質を出さずにすばやく除菌・脱臭ができるオゾン除菌・脱臭器の仕組みや効果についてご紹介しました。薬剤を使わず、空気中の物質による化学変化だけで菌やにおいの元となる成分を抑えられる快適なオゾン除菌・脱臭の導入を、この機会にぜひご検討ください。