地域の防犯対策を簡単に強化する意外な方法
~あいさつが生む防犯効果とは~

防犯 2024.04.22更新(2020.02.17公開)
地域の防犯対策を簡単に強化する意外な方法~あいさつが生む防犯効果とは~

地域の安全のための防犯対策はいろいろあります。
たとえば、街の美化活動に地域の人たちで参加することもひとつです。また、集団で防犯パトロールをすることも有効な対策となります。大切なことは、地域が一体となって不審者を寄せつけない意識でいるということなのです。
しかし、美化活動や防犯パトロールは、集団で取り組むために時間や曜日の割り振りなど、事前の取り決めなども必要ですし、パトロールの衣装などをそろえるとなると費用もかかってしまいます。その点、特段の準備を必要とせず、簡単に実施できて同様の防犯効果を得られる方法があります。それは「あいさつ」です。
では、あいさつにはどんな防犯効果があるのでしょうか。

目次

子どもが被害に遭いやすい状況とは

13歳未満を対象にした千葉県警察の「不審者情報の分析結果」(令和5年中)を見てみると、子どもが被害に遭いやすい状況にはいくつか傾向があることがわかります。
以下は「被害者の人数別」「時間帯別」「態様別」での被害状況のグラフになります。

グラフを見てみると、やはり子どもが単独で行動している時に被害に遭うケースが多いことがわかります。また、通学時や帰宅時の被害が全体の約6割を占めており、特に下校時間帯である14時台から17時台での発生が最も多くなっています。
統計データを元に考えると、登下校の際はなるべく一人で行動するのを避けることが有効な防犯対策といえますが、どうしても一人で行動せざるを得ない時もあると思います。
そこで重要なのが、地域全体で子どもたちへの被害についての共通認識を持つことです。そして一人ひとりが被害の未然防止に向けての行動を意識的に取っていくことで、地域一体として不審者を寄せ付けない防犯効果が期待できるでしょう。

あいさつには犯行をためらわせる効果が

あいさつには、近所や地域の住人との相互認知やコミュニケーションの機会をつくるなど、人と人とのつながりを深める効果が期待できます。周囲とつながることによって、自然と地域コミュニティが形成され、地域外の者に対するチェック機能がはたらくようになるのです。
そして、このチェック機能こそが空き巣などの犯罪抑止に効果を発揮します。犯罪を行おうとする不審者は必ず事前に現場を下見します。警察庁の「住まいる110番」によれば、この下見の時に犯行をあきらめる理由で多いのが「近所の人に声をかけられたり、ジロジロみられたりした」なのです。

犯行をあきらめる要素

出典:警察庁「住まいる防犯110番」

あいさつによる防犯効果

もうひとつ、あいさつが犯罪抑制に効果的であることを示すデータを紹介します。
警視庁の「万引きに関する調査研究報告書」(令和元年10月)によれば、万引きをしようとする不審者が万引きを諦める要因として「店員のあいさつ」「警備等巡回」の割合が高いことが分かっており、声かけと警備員の巡回が万引きの未然防止に非常に有効であることが示されています。一方、防犯カメラや防犯ゲートにも万引き抑制効果は見受けられますが、声かけ・警備員の巡回の防犯効果の高さは際立っています。

万引きの抑制要因の割合(世代別)

出典:警視庁「万引きに関する調査研究報告書」(令和元年10月)

あいさつはためらわず恥ずかしがらず

あいさつを実践するうえで大切なことは、相手の顔を見て、なるべく大きな声で話かけることです。まずは日常使っている簡単な言葉での声かけから始めてみましょう。簡単な言葉とは、

  • おはようございます
  • 行ってらっしゃい
  • 行ってきます
  • こんにちは
  • こんばんは

などです。とはいえ、普段からあいさつをすることに慣れていないと抵抗もあるかもしれません。ためらいや恥ずかしさであいさつができない人もいるでしょう。そんな方は、初めは知人と一緒に始めてもよいでしょう。
ただし、子どもの場合は、あいさつの実践にも注意が必要です。小学生ともなると、子供だけで行動することも多くなります。まだまだ抵抗する力も弱く、相手を見分ける危機回避能力が身についていない子どもは、犯罪の標的となる可能性が高いからです。

子どもに教えるべきあいさつの注意点とは

あいさつには、相手を見る、相手を知る、というメリットがある反面、あいさつをきっかけとして事件などに巻き込まれることも否定はできません。とくに小学生くらいの子どもの場合には、相手からやさしく声をかけられると知り合いだと勘違いして反応してしまうことも考えられます。
13歳未満を対象にした千葉県警察の「不審者情報の分析結果」(令和5年中)では、見知らぬ不審者に声をかけられた、つきまとわれたケースが5割を超えているという報告もあります。

不審者情報の分析結果【行為別】(令和5年中)

出典:千葉県警察 - 不審者情報の分析結果(令和5年中)「【行為別】」

こうした不審者に出会ったときの対応として、子どもに教えておくとよい言葉があります。
「いかのおすし」です。子ども向け防犯用語として全国に広まっているものでもありますので、学校でも教えてもらう機会があるかもしれません。いろいろな人から、いろいろな場所で繰り返し教わることで子どもの記憶にも強く残ります。ご家庭でもぜひお子さんに教えておきましょう。

いかのおすし いかのおすし

関連記事:安心生活サポートWEBマガジン Always マンガでわかる「防犯」いかのおすし第1回 vol.1

地域活動に子どもを積極的に参加させる

相手を見分ける危機回避能力を子どもに学習させるには、親と子どもが一緒になって街の美化活動や清掃活動などに参加するというのも有効な対策です。こうして地域の人と子どもが顔を合わせる機会を作っていけば、住人の中にどこそこの子という認識が生まれますし、子ども側にも誰が住民かの認識を作ることができます。誰が知り合いで、誰が知らない人なのか、といった判断が徐々にできるようになります。子どもに他人との付き合い方を学ばせる教育の場にもなるでしょう。

あいさつ運動を有効に取り入れよう

あいさつ運動は、既に全国のさまざまな自治体や学校などで実践されています。町内や地域での防犯活動が充分でないと感じる場合には、自治会やPTAなどにあいさつ運動を推奨することもひとつです。その際には、子どもへの注意喚起を怠らないように気を付けてください。
最後に地域の防犯レベルを上げる、とっておきの方法をご紹介します。
それは周辺の家庭を含め、まとまってホームセキュリティを導入することです。
先にも述べた通り、犯罪者は必ず犯行を行おうとする地域の下見を行います。その時に全家庭にホームセキュリティが導入されていたらどう思うでしょうか。この地域は防犯意識の高い地域だと思い犯行を働くにはリスクが高すぎると判断するでしょう。
ALSOKではご近所まとめてホームセキュリティの導入を行う場合には工事費等がおトクになる割引制度をご用意しています。

また、外出中のお子さまの防犯対策として、ALSOKの「まもるっく」もおすすめです。「まもるっく」はGPSがついている小型の携帯端末で、お子さまの居場所がいつでも確認でき、通話もできます。
もしものときは、ストラップを引くことで防犯ブザーが鳴動し、ALSOKへ緊急通報することが可能。依頼があればガードマンの駆けつけ対応も行っております。ぜひご検討ください。

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