賃貸マンション・アパートの盗聴器・盗撮器の調べ方
春は新入学や異動のシーズン。引っ越しをして新居に移るという方も多いでしょう。賃貸アパート・マンションで、新生活を開始するという人も少なくないはず。そんなときにぜひ注意しておきたいのが盗聴や盗撮といった犯罪です。特に女性は注意しておくに越したことはありません。
ここでは、盗聴器や盗撮器が仕掛けられやすい場所とその対策についてみてみましょう。
目次
マンションやアパートに仕掛けられやすい盗聴器・盗撮器の種類
近年、盗聴や盗撮による被害が増えています。2023年5月には、アパートの屋根裏に小型カメラを設置して20代の女子大生を盗撮していた事件が発覚しました。また、2023年8月にはマンションの浴室に設置された時計型のカメラで女子高校生を盗撮した事件が発生しています。
また、警察庁生活安全局生活安全企画課が発表している「令和4年中の迷惑防止条例等違反(痴漢・盗撮)に係る検挙状況の調査結果」によると、盗撮被害は5,737件も起こっていて、その件数は年々増えています。
なお、盗撮被害5,737件のうち1,807件は「通常衣服を着けない場所(住居、便所、浴場、更衣室等)」で発生しており、住宅内でも注意が必要です。
参考:警察庁生活安全局生活安全企画課 令和4年中の迷惑防止条例等違反(痴漢・盗撮)に係る検挙状況の調査結果「2 盗撮に係る検挙状況」
住宅に仕掛けられている盗聴器・盗撮器は、主に「電池型」「コンセントタップ型」「火災報知器型」の3つです。マンション・アパートに仕掛けられている盗聴器・盗撮器は、生活になじんでいる可能性があり、長らく気づかないケースもあります。
ここでは、盗聴器・盗撮器の種類についてご紹介します。
電池型
電池型の盗聴器・盗撮器は、名前の通り電池式で動く機器です。電池が切れれば機能しなくなりますが、入居する直前や入居後に設置された場合は、盗聴や盗撮をされている可能性があります。
コンセントタップ型
コンセントタップ型は、コンセントタップの中に盗聴器・盗撮器が組み込まれているタイプのものです。コンセントから直接電源を取ることができるため、半永久的に動き続けます。そのため、気づかなければ引っ越しをするまでずっと盗聴・盗撮されている可能性があります。
火災報知器型
火災報知器型は、火災報知器に似た形をしている盗聴器・盗撮器です。天井に設置されている火災報知器の数や配置に違和感がある場合は、火災報知器型の盗聴器・盗撮器である可能性があります。
なぜ賃貸のマンションやアパートに盗聴器・盗撮器が設置される?
引っ越してきたときに、すでに盗聴器や盗撮器が仕掛けられているケースがあります。では、どうして盗聴器や盗撮器が仕掛けられているのでしょうか。
前の住人が被害に遭っていた
前の住人が盗聴・盗撮の被害に遭っていて、盗聴器・盗撮器が設置されたままになっているケースがあります。コンセントタップ型や火災報知器型は半永久的に利用できることから、前の住人が引っ越した後でも盗聴・盗撮され続けている場合があります。
前の住人が仕掛けて行った
前の住人が盗聴器や盗撮器を仕掛けて行くケースもあります。引っ越しの際は空き家にしなければならないため、盗聴器や盗撮器は目立たない場所に仕掛けられます。例えば、コンセントの内部や備え付けの家電などは仕掛けられやすいため、注意が必要です。
その他
その他に、不動産管理会社や大家さんが住民の監視や興味本位などで仕掛けているケースもあります。不動産管理会社や大家さんは部屋の鍵を持っていることから、自由に出入りができてしまいます。実際に、アパートの大家が女性の部屋を狙って盗聴器・盗撮器を設置していたケースもあります。
管理会社や大家さんだからといって安心はせず、不審なことや違和感があれば警戒するようにしましょう。
こうしてさまざまな人が盗聴器・盗撮器を仕掛けることができるため、新居への引っ越しをする前に、コンセントボックス内や備え付けのエアコン、テレビの裏などに盗聴器・盗撮器が仕掛けられていないか確認しておくと安心です。
盗聴器・盗撮器が仕掛けられやすい場所
では、盗聴器・盗撮器はどのような場所に仕掛けられるのでしょうか。ここでは、機器を仕掛けられやすい場所をご紹介します。
備え付けの家電
エアコンや照明器具、時計、テレビの裏などの家電に仕掛けられているケースがあります。特に、エアコンは高い場所に設置してあることから目立ちにくく仕掛けられやすいといえます。賃貸住宅の場合、照明やエアコンが備え付けられている部屋も多いため、はじめから付いている場合は事前にチェックしておきましょう。
コンセントボックスや火災報知器
コンセントボックスや照明器具を取り付ける引掛シーリングとよばれる部品の中も仕掛けられやすい場所です。この部分は電源があるので、ここに仕掛けられた盗聴器・盗撮器は半永久的に作動し続けます。可能であればチェックしておきましょう。ただし、電気が通っているので配線等には触らないようにくれぐれも注意してください。
また、それほど広い部屋でもないのに火災報知器が2つ付いている場合や不自然な場所に設置されている場合、火災報知器型の盗聴器・盗撮器の可能性があります。
コンセントタップ型の盗聴器、中には電子部品がぎっしり詰まっています。
備え付けの家具
数は少ないですが、中には家具付きの物件もあります。その備え付けの家具の中にも電池式の盗聴器・盗撮器が仕掛けられていたというケースがあります。そのため、入念にチェックしておくことをおすすめします。
家具類で仕掛けられやすい場所は以下のとおりです。
- 花瓶の中
- ソファのクッションの隙間、下
- ベッドマットとベッドの間、ベッドの下
- 郵便受けの中
- 壁掛けフック
このほか、プレゼントでもらったぬいぐるみの中やパソコンに内蔵されているカメラが乗っ取られている場合もあります。
壁
壁からも、コンクリートマイクを利用して盗聴されている場合があります。
コンクリートマイクとは、壁を伝わる微弱な振動から壁の向こう側の音声を取得することができる機器のことです。もともとは、機器の異音調査や水道の水漏れ検出などに使われている調査機器ですが、盗聴器として使われるケースもあります。隣接する部屋での使用となるため、集合住宅での被害が多いと考えられます。
無料の無線LAN
最近は、無料の無線LANサービスが付いている物件が増えてきていますが、この無線LANからコンピュータウイルスなどのマルウェアをパソコンに送り込み、カメラやマイクを乗っ取るという手口も多くなっています。防犯やみまもり目的でWebカメラを設置している場合、ネットワークを経由して乗っ取られてしまう可能性があります。無線ルーターなどのパスワードは初期設定のままにしておかず、必ず新しいパスワードを登録して対策しましょう。
プロが行う盗聴器・盗撮器探索サービスとは
室内をくまなくチェックしても何も見つけられないけれど、どうも何かがおかしい、誰も知らないはずの部屋の中の出来事が他人に知られているなどと感じる場合には、思い切ってプロによる盗聴器・盗撮器探索サービスを利用してみましょう。
プロによる盗聴器・盗撮器探索サービスとは
盗聴器は一般に電波を発しており、それを専用の受信機で受信することで盗聴できるようになっています。プロはその不自然な電波を探る特別な機器を操ることで盗聴器の有無を確認します。また盗聴器・盗撮器を探索する方法として、温度を可視化するサーモグラフィーを使って温度が不自然に変化している箇所を特定する方法や、レシーバーをかざしてハウリングが起こる場所から仕掛けられている箇所を探る方法などもあります。
技術の進歩とともに盗聴器・盗撮器もどんどん安価になり、小型化、長寿命、そして高性能になってきています。一般の人間ではとても探り当てられないような巧妙に仕掛けられた機器も、プロにかかれば専門の機器と長年の経験により短時間で発見することができます。
気になる方はALSOKの盗聴器・盗撮器探索サービスに相談
ALSOKでも熟練したプロによる盗聴器・盗撮器探索サービスを提供しています。
部屋の広さにより料金は異なりますが、一人暮らしの女性なら1LDKまで30,800円(税込)というお得な限定プランもご用意していますのでお気軽にご相談ください。
室内に不審な形跡があったときはもちろん、新居に引っ越ししたときや同居人と別居したとき、ストーカー被害にあったときなどには、探索サービスのご利用をおすすめいたします。
自宅の防犯対策も大切
留守中に自宅へ侵入し、盗聴器や盗撮器を仕掛けられるケースもあります。また、盗聴器や盗撮器で留守を確認して侵入してくるケースも。家にいても侵入される恐れがあるため、自宅の防犯対策を行うことも大切です。
ALSOKのホームセキュリティなら、賃貸マンションやアパートにも設置することができ、後付けも可能です。不審者の侵入を感知し、緊急時にはガードマンがただちに駆けつけて被害の拡大を防止します。
オートロックやピッキング対策などの防犯対策に加えて、さらなる防犯対策を行いたい場合は、ぜひホームセキュリティの導入をご検討ください。