新築購入、オプションはどう選べばいい?
夢の新築購入。でもオプションで付けられる設備や仕様がたくさんあって、どれをどう選べばいいかわからないという人も多いのではないでしょうか。もちろん全部付けられるに越したことはないにしても、費用とのバランスのことを考えると、優先順位をつけるのがどんどんむずかしくなって頭が痛くなってきますよね。
そんなあなたに過去に本コラムでもご紹介した調査「購入者が選ぶ 本当に満足できる新築一戸建ての設備・仕様ランキング」の2019年版が公表されました。この調査はLIFULL HOME’Sが過去3年以内に新築一戸建てを購入した300人にアンケートした結果をまとめたもので、住んでみたからこそわかる本当に使える設備や仕様が明らかになっていて、とても参考になります。
今回は前回調査の2017年版とも比較して、最近のトレンドを探ってみることにしましょう。
満足度の高い新築一戸建ての設備・仕様ランキング | |||||||
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2019 | 2017 | ||||||
順位 | 前回 順位 |
対 前回 |
設備 | 満足度 | 順位 | 設備 | 満足度 |
1位 | 1 | 太陽光、エネファームなどの ホーム発電システム |
86.0% | 1位 | 太陽光、エネファームなどの ホーム発電システム |
74.1% | |
2位 | 2 | オール電化 | 78.9% | 2位 | オール電化 | 64.2% | |
3位 | 3 | 電動シャッター | 78.1% | 3位 | 電動シャッター | 61.1% | |
4 | 6 | IHコンロ(IHクッキングヒーター) | 77.5% | 4 | ロフト | 60.6% | |
5 | 7 | 大型の浴槽(足が伸ばせる程度) | 71.7% | 5 | 複層ガラス・二重窓 | 59.4% | |
6 | 5 | 複層ガラス・二重窓・樹脂サッシ | 71.1% | 6 | IHコンロ(IHクッキングヒーター) | 59.4% | |
7 | 14 | 室内用物干し(備え付けのもの) | 69.8% | 7 | 大型浴槽(足が伸ばせる程度) | 56.1% | |
8 | 10 | 床暖房 | 69.4% | 8 | カードやリモコンなどの玄関電子キー | 53.2% | |
9 | 8 | カードやリモコンなどの玄関電子キー | 65.5% | 9 | 浴室暖房乾燥機 | 53.0% | |
10 | 9 | 浴室暖房乾燥機 | 65.3% | 10 | 床暖房 | 51.9% | |
11 | 19 | 対面キッチ | 57.5% | 11 | 情報コンセント・家庭内LAN | 50.0% | |
12 | 13 | 乾きやすい風呂床 | 56.9% | 12 | ウォークインクロゼット | 45.8% | |
13 | 15 | ビルトイン食器洗浄乾燥機 | 53.3% | 13 | 乾きやすい風呂床 | 43.7% | |
14 | 20 | 立水栓(散水栓) | 46.2% | 14 | 室内用物干し | 41.7% | |
15 | 16 | ビルトイン浄水器 | 43.9% | 15 | ビルトイン食器洗浄乾燥機 | 39.6% |
トップ3は変わらず
満足度の高い設備・仕様ランキングのトップ3は2017年と変わらず、1位が「ホーム発電システム」、2位が「オール電化」、3位が「電動シャッター」となりました。
このうち「ホーム発電システム」と「電動シャッター」については、あればよかったと後悔している設備ランキングにもランクインしていて、最近住宅購入を済ませた先輩たちには非常に人気の高い設備となっています。
「ホーム発電システム」の満足度の高い理由を要約すると以下のようになっています。
■ 発電と売電により電気代が節約できる
■ 災害時にも助かる
■ 環境対策に貢献できる
また、「オール電化」の満足度の高い理由は以下の通り。
■ ガス代がかからず光熱費の節約になる
■ 深夜電力が安い
■ 火事の心配が減った
■ 環境にやさしい
これからオプションを選ぶという方は、費用さえ許せるなら、どちらか一方ではなく、両方を選択して導入を検討するとよいでしょう。「オール電化」のデメリットとしてよくあげられている「停電時に困りそう」「電気代が高くつきそう」という不安を「ホーム発電システム」がしっかりカバーしてくれます。また、併せて人気の「床暖房」や「IHコンロ」などを導入予定という人にも、それぞれのデメリットをカバーしてくれる「ホーム発電システム」はオススメの設備といえそうです。
環境にやさしいエコな生活を満喫できるというところもこだわる人にはたまらない設備といえるのではないでしょうか。
一方、3位の「電動シャッター」については、まとめると次のようなメリットがあげられています。
■ 開け閉めが楽
■ 窓を閉めたまま開閉できるので、夏は虫が入ってこなくていい
■ 防犯はもちろん、台風などの防災対策にもなる
■ 断熱効果があり、冬は寒さ対策にもなる
警察庁のサイト「住まいる防犯110番」によると、どろぼうの侵入経路の第1位は一戸建ての場合、圧倒的に「窓」で57.6%となっています。また、侵入手段の第1位は「無締まり」、第2位は「ガラス破り」となっていて、このふたつで全体の84.1%を占めています。
電動シャッターはこうした被害を未然に防止する効果が非常に高いので、予算が許すのであればぜひ導入を検討したいオプション設備のひとつです。また防犯だけでなく、上記のようなメリットを感じている人も多いようですので、導入して損はない設備ということができるでしょう。一戸建てはマンションなどに比べるとどうしても防犯性能が落ちてしまいますので、あわせてホームセキュリティを導入するとさらに安心です。
世相をあらわす満足度急上昇の設備・仕様
前回調査から大きく順位をあげてきているものに「室内物干し」「対面キッチン」「立水栓(散水栓)」などがあげられます。
「室内物干し」はどうしても部屋干しが多くなりがちな共働き世帯にはうれしい機能ですし、「対面キッチン」は家族の揃う時間の少ない共働き世帯の少しでも家族で顔を合わせる時間を増やしたいというニーズに応えられるアイテムです。また「立水栓(散水栓)」はペットの世話やガーデニング、家庭菜園など、庭付き一戸建てならではの家族団欒の時間が過ごせる趣味にはぜひとも欲しいアイテムといえます。
内閣府の平成30年版男女共同参画白書によると2017年時点の共働き世帯の割合は65%。
これらの設備・仕様が人気となってきている背景には、家族といえども一緒に過ごせる時間がどんどん短くなってきているそんな事情があるといえるのではないでしょうか。
新築購入の予定のある共働き夫婦は、オプション設備の選択にこうした視点を入れて検討するのがいいのかもしれません。
一戸建てなら万全な防犯対策を
いかがでしたでしょうか。新築購入時のオプション設備選択の参考になりましたでしょうか。先にも述べましたが一戸建てはマンションなどの集合住宅にくらべて防犯対策が手薄になりがちで、空き巣などに狙われやすいという特徴があります。心配な方はぜひ「ホームセキュリティ」の導入を検討しましょう。
ホームセキュリティを導入すれば、外出時や就寝時の警備をしてくれるだけでなく、鍵の閉め忘れを教えてくれたり、子どもの留守番や高齢者などの見守りサービスの機能も利用できたりするようになります。また、あまり知られていないかもしれませんが、ガス漏れや火災を検知するとガードマンが駆けつけてくれるサービスもあります。
とくに共働きで不在がちになる世帯の方はぜひ導入を検討してみてください。