今どきの一人暮らしをウオッチしてみる!
ひと昔前までは「社会人になったら一人暮らし」と親から言われた世代の人もいると思いますが、昨今では少子高齢化や社会情勢の変化に伴い社会人になっても実家暮らしの世代も増えています。とはいえ、現在も就職・進学を機に一人暮らしを始める人や、あえて親元を離れ一人暮らしを選ぶ人たちもいます。
今どきの一人暮らしの実態はどうなっているのでしょうか。いくつかの調査データをもとに見ていきましょう。
一人暮らしの割合は?
まずは一人暮らしの割合です。ニュースサイトの2018年調査によれば、20代から60代の方の一人暮らしの割合は全体の20.6%。5人に1人が一人暮らしという結果です。男女では、男性22%、女性19.1%となっています。
またそれぞれの年代別では、男女ともに20代、30代が多いことが分かります。また女性では40代での一人暮らしが最も多くなっている特徴がみられます。
一人暮らしのワケは
では、一人暮らしをしたい理由は何でしょう。
(公社)全国宅地建物取引業協会連合会(公社)全国宅地建物取引業保証協会が実施した一人暮らしに関する意識調査からみてみます。
一人暮らしをしたい理由では「家族など人間関係が煩わしい」が37.6%とトップの理由になっています。続いての理由は「自立したい」が35.3%となっており、1位2位の理由が他の理由に比べて突出していることが分かります。また「自分だけの部屋が欲しい」や「夢や趣味、技術・学術の追求」「就職・転職・転勤」なども10%以上の割合となっています。
「就職・転職・転勤」は20代で多くなっています。この世代の一人暮らしには「仕事先(学校)が遠い」などの理由も関与しているといえるでしょう。
30代以降では「経済的に可能だと思う」9.9%や「都会に住みたい」8.0%、「離婚」5%などの理由が他の世代より多くなっている点が特徴的です。
居住している間取りや広さは
それでは、一人暮らしの居住スペースはどうなっているのでしょうか?
2017年時点とその5年〜10年前の一人暮らしの居住スペースの比較を行った調査をみると、どちらも1R(1K)が最多となっていますが、一方で「今ドキの一人暮らし(2017年)」の方は2K-2LDK(20.5%)や3K-3DK(9.1%)と、広い間取りに住んでいる人の割合も5年〜10年前に比べると多くなっていることがわかります。さらに「今ドキ」の方は3LDKも6.7%となっており、2K-2LDK以上を合算した割合は36.3%と1R(1K)の割合とほぼ拮抗しています。
一方で「5~10年前の一人暮らし」の方は、1R(1K)の割合が44.8%と約半数。2K-2LDK以上を合算した割合は22.3%と顕著な差があります。つまり「今ドキ」の方が広い間取りに住んでいる人の割合が圧倒的に多くなってきているのです。
一人暮らしのライフスタイルは?
広い間取りが好まれる今どきの一人暮らしですが、生活空間を彩るインテリアについてはどうでしょう。
今ドキ | 順位 | 5~10年前 | ||
---|---|---|---|---|
衣類収納ケース | 10.5% | 1位 | 買ったものはない | 10.4% |
買ったものはない | 9.5% | 2位 | カラーボックス | 8.4% |
ソファ | 7.3% | 3位 | 衣類収納ケース | 7.7% |
カラーボックス | 7.2% | 4位 | カーテン・ブラインド | 6.9% |
カーテン・ブラインド | 7.1% | 5位 | 座椅子 | 5.6% |
座椅子 | 6.1% | 6位 | テレビ台 | 5.6% |
照明 | 5.6% | 7位 | パイプハンガー | 5.3% |
全身鏡 | 4.9% | 8位 | 全身鏡 | 5.2% |
パイプハンガー | 4.7% | 9位 | ソファ | 4.9% |
本棚 | 4.1% | 10位 | 本棚 | 4.7% |
出典:アイリス収納インテリアドットコム「今ドキの一人暮らしって?10年前と比べてみました【収納&インテリア編】」
アイリスの調査結果から面白い結果がでています。「今ドキの一人暮らし」ではソファが3位と上位に入り、照明が7位にランクインしています。一方、「5〜10年前の一人暮らし」では、ソファは9位、照明は圏外です。また「5~10年前」に5位だったテレビ台は、「今ドキ」ではランキング外になっています。インテリアにも時代による変化があることがわかります。
ソファの順位が上がっている理由としては、やはり昔に比べて部屋が広くなってきていることがあげられるのではないでしょうか。それだけスペースに余裕があるというわけですね。
また、照明が上がってきている理由としては、やはり元から付いている照明ではなく、自分の好みの照明を選んで使いたいということではないでしょうか。電気の消費量が少ないLEDの照明が急速に普及してきたことも背景としてあるかもしれません。
快適な一人暮らしには防犯対策にもこだわって
今どきの一人暮らしでは「広い間取りを好む」傾向があり、「ソファ」や「照明」など住空間のインテリアにもこだわりをもつ実態が見えてきました。快適な住空間を演出する工夫が感じられます。
一人暮らしのこだわりといえば、忘れてはいけないのが「防犯対策」です。
とくに女性の一人暮らしの場合は狙われやすいので万全の対策を施しておく必要があります。最近ではオートロックやモニター付インターホンがついている物件が多くなってきていますが、オートロックはドアが開いた瞬間を狙われると簡単に入れてしまいますし、モニター付インターホンも宅配業者になりすますなどの手法を使えば侵入できてしまうので過信は禁物です。
防犯対策を充実させる一番の方法は「ホームセキュリティ」を導入することです。
賃貸の物件でも後付けで簡単に導入することができ、コストも思ったよりかからないプランから用意されているので、ぜひ検討してみてください。
出典:SIRABEE「一人暮らしをしている人の割合は?「会社勤めの既婚女性」は独居率が高い傾向も」
(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 (公社)全国宅地建物取引業保証協会
「一人暮らしに関する意識調査」2018年 3月
アイリス収納インテリアドットコム「今ドキの一人暮らしって?10年前と比べてみました【収納&インテリア編】」