子どものスマホ・ケータイ使用時に、トラブルに巻き込まれないため気を付けたい3つのポイント
お子様がいらっしゃるご家庭の悩みの一つに「わが子にいつスマホを持たせるべきか」ということがあると思います。「クラスのみんながスマホ持っているから、僕にも買ってよ」とお子様からせがまれ、購入を検討されている方向けに、お子様にスマホを与える場合の注意点についてご紹介します。
目次
スマホデビューは中学生が多い
2024年3月に内閣府が公表した「令和5年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」の中で、インターネットを利用している青少年のうち「スマホでインターネットを利用している」と回答した割合は、小学生43.7%、中学生79.9%、高校生97.8%となっており、概ね中学生がスマホデビューの平均値となっていることがわかります(なお、ALSOKが独自に中学校2校で中学3年生 120名のスマホ所持率を調査した際、所持率は95%でした)。
子どもたちのスマホは、遊び道具からコミュニケーションツールを経て情報検索端末へ
出典:内閣府「令和5年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」
前述の実態調査ではスマホの利用用途も小学生・中学生・高校生別に公表されています。小学生・中学生・高校生で共通している点は、スマホの利用用途として「動画を見る」が大多数を占めている点です。近年の動画投稿サイトやサブスクサービスの普及が影響していると考えられるでしょう。
しかし、そのほかの利用用途に関しては小学生・中学生・高校生ごとに目的が異なります。動画を見る以外の用途として小学生は「ゲームをする(66.5%)」が多く見られますが、「投稿やメッセージ交換をする(61.1%)」「検索をする(60.6%)」「音楽を聴く(50.1%)」と比較的低い数値となっています。
一方で中学生・高校生の動画を見る以外の用途は、中学生は「投稿やメッセージ交換をする(84.9%)」「検索をする(83.0%)」「音楽を聴く(79.2%)」、高校生は「音楽を聴く(92.6%)」「投稿やメッセージを交換する(89.6%)」「検索をする(88.6%)」となっており、スマホ用途の幅が広がっていることがわかります。
年代が高まるに連れて、単なる遊び道具から情報検索端末、またはコミュニケーションツールなどの多様性を担うように変化していく様子がうかがえるでしょう。
教育現場におけるスマホの位置づけは「学習に不要なもの」から「危機管理ツール」へ
教育現場における携帯電話やスマホは、令和2年の文科省通知「学校における携帯電話の取扱い等について(通知)」の通り、「学校における教育活動に直接必要のないものであることから」、小中学校は持込み禁止、高校は校内使用禁止が原則とされてきました。
しかし、2018年6月18日7時58分に大阪府北部地震が発生した際に、登校中の子どもと連絡が取れなかった保護者から、登下校中のスマホ所持を許可して欲しいとの要請が多く寄せられました。これを受けた大阪府教育庁は、2019年2月18日、府内の小中学校を対象に携帯電話の取扱いに関するガイドライン(素案)を公表。非常時の連絡や所在地把握を目的に登下校時の所持を認める方針を打ち出しました。
このような背景を踏まえ、2020年に先述の文科省通知の見直しが行われました。小学校・中学校に関しては2009年の通知と同様ですが、中学校に関しては必要な環境の整備や措置が講じられ、かつ学校と生徒・保護者との間で特定事項の合意がみなされた場合、持ち込みが認められるようになりました。
児童・生徒のスマホトラブル
このようにスマホは、家族や友人とのコミュニケーションや危機管理面での活躍が期待される一方で、楽しさ故のスマホ依存症による学業成績不振や、特殊詐欺や出会い系といった犯罪被害、ネットいじめ等、新たな社会問題に巻き込まれる恐れがあることも事実です。
東京都都民安全推進本部が運営する「こどものネット・ケータイのトラブル相談『こたエール』」への令和4年度の相談件数推移をみると、4月、9月に相談件数が増加していることがわかります。
細かくみると、4月は「交友関係」「性的トラブル」などの相談が多く、9月は「性的トラブル」「個人情報関連」の相談件数が多い点が特徴です。新しい年度を迎えると、コミュニティが広がったことによる個人情報の流出・交友関係のトラブルが増加する傾向にあります。これはSNSが主流となっている現在、ネット上に噂・悪口などの書き込みをしたり個人情報や画像を流出したりする行為を簡単に行えることが原因となっています。また、夏休みになるとスマホを使う時間が増えるため、SNSで見知らぬ人とのやりとりや有害サイトに接続する可能性が高まります。スマホの利用に関しては親の管理が行き届かない範囲であることが一つの原因として、トラブルに巻き込まれる機会が増えてしまうと想定できます。
出典:都民安全推進部「こどものネット・スマホのトラブル相談!こたエール
子どものスマホ使用時に気をつけたい3つのポイント
お子様にスマホを持たせるにあたって、常日頃から使用時間やゲームアイテムへの課金等の使用方法について、親子で話しておくことが重要ですが、付け加えて特に気を付けておきたい3つのポイントについてお伝えします。
ポイント1:
URLフィルタリング(ペアレンタルコントロール)を設定しましょう。
お子様が有害サイトに接続しないようにするために、端末でURLフィルタをかけましょう。実は、国内の携帯電話事業者では、契約者が未成年の場合、有害サイトへの接続を制限する設定を行うことを「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(いわゆる青少年ネット規制法)」で義務付けられています(保護者の同意がある場合を除く)。仮に契約者が保護者であっても、使用者が未成年の場合は原則としてフィルタリングの導入が契約の条件となります。保護者から不使用の申し出をすることで、フィルタリングを導入せずとも契約はできますが、お子様がネットトラブル等に巻き込まれないためにも導入することをおすすめします。
ポイント2:
いざという時に備え、(親以外の)相談先を伝えておきましょう。
インターネットのトラブルは、時には親には言いにくいことも発生します。こうした場合でも、各自治体等が設置している、秘密が守られる第三者の相談窓口(東京都の場合、前述の『こたエール』等)を確認して、お子様に教えてあげることが有効です。
両親でも学校でも友達でもない、第三者にのみ相談したい内容が多いのがインターネットにおけるトラブルの特徴の一つになっています。
ポイント3:
個人情報の取り扱いに気を付けましょう。
個人が特定されるような情報(名前や電話番号、住所、画像、動画、位置情報など)は不用意にさらしてしまうと思わぬトラブルに巻き込まれるため、取り扱いには気をつけましょう。
特に、住んでいる場所や行動などの情報が悪意をもつ第三者にわたった場合、ネット上のトラブルだけでなく、強盗や誘拐などの物理的な犯罪に巻き込まれることもあります。
「ALSOKあんしん教室」の内容
当社では、2004年から社会貢献活動として、小学校向けの防犯出前授業「ALSOKあんしん教室」を実施しています。防犯のプロであるALSOKのガードマンを小学校へ派遣し、自分で自分の身を守ることや命の大切さについて考えるきっかけを提供している大人気防犯出前授業です(2023年12月末で累計参加者が179万人を突破しています)。
ALSOKあんしん教室では、2019年1月から、インターネットの安全利用をテーマとした新授業「安全にインターネット」編の提供を開始しています。
ALSOKあんしん教室「安全にインターネット」編の詳細はこちらALSOKの個人向けサービス「HOME ALSOK」では、犯罪だけでなく、事故や病気などどんな時も、大切なお子様の「安全・安心」を守ります。
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