飲食店を多店舗展開するメリットとリスク対策

飲食店を多店舗展開するメリットとリスク対策
2023.01.25更新(2020.08.26公開)

飲食店を開業後、経営が軌道に乗ったタイミングで多店舗展開する計画を立てている方も多いでしょう。しかし多店舗展開には数多くのリスクもともなうため、失敗してしまう事例も決して少なくありません。
今回は、飲食店を多店舗展開するメリットや、安全に運営するための方法についてご紹介します。

飲食店開業後の成長戦略とは

飲食店開業後の成長戦略とは

飲食店を開業後、経営を安定させるためにはまず事業を成長させなければなりません。多角経営などを考えることは、それを実現してからの話となるでしょう。ここでは、飲食店を開業してからの成長戦略についてご紹介します。

戦略その1:1つの店舗の売上を最大化する

1つめの成長戦略は、開業した1店舗単位で売上を最大化して事業を伸ばしていく方法です。飲食店が1店舗単位で売上を最大化させるためには、以下を実現することが基本となります。

  • 客単価を上げ、来店客あたりの売上を増やす
  • 来店客数を多くし、1日あたりの売上を増やす

いずれも非常に基本的なことですが、地道に上記の取り組みを行って売上をコンスタントに伸ばしていくことで、継続的な事業の成長を実現することが可能です。

1つの店舗のみで売上を最大化するメリット・デメリットとは

多店舗展開を視野に入れず1店舗のみで事業の成長戦略を図ることには、メリットもありますがデメリットも把握しておく必要があります。
まずメリットは、拠点を増やさないため事業を続けるにあたって大きな投資を行う必要がなくなる点です。今ある店舗にリソースを集中させて成長戦略を実践できるため、時間はかかる可能性がありますが着実な成長が見込めるでしょう。

デメリットは、店舗が1つしかない以上成長可能な上限がある点です。しかし、この点については求める成長度合いによってはメリットと捉えることもできます。「そこにしかない店」としての魅力を追求するなどで経営拡大にとらわれず息の長い経営を続けられる可能性があるからです。

戦略その2:多店舗展開を行い、売上の最大値を上げる

もう1つの成長戦略は、店舗数を増やすことで売上を伸ばしていく方法です。この多店舗展開による成長戦略のパターンとしては、以下の2つが挙げられます。

  • 経営者自身が各店舗のオーナーとなって、経営店舗数を増やす方法
  • 店舗ごとにオーナーを置いてフランチャイズ化し、経営者がロイヤリティを受け取る方法

上記のとおり、1号店の経営者が「直営店」を増やしていく方法と、各店にオーナーを置く「フランチャイズ店」を展開していく方法があります。ただし、直営店とフランチャイズ店の両方を設けて多店舗展開を図っている飲食店もあるため、必ずしもいずれか1つの方法を選択しなければならないわけではありません。

多店舗展開で事業を拡大するメリット・デメリットとは

先に、1店舗で事業成長を見込む際のデメリットとして「成長に上限がある」点を挙げました。多店舗展開のメリットはまさにこの逆で、店舗数を増やすほど売上の天井は高くなり、どんどん拡大できる点です。
また、各地に多店舗展開することで認知度・知名度を向上させ、売上増加につなげることも見込めます。

一方でのデメリットは、店舗を増やすために新たな投資が必要となる点でしょう。その投資が回収できる見込みがない状況で多店舗展開を図ると、失敗を招く場合もあるため無理は禁物です。また、店舗が増えれば店舗ごとの管理が必要となり、事業自体の経営管理も複雑化します。それらを事前に想定し、リスク対策や効率化を講じた上で多店舗展開を計画することが大切です。

多店舗展開する際のリスクと対策

多店舗展開する際のリスクと対策

多店舗展開は大幅な成長が見込める反面、多額の投資も必要なためリスクも存在することが分かりました。ここでは、多店舗展開によって想定されるリスクとそれに向けた対策についてご紹介します。

リスク1:売上金の管理の問題

売上の集計や売上金の管理は、店舗を増やせば各店舗で必ず必要になります。多店舗展開のデメリットでもご説明したとおり、店舗ごとに管理が必要となり煩雑化してしまいます。
会計ミスや売上金管理におけるトラブルのリスクを極力低減し、店舗運営にかかる手間を省く取り組みが求められるでしょう。

ALSOKでは、会計処理における手間やミスをなくし、事業の効率化や会計におけるトラブル防止に有効な「入出金機オンラインシステム」を提供しています。売上金の管理を適正に行えることで、店舗の防犯対策にもなり多くの飲食店でも導入いただいております。

リスク2:サービスの品質維持

店舗数が増えることで、店舗ごとのサービス品質にばらつきが生まれてしまうリスクも生じます。実際に、オーナー不在時にアルバイト従業員が店内で不適切な動画を撮影してSNSへ投稿したことで、全店舗の社会的信用がおびやかされる事態も発生しました。
一定のクオリティでサービスを維持するには、オーナー不在時のクオリティチェックも大切です。

ALSOKでは、警備会社ならではの多機能な防犯カメラも提供しています。オーナーが不在のときも撮影データを常時クラウドに保存し、パソコンやスマートフォンで離れた場所からでも店舗の状況確認が可能です。防犯カメラと言えば不審者による犯罪や内部不正の対策用と思われがちですが、多店舗展開における適切な運営管理にも活用できます。

リスク3:防犯対策

多店舗展開により店舗や従業員が増えれば、窃盗や内引きなどが起きるリスクも増えることになります。従業員やお客様の人命、多額の現金を扱っているという意識を持ち、各店舗における適切な防犯対策が必須となるでしょう。ALSOKの機械警備・オンラインセキュリティサービスは、24時間365日の監視体制で事案発生時にはガードマンが急行し迅速に対応。必要な場合には関係機関と連携します。警備のセット忘れを防ぐ通知機能なども備え、効率的にセキュリティ強化が可能です。

リスク4:労務管理

従業員が増加するとその労務管理も必要になります。アルバイト・パート従業員は学生や主婦をはじめ、現在は人手不足により採用する人材も多様化しています。そのため、従来のシフト管理や不正打刻の防止だけでなく、従業員や店舗関係者による内引き対策なども必要です。ALSOKでは、従業員や外部事業者の入退室を管理できる「入退室管理システム」も提供しています。個人毎に貸与するIDカードなどの出入情報を利用し、勤怠状況を遠隔地から確認できるため多店舗の状況把握も効率化できます。

リスク5:災害対策

先に「店舗は従業員やお客様の人命を預かっている」と述べましたが、それに関連して、災害への備えも必須事項となります。
過去5年間における震度5弱以上の地震発生回数を見てみると、累計で52回発生していることがわかります。このことからも、地震に対する備えはしておくべきと言えるでしょう。

過去5年間における震度5弱以上の地震発生回数

出典:気象庁「震度データベース検索」

また、近年急増しているのが豪雨・台風による水害や強風被害です。予測不可能な地震と異なり被害予測がある程度可能な災害ですが、最近は想定よりも被害が拡大するケースも多くみられます。ここ数年における水害や強風被害は、各地で年に数回発生するほど頻発しており、従来に増して事前の準備・対策が必要になってきていると言えます。

このような災害に備え、従業員の安否確認については確実・効率的に行えるよう仕組みを整えておくことが大切です。閉店時や従業員が出勤していない状況で災害が発生しても迅速に安否確認できるよう、安否確認に関するシステムを導入しておくことがおすすめです。

ALSOKの「安否確認システム」は、震度5以上の地震発生時には安否確認サーバとの連動ですぐに安否確認メールを自動送信する仕組みになっています。また管理者からも任意で緊急連絡メールを手動送信できるため、従業員の健康管理や仕事上のトラブル解決にも役立ちます。

また、システムに設けられたサービスサイトでは、管理者と従業員が掲示板の形で情報共有することも可能。画像やテキストを投稿することで、安否確認メールに加えてさらに詳細な現況を伝え合うことができます。

まとめ

今回は、飲食店経営における成長戦略のパターンをご説明しつつ、多店舗展開のメリットやリスク管理についてご紹介しました。

収益拠点を増やせる点において多店舗展開は魅力的な成長戦略ですが、拠点が増えると同時に拠点単位で抱えるリスクも増えることとなります。直接的に売上へ影響する成長戦略は視野に入れやすいのですが、あらゆるリスクを想定し損害を未然に防ぐことも確実な成長のためには欠かせません。各店舗で最適なリスク対策を整え、多店舗展開による効果を最大化できるようにしましょう。

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