地震や津波、台風や大雨などによる災害に備える
日本は地震や台風、大雨や土砂崩れ、火山の噴火など自然現象に起因する災害が毎年発生しています。日本の地理的な特徴や日本列島の地質学的な構造がこのような自然災害を起こしていると考えられます。今回は災害に直面した時、どのように対応をすれば良いのかを防災の観点から考えてみることにしましょう。
目次
台風の上陸数と予想される大規模地震
はじめに大きな災害の発生原因となる台風と地震について、それぞれ気象庁の「台風の上陸数」と内閣府の「想定される大規模地震」の資料から見ていきます。
まず台風の上陸数ですが、2002年以降ほぼ毎年のように日本に上陸していることが分かります(2008年と2020年は0回)。台風起因の雨風による浸水被害、家屋の倒壊や流出、土砂崩れ、河川の決壊など多くの災害が日本を直撃しています。記憶に新しいところでは、2018年の台風21号がもたらした西日本の大規模な被害があります。滑走路への冠水とタンカーが橋に衝突したことで閉鎖を余儀なくされた関西国際空港のテレビ映像は、みなさんの脳裏にも未だ焼き付いているのではないでしょうか。また、2019年の台風19号でも記録的な豪雨となり、長野県、福島県、埼玉県、茨城県で広範囲にわたる河川の氾濫やがけ崩れが発生し大きな被害が発生し、2022年には9月に発生した台風15号の影響により静岡県中西部地域では大規模な停電や土砂崩れ、断水の被害が発生しました。特に清水区では約6万戸が断水し、復旧にも時間がかかるなど被害の甚大さを物語っています。この大規模断水の原因となっているのは興津川の取水口への土砂・流木の流入などによるものとされています。自然災害が起因になる被害はさまざまなものがあるため、川の近くに住む場合は断水などの被害が発生するおそれがあるなど、起こりうる被害をあらかじめ認識し対策をしておくことが大切です。ハザードマップを確認したり、食料の備蓄をしたりするなど、できることから始めていきましょう。
出典:気象庁「台風の上陸数(2023年までの確定値と2024年の速報値)」
次に地震です。とくにその発生が危惧されている南海トラフ地震では、マグニチュード8~9クラスの地震が今後30年以内に発生する確率が70~80%(平成 31 年1月1日現在)とされています。予測では、死者が最悪で32万3千人、負傷者62万3千人、建物や家屋の全壊・焼失は238万6千棟となっており、その被害は甚大です。南海トラフ地震以外にも日本経済の存続を揺るがしかねない大規模な被害が想定される「首都直下地震」や「中部圏:近畿圏直下地震」などの地震の発生が予測されています。
近年多発する大雨被害にも注意が必要
台風や地震だけではなく、近年に多発している大雨被害にも対応できる準備が必要となります。避難勧告に関する警戒レベルを理解し、速やかに行動をすることが肝要です。
また、災害時の身勝手な行動は、周囲を危険に巻き込む可能性があることも認識しておきたいものです。
■警戒 レベル5:命を守る 最善の行動
■警戒 レベル4:避難
■警戒 レベル3:高齢者等は避難 他の住民は準備
■警戒 レベル2:避難行動の確認
■警戒 レベル1:心構えを高める
具体的な災害への備えは
台風や地震、大雨などの自然災害から身を守り、家族を守るには日頃からの備えが必要となります。では、どのような防災準備をすればいいのでしょうか。首相官邸では災害に対する家庭での備えとして、次の通り注意喚起をしています。
- ・家具の置き方:
- 家具が転倒しないよう壁に固定し、寝室や子供部屋にはなるべく家具を置かないようにすること。倒れた時に出口を塞がないように配置。
- ・食料・飲料・生活必需品などの備蓄:
- 飲料水は3日分の備蓄。1人1日3リットルを目安にする。非常食としてアルファ米やビスケット、チョコレートや乾パンなどを3日分人数に合わせて備蓄する。トイレットペーパーやマッチ、ろうそく、カセットコンロなどの用意。
- ・非常用持ち出しバッグの準備:
- 飲料水や食料のほか、貴重品や救急用品、マスクや軍手、下着等の衣類や洗面具、懐中電灯やラジオなどを装備。
- ・安否確認方法:
- 局番なしの災害用伝言ダイヤル「171」で録音・再生が可能なことを確認しておく。
- ・避難場所や避難経路:
- 地域の防災マップやハザードマップを確認して、日頃から家族間の避難場所を決めておく。
上記の項目は、あらかじめ家族間で準備と確認・情報共有のために話し合っておくようにしてください。詳細は首相官邸HPで確認ができます。
防災と合わせて防犯への心掛けも
地震のときには家具や家屋の倒壊などとあわせて火災の発生にも注意が必要です。ホームセキュリティは不審者の侵入などに対する警戒だけでなく、火災を検知すると異常を知らせてくれる機能もあり、必要に応じてガードマンが駆けつけて適切な対処を行います。
もしもの時に備えて防災、防犯に役立つホームセキュリティの導入をぜひこの機会に検討されてみてはいかがでしょうか。
出典: 内閣府:防災情報のページ「南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた 防災対応検討ガイドライン 【第1版】」
内閣府:防災情報のページ「想定される大規模地震」
内閣府:防災情報のページ「避難勧告等に関するガイドラインの改定 ~警戒レベルの運用等について~」平成31年3月 内閣府(防災担当)
首相官邸:災害に対するご家庭での備え~これだけは準備しておこう!~
朝日新聞デジタル:南海トラフ地震の被害想定