離れて暮らす高齢の親をもつ子どものための
帰省時にぜひチェックしておきたいポイントとは?
年末年始や夏休み・ゴールデンウィークなどの長期休暇中、ご夫婦それぞれの親元へ子どもを連れて帰省するというご家庭も多いかと思います。40代・50代ともなれば、それぞれの親御さんもそれなりの年齢となり、そろそろ健康面をはじめとして、さまざまな心配ごとが増えてきているもの。親孝行がしたくても、働き盛りで多忙を極めるご家庭では帰省のチャンスはそう多くありません。顔を合わせて親と話ができるのは多くても半年に1度、ひょっとしたら年に1度というご家庭も少なくないのではないでしょうか。子どもが育つのは早いですが、親が老いるスピードも思いの外、早いものです。そこでここでは年末年始の帰省時にぜひとも確認しておきたいチェックポイントを確認しておくことにしましょう。
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40-50代の働き盛り世代にとっては両親もそろそろ70代に入り、心配なことが増えてきたのではないでしょうか。ALSOKがこのほど行った「別居している高齢の親を持つ子供の意識調査」によると、離れて暮らす親のことで不安を感じたことのある人は64.8%。そのうちの約2割の人が帰省のタイミングで不安を感じているという調査結果となりました。
普段から頻繁に接していれば親の衰え具合も何となく伝わってくるものですが、半年に1度、もしくは1年に1度の帰省時しか顔を合わせないと、何だか急に衰えた感じがしたというのは誰にも経験があるのではないかと思います。
この年齢になると、突然親が病気で倒れたり、認知症が進んでしまって介護が必要になったり、ということも十分にあり得ますので、早いうちから準備と覚悟をしておく必要があります。
いざという時に知っておきたいこと
入院にしても介護にしても、それは突然にやってきます。
そうしたことが起こったときにあわてないために、親について事前に知っておいた方がいいことがあります。「帰省時に把握すべきこと」リストにまとめておきましたので、確認しておいてください。親が元気なうちでないと確認できないような項目も含まれています。離れて暮らす親を持つご家庭の方は、年末年始などに帰省する際にぜひこのリストの内容を確認しておくことをおすすめします。
生活環境や経済状況について
普段の1日の生活パターン、1週間の生活パターンを知っておきましょう。これが今後どう変わっていくかで何か対策が必要かどうかの判断できるベースとなります。また、連絡を入れる際などにも「この時間は家にいるはず」ということを事前に判断できるようにもなります。
また、現状の生活で困っていることはないか、不便に感じていることはないかを聞いておきましょう。昔は出来ていたものが出来なくなってきた、というようなものがあれば、親の衰え度合いを判断する材料となります。 また、普段の生活で、よくつまずく場所やぶつける場所、転ぶ場所などがあるようなら、大怪我をする前に改善策を考えておきましょう。また、頻繁に使う重量のある生活用具などを高い位置に収納している場合にも注意が必要です。もう何年も同じ作業を繰り返しているので本人は危険度を認識しづらくなっていますが、年齢とともに筋力も低下してきているので、落下事故を起こす危険性も高くなってきています。
経済状況
毎月の生活費や収入額、収入源についても大まかに把握しておきましょう。70歳以上であれば概ね年金が頼りの生活になっていることが多いですが、中には不動産収入などがある場合などもあります。たとえば両親がふたりで暮らしていて、父親に何かが起こったときに、母親の生活がこれまでどおりに維持できるかどうかの判断をすることができます。
財産の状況
どれくらいの預貯金があるか、年金はいくらもらっているのか、生命保険は入院で1日いくらでるのか、死亡時にはいくら出るのか、損害保険は家が地震や水害・風災にあったときにどれくらい補償されるのか、借入はあるか、あるなら毎月いくら返済しているのか、その他の資産はあるか、あるならその種類は、などを確認します。
なかでも保険はいざというときに重要となってきますので、保険証券などを出してもらって内容を確認しておくようにしましょう。
借入がある場合には毎月の返済額と返済期間がいつまでかを確認します。また、自宅が担保にはいっているかどうかについても確認しておきましょう。片方の親が亡くなった場合に残された親の生活資金を準備する手段として自宅が使えるか否かは大きな問題になってくることがあります。
重要書類の保管場所
いざというときにわからないと難儀をする書類の保管場所を聞いておきましょう。
具体的には、健康保険証、介護保険証、診察券、年金手帳、保険証券、通帳、印鑑、株などの所有資産残高のわかる書類、不動産の権利書、遺言書などです。
趣味や嗜好
現在行っている趣味や楽しみを聞いておきましょう。こちらも老いの進行状況のチェックを基準となります。たとえば毎週通っていた趣味の集まりに参加しなくなったとか、夢中になっていた家庭菜園が荒れ放題になっているとかなどがあれば、健康状態に何らかの変化があったと考えられます。
また、健康上の理由ではない場合であっても、人付き合いや外出などの機会が減ると、老人性うつや認知症の進行を早める原因になる場合もありますので注意が必要です。
周囲の環境や知人・友人
仲の良い近所の友人や活動仲間などがいる場合は、その方の名前と連絡先を聞いておきましょう。不審なことがあった場合などにも普段から接している人の話は大いに参考になります。また、家族・友人以外に安否確認をすることが可能な人がいるかどうか、いる場合はその方の連絡先も聞いておきましょう。民生委員が定期的に訪問している場合はその方の連絡先がいいでしょう。万一のときに頼りになります。
健康状態
こちらは本人から聞いておくことと、観察して判断することの両面があります。
年齢を重ねて、体調が悪くなると大病に発展したり、老人性うつや認知症の原因になったりすることがあります。また、すでにうつや認知症を発症していて、その症状が出てきている場合もありますので細かなチェックが必要です。
具体的には、食事の内容と摂り方、耳の聞こえ、目の見え方、トイレの頻度、動き方、もの忘れの傾向、最近の不安・悩みの傾向などです。
また、持病があって病院に通っているような場合には、血圧などの基本的数値、既往症の内容、服用している薬、かかりつけの医師なども把握しておくようにしましょう。
うつや認知症などのチェックポイントとしては以下のようなことも有用です。変化に気づいた場合はそれとなく理由を聞いてみるなどしておくといいでしょう。
■ 昔はきれいだった家の中が片付いていない
■ 郵便物が溜まっている
■ 冷蔵庫に賞味期限切れの食品がたまっている
■ 請求書の処理ができていない
■ 車の運転が荒くなった
老後の生き方
これは直接聞くしか方法がないので難しい場合もあるかもしれませんが、親の方も高齢になって体力や身体機能の衰えを感じていれば一度は考えているはずなので、雰囲気を作って思い切って聞いてしまいましょう。
具体的には、「介護が必要となったときに、誰とどこでどのように暮らしたいか」の希望です。自分の負担が増える結果になるのを恐れて、なかなか切り出しにくい内容であるかもしれませんが、いざ介護が必要なってくれば必然的に降りかかってくる問題です。逃げていても何の解決にもなりません。
また、兄弟姉妹などが集まるタイミングであれば、そちらが介護への対応が可能かどうかも確認しておきましょう。暮らしぶり(家の間取り、収入や子育ての状況など)、身内の要介護者の有無、勤務先の状況(勤務形態、転勤・残業などの有無、介護支援制度の有無など)などを聞いて、いざというときに親の介護に協力できるかどうかをきちんと確認しておくことが重要です。最終的に押し付け合いのようになってしまって、何も決められないということになってしまっては最悪です。
まだ大丈夫と思ったら
帰省の際にいろいろ確認して「まだ大丈夫」と思っても、高齢の親にはいつ何が起こるかわかりません。親孝行をしたくても、遠く離れて暮らしていると何かあってもすぐに駆けつけることができないという避けられない事実があります。
ALSOKが提供する「ALSOKみまもりサポート」はそんな不安を軽減できるサービスです。24時間いつでも気軽にヘルスケアセンターに相談することが出来ますし、急に体調が悪くなったときにはボタンひとつでガードマンの駆けつけを要請することができるので安心です。
遠く離れて暮らす親元に帰省の際には、親孝行のプレゼントとして「ALSOKみまもりサポート」をおすすめするのはいかがでしょうか。親を心配する子ども心を形として示すことができますよ。
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