一人暮らしか、実家通いか
お子さんの進学や就職先が決まり、さあこれから新生活をスタートというときに考えるのは、一人暮らしをするかどうかでしょう。一人暮らしでは、親など周囲から離れて一人で自由に生活することができますが、反面、家賃を払わなければいけませんし、光熱費や食費もかかります。実家にいるときには考えなくてよかったお金の工面が必要となってきます。
ここでは、一人暮らしの長所短所を比較しながらどちらの生活を選ぶべきかのヒントを考えていきましょう。
一人暮らしのメリット
面倒と思えることを一人でできるようになれば、それだけ自活する力が養われて成長することができます。日々の生活の中で覚えられることや学べることはたくさんあります。
たとえば、一人で生活を始めると、曜日や時間に関して敏感になります。ゴミ出しは曜日が決まっていますのでその日に出さなければいけません。家事でかかる時間を見積もって、学校の始業時間や出社時間に間に合うよう起きなければいけません。そうすると休日の過ごし方なども必然的に考えるようになるでしょう。結果、自然と一日のスケジュールに合わせて動く習慣を身に付けることができるようになります。
また、一人で生活をすると、当然のことながらお金を一人で管理します。自分の収入の範囲内で、家賃や光熱費、食費や交際費などの支出を考えたお金のやりくりが一人暮らしでは欠かせません。お金のやりくりをするようになると、無駄遣いにも気が付くようになるでしょう。実家に居るときには親に任せていた洗濯や掃除、食事の準備なども自分でやるようになるとその大変さが身に染みてきます。
そして何より、一人暮らしでは、実家にいるときにはあまり気にしなかったお金を稼ぐ苦労を知ることができます。親の苦労を知り、親孝行をしたくなるでしょう。
一人暮らしのデメリット
一人暮らしは、自分一人で生活ができる点で楽だといえます。親に束縛をされることもなく、毎日を過ごすことができます。
ただ、自分の収入で一人暮らしをするのは大変なこともあります。家賃のほか、電気や水道、ガス代などの光熱費を毎月決まった日に払う必要があります。また、家に帰ってもご飯はできていませんし、お風呂も沸いていません。掃除や洗濯など、生活にかかわることは自分でしなければなりません。
また、風邪をひいたり病気にかかったりしたとき不安になるでしょう。市販薬を買っておかなければ薬は手元にありません。具合が悪いからといって誰もそばにいないので、体調管理も自分でしないといけません。親と居るときは当たり前と思っていたことが当たり前でなくなることが、一人暮らしの大変さといえます。大切なことは、生活をするうえできちんと対処ができるかどうかをまず整理してみることです。
では、実家暮らしと一人暮らしには生活費の面でどの程度の違いがあるのでしょうか。
一人暮らしと実家暮らしの年間の生活費比較
独立行政法人 日本学生支援機構の「平成30年度 学生生活調査結果」によると、大学昼間部の場合、学生の一人暮らしと実家暮らしの生活費の違いは次の表のようになっています。トータルすると一人暮らし(下宿、アパート、その他)では平均で年間111万1,400円、実家暮らしでは平均で年間84万5,400円と30万ほど開きがあることがわかります。
一人暮らしでは、就職していたとしても初任給の支給額を考えるとほぼトントンか赤字ではないでしょうか。学生のアルバイト収入では、いっそう厳しい状況があることはいうまでもありません。ちなみに、令和元年の初任給の平均支給額は次の通りです。支給額は額面ですので、税金を引かれた手取り額はおおむね十数万円でしょう。一人暮らしの生活費が、いかにギリギリであるかがみえてきます。
一人暮らしと実家暮らしの年間の生活費比較(大学昼間部)
実家暮らし | 一人暮らし (下宿、アパート、その他) |
|
---|---|---|
食費 | 104,900円 | 284,600円 |
住居費・光熱費 | -なし | 471,300円 |
保険衛生費 | 39,400円 | 38,200円 |
娯楽・し好費 | 150,600円 | 156,900円 |
その他の日常費 | 139,200円 | 160,400円 |
支出計 | 434,100円 | 1,111,400円 |
出典:独立行政法人 日本学生支援機構「平成30年度 学生生活調査結果」
学歴別にみた初任給(男女計)
男女計 | |
---|---|
大学院修士課程修了 | 238.9千円 |
大学卒 | 210.2千円 |
高専・短大卒 | 183.9千円 |
高校卒 | 167.4千円 |
出典:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査(初任給)の概況」
こうした一人暮らしの実情を考えたときに、頼りとなる支えのひとつが親からの仕送りです。とはいえ、親側からすればある種2重生活になるわけですから、経済的な負担も相当かかります。しかし、上で触れたように一人暮らしは子どもの成長に役立つものでもあります。子どもの自立を促したいのであれば、最初は仕送りをしてあげるにしても、子どもの収入にあわせて徐々に金額を減らしていくということもできます。そのためには、一人暮らしをさせるにしても、完全に放っておくのではなく、コミュニケーションを密にとって子どもがどのような暮らしぶりなのかを常に把握しておく必要があります。子どもが一人暮らしをしたいと希望してきたときにはこれをひとつの条件としておくというのも一手です。
では、悩みのタネともいえる仕送りは、どのくらいが相場なのでしょうか。東京私大教連の大学生への仕送りに関する調査によれば、首都圏の私立大学に2021年度に入学した下宿生への仕送り金額(出費が落ち着く6月以降の平均)は、月平均で8万6,200円という結果が出ています。仕送り金額は、長引く不況による世帯年収の減少にともなって減少傾向にはあるものの、親の負担は軽くないことがここからもわかると思います。
出典:東京私大教連「私立大学新入生の家計負担調査 2021年度」
親としての判断は
子どもの成長を取るか、はたまた仕送りの負担をなくすか、判断は二者択一です。かわいい子には旅をさせよ、の言葉でありませんが、子どもの成長を見守るのも親の務めかもしれません。
見守るといえば、初めての一人暮らしではカギをかけ忘れや窓の締め忘れも心配です。実家暮らしでは考える必要のなかった防犯への心構えについてもよくよく注意をしておきましょう。
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