事業報告

株主の皆様には、日頃より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
当社グループの第59期(2023年4月1日~2024年3月31日)の概況についてご報告申し上げます。

事業関係について

当連結会計年度における我が国経済は、実質賃金の下落や1~3月期における一部製造業の生産活動の停滞など景気下押し要因があったものの、設備投資の持ち直しやコロナ禍からの経済活動正常化の動き、インバウンド需要の回復などを背景に緩やかな景気回復が継続しました。

警備分野においては、サイバー空間の脅威、社会的弱者の安全・安心への懸念のほか、街中での凶悪な犯罪や事故の増加、今年1月に発生した令和6年能登半島地震などの自然災害に伴う治安情勢の変化、インフラ老朽化などを背景に、警備業界に対する社会の期待は高まっており、当社グループに対しては、警備を含むトータルでの安全・安心に関するサービス提供が求められております。加えて、2022年の刑法犯認知件数が2002年以来初めて対前年比増加に転じ、さらに2023年においても増加傾向が強まっているほか、「闇バイト」による強盗や太陽光発電施設における銅線の窃盗などの発生を受けて国内の体感治安が悪化しており、安全・安心を守る当社グループの役割は増大していると言えます。

決算概要について

このような情勢の中、当社グループは、持続可能な社会への貢献を目指し、社会の安全・安心に関するサービス(セキュリティ事業、綜合管理・防災事業、介護等生活支援事業)を行う事業者として、適切にサービス提供を継続してまいりました。中期経営計画「Grand Design 2025」に掲げておりますとおり、「社会の多様な安全・安心ニーズに対応する強靭な綜合安全安心サービス業」を目指して、リスクが多様化する中で拡大するお客様と社会の安全・安心ニーズに応えるべく、警備・設備・介護等の多様なサービス機能を組み合わせた新たなサービス提供に取り組んでおります。

以上のような取り組みを続ける中、当連結会計年度における当社グループの連結業績は、前期と比較して改善し、売上高は5,214億円(前年同期比5.9%増)、営業利益は390億円(前年同期比5.6%増)、経常利益は421億円(前年同期比7.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は273億円(前年同期比14.1%増)となりました。

今後の見通し

我が国経済は、春闘の賃上げや所得税・個人住民税における定額減税など雇用・所得環境が改善する下で、緩やかな回復が続くことが期待されますが、他方で中東やウクライナ情勢の緊迫化や中国経済の先行き懸念などの海外要因に加え、円安等による国内物価上昇の加速とそれに伴う実質賃金上昇の遅れなどの景気下押しリスクに注意が必要です。

このような事業環境の中で当社グループは、社会の安全・安心に関するサービスを行う事業者として適切にサービスを提供してまいります。警備・設備・介護等の多様なサービス機能を組み合わせた新たなサービス提供、デジタル化とデータ活用、社員が活躍できる環境の構築、サステナビリティへの取り組みの強化を行ってまいります。

これらの実施により、当社グループの2025年3月期の連結業績予想は、売上高5,500億円(前年同期比5.5%増)、営業利益403億円(前年同期比3.1%増)、経常利益431億円(前年同期比2.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益276億円(前年同期比1.0%増)を見込んでおります。

株主の皆様には、何卒今後とも変わらぬご支援、ご指導を賜りますようお願い申し上げます。

2024年6月