泥棒対策 泥棒が狙う家の特徴とは?
近所で泥棒被害にあったり、出張や転勤などで長期間自宅を空けたりする場合、自宅が泥棒に狙われないか心配になるものです。そもそも泥棒はどのような家を標的とするのでしょうか。それを知ることで、より効果的な防犯対策が立てられます。
本コラムでは、泥棒が標的にしやすい家の特徴と防犯対策についてご紹介します。
目次
泥棒が狙う家の特徴
泥棒は犯行前に下見を行うケースが多く、ターゲットを決める際には周辺の環境と標的候補となる家そのものを細かくチェックしています。そのチェックポイントとしては概ね大きく4つあり、「留守かどうか」「手間をかけずに侵入できそうか」「周囲に気付かれずに侵入できそうか」「逃げやすいかどうか」が挙げられます。
では泥棒がどのような視点でそれらをチェックしているかをみてみましょう。
泥棒が「その家が留守かどうか」を判断する視点
警察庁が、泥棒が留守宅を確認するための手段を調査した結果をまとめたところ、その結果は次のようなものでした。
一番多かったのが「インターホンで呼ぶ」という直接的な方法で、次が「住人の動きを観察する」というものです。そのほか「電話をかける」や「カーテンの締まり具合」「郵便物の溜まり具合」などもあり、泥棒はさまざまな視点で留守宅を見分けていることがわかります。
泥棒が留守宅を見分けるポイントとそれぞれに対する対応策をご紹介します。
インターホンを押しても誰も出ない
侵入窃盗犯が留守を確認する方法としてもっとも一般的なのは、インターホンを押して応答があるかを確認する方法です。これに対して在宅を装うことは難しいので、犯人にインターホンを押させない工夫が重要です。犯人は証拠を残すことを嫌うため、録画機能付きのインターホンを設置するのが効果的です。。インターホンのボタン付近に「録画中」などと表示することで、犯人に対する抑止効果が高まります。周囲により簡単に確認できそうな家が多数ある中で、証拠を残すリスクを冒してまでその家を狙う理由はなく、泥棒の標的候補から外れる可能性は高いでしょう。
大きな荷物を持って出かけた
調査結果をによると、住人の動きを見張ることで留守を見抜く窃盗犯も多いようです。例えば、キャリーバッグなど大きな荷物を持って出かけるところを見られると、これから長期間留守にするとわかってしまい、窃盗犯の標的にされてしまう可能性が大きくなります。そのため、大きな荷物は宅配便などで予め目的地に送っておいて、自宅からは持って出ないことをおすすめします。また、どうしても大きな荷物を持って出る場合には、出かける際に家に誰もいなくても「行ってきます」と声をかけるなどして、留守番がいると見せかけると効果的です。
さらに、車がガレージにあるかどうかで留守を確認する窃盗犯もいるため、シャッター付きガレージなら、日頃から閉めておくようにしましょう。
電話に誰も出ない
泥棒が標的候補の家の電話番号を知っている場合、電話をかけて留守かどうかを判断することがあります。最近では自宅の電話を携帯電話に自動転送できる機能も増えているので、可能であれば携帯電話に転送しておくと安心です
留守番電話は便利な一方、「留守である」ことを伝えてしまう可能性があるため、できれば使用は控えたいところです。どうしても使用が避けられない場合でも、アナウンスで「○日まで留守にしています」というような具体的な不在情報を伝えるのは避けましょう。代わりに「迷惑電話対策のため、最初にお名前とご用件を伺っています」や「不審な電話は警察に通報します」というアナウンスにしておくと、留守だと悟られにくくなるだけでなく、迷惑電話や詐欺電話を防ぐ効果も期待できます。
昼間でも雨戸やカーテンが閉まっている
昼間から雨戸や厚手のカーテンで閉め切られていると、泥棒は留守の可能性が高いと目をつけます。長期間家を留守にする場合、防犯上の観点からは雨戸やシャッターなどは閉めておくことは有効ですが、一方で留守だと思われるリスクも高くなります。そのため、雨戸やシャッターを閉めた際は、補助錠や防犯フィルムを使って窓やドアの防犯対策を強化しましょう。特に外部から目につきにくい箇所の防犯を重点的に行うことが重要です。
郵便受けに新聞や郵便物が放置されている
郵便受けに配達物が溜まっていると、留守であるということを泥棒に知られてしまいます。数日間家を空けることがわかっている場合は、事前に新聞・郵便物の配達を一時停止する手配をしておくと安心です。転勤や長期出張・旅行など、長期間で家を空ける場合には近所の方に郵便受けの管理をお願いするのも良いでしょう。近所の人には頼みづらい場合には「空き家管理サービス」を利用するのも有効です。ALSOKでは郵便物の管理だけでなく、家の外に異常がないかのみまわりを定期的に行ってくれます。
夜、室内に明かりがついていない
夜、室内に明かりがついていない家は留守とみなされ泥棒の標的にされる可能性があります。特に共働きで日没後に帰宅する家庭は泥棒に目を付けられやすいです。そこで、タイマー付きの照明器具を活用して、日没に合わせて自動でリビングの照明が点灯するように設定しておくのがおすすめです。ホームセンターでは、1,000円程度でコンセントに設置する電源タイマーが販売されています。スタンド灯やフロアランプを点灯させるだけでも効果的ですが、テレビやラジオなどの音が出るものも同時に稼働させることで、さらに防犯効果を高めることができます。
洗濯物が干しっぱなし
洗濯物が干しっぱなしで取り込まれていない家は、泥棒に「留守中」であることを知らせるようなものです。こちらも照明と同様に共働き世帯などで帰宅が遅くなる場合、洗濯物が長時間外に残っているため、留守を疑われやすくなります。照明をタイマーで点けるなどの対策が取れればリスクはある程度回避できますが、タイマー機能を使えない場合や照明が付けられない場合は、できるだけ洗濯物は室内で干すようにしましょう。これにより、留守だという印象を与えにくくなり、防犯対策に繋がります。
不在とわかるSNS投稿をしている
海外で行われた元・泥棒へのアンケート調査では、約8割が「ターゲットを特定する際にSNSを使う」と回答しました。
例えば、「○日まで家族旅行中」などと投稿すると、泥棒は過去の投稿などさまざまな手がかりを使って投稿者の住所を特定し、犯行に及びます。そのため、外出時は、不在にしていることが分かるような投稿は避け、仲間に知らせたい報告はできるだけ帰宅後に投稿するようにしましょう。
季節外れの飾り物が飾ってある
年末年始やクリスマス、ハロウィン、端午の節句など、季節ごとに家に飾りつけをする機会が多くあります。しかし、クリスマス飾りが年の瀬まで飾られていたり、梅雨時期まで鯉のぼりが泳いでいたり、極端に早いタイミングで正月飾りを出しているような家は、不在と勘ぐられてしまう可能性があります。飾りつけの管理は適切に行うように心がけましょう。
泥棒は、ターゲットにする家をあらかじめ下見し、留守にしている時間帯や特徴についてマーキングを用いてメモしていることが多いです。マーキングの実例や対策については次の記事で詳しく解説しています。
泥棒が「手間をかけずに侵入できる家かどうか」を判断する視点
たとえ留守であっても、侵入するのに時間がかかりそうな家は泥棒の標的とはなりにくいものです。警察庁の調査では、侵入犯の2/3が「侵入に5分以上時間がかかるなら侵入を諦める」という結果がでています。逆にいえば「侵入に5分以上かかるような対策」を講じれば被害に遭う確率を大幅に下げることができます。
ここでは、泥棒が手間をかけずに侵入できる家を見分ける視点とその対応策をご紹介します。
窓や玄関のカギがかかっていない
侵入犯の家への侵入方法でもっとも多く、約半数を占めているのは「無締り」の出入口や窓からの侵入です。
泥棒は住人の様子を見えないところから伺っていることが多く、ゴミ捨てや近所への買い物といった短時間の外出でも、その隙を狙っています。数分の外出なら大丈夫と思う気持ちが侵入されるきっかけになりやすいのです。たとえ数分の外出でも必ず窓や出入口を施錠する習慣を身につけておきましょう。特に過ごしやすい季節の春や秋は窓を開けている機会が多いため、窓の施錠忘れに注意しましょう。
防犯対策のとられていない窓がある
「無締まり」の次に多いのが「ガラス破り」です。泥棒は普通の窓ガラスであれば、工具などを使い、数秒でガラスを破って開錠、侵入することができます。表から人目につきにくい侵入経路となりうる窓には防犯フィルムに加えて補助錠などを設置し、「侵入に手間がかかる」家と思わせるようにしましょう。
補助錠は外から見て設置されていることがわかるタイプのほうが高い抑止力を期待できます。
足場となるものが放置されている
集合住宅では上階の住居ほどベランダが無防備になりがちですが、一戸建てにおいても上階の窓の方が、より防犯対策が手薄になる傾向があります。ベランダは、登れば路上からは死角になることが多いため、周囲に気付かれずにガラス破りの作業を行うことが可能です。泥棒が上階に登るための足場となり得る物は庭に置かないようにし、どうしても移動できないもの(エアコン室外機や近隣の電柱など)がある場合は、忍び返し(屋外用防犯フェンス)を設置するなどの対策をとりましょう。
泥棒が「周囲に気付かれず侵入できる家かどうか」を判断する視点
無施錠の玄関から堂々と入る場合を除いて、泥棒に入るにはどうしても周囲から見れば不自然な行動を取らざるを得ません。それを付近の住民などに見られれば通報されるリスクが高まるため、泥棒はできるだけ人目につきにくい場所から侵入を試みます。
そうした観点からみれば、人の往来が途切れない場所や、近隣のマンションのベランダや窓からよく見える場所など、周囲から見えやすいところにある家は比較的安心といえるでしょう。泥棒が周囲に気付かれず侵入できると思う視点とその対策についてご紹介します。
侵入口が死角になっている
泥棒の多くは窓を破って侵入することを企てるので、周囲の目を気にせずに作業ができる窓は泥棒の侵入口となりやすいです。侵入経路になりそうな場所は、可能な限り見通しを良くしておくことが大切です。庭の植栽などが視界を遮っているようなら、剪定し周囲を見やすくしましょう。
また、死角になってしまうような場所がある場合は、「防犯カメラ」の設置がおすすめです。最近では家庭向けのリーズナブルな機種でも、多様なセンサーを内蔵していて、侵入があれば素早く検知し光や音で警告を発したり、ネットワークを使って遠隔地から操作したりできる機能を持ったカメラも増えています。
犯行時の音がかき消される
ガラスやドアを破壊する際には大きな音が発生するため、その音をかき消すような電車や大型車両が頻繁に通過する場所にある家は、泥棒の標的になりやすいといわれています。こういった立地にお住まいの方は、犯行を周囲に知らせることができる防犯対策が有効です。
具体的には、踏むと大きな音の出る防犯用の砂利を庭や通路に撒いておく、窓ガラスに衝撃が加わるとブザーが鳴動する装置を設置するなどが挙げられます。加えて夜間の防犯対策としては、音や動く物体を感知して点灯するセンサーライトを設置すると、侵入者を威嚇する効果が期待できます。
泥棒が「逃げやすいかどうか」を判断する視点
泥棒にとっては犯行後スムーズに逃げられるかどうかは重要な問題です。ここでは泥棒は「逃げやすいかどうか」を判断する要素についてご紹介します。
指定日以外でも集積所にゴミが出ている
泥棒は下見の際に地域のゴミ集積所に指定日以外にゴミが出ているかどうかをチェックします。指定日以外にゴミが出ているような地域は地域住民の連帯感が薄く、万一犯行時に見つかっても逃げやすいといわれています。
一方で地域の連帯感が強く、近所付き合いが円滑に行われている地域は泥棒が嫌うため防犯の観点からは安心できる地域だといえます。前出の調査でも犯行を諦めた理由の上位に「近所の人に声を掛けられたり、ジロジロみられたりした」ということが挙げられています。
泥棒に狙われないためにも、ゴミの日のルールを守るようにしましょう。また、泥棒が下見を行っている段階から「不審だ」と感じることのできる環境を地域の住民同士で養っておくことも必要です。
人気が少ない立地にある
泥棒は、犯行に及ぶ前に人気が少ない立地にあるかどうかを確認します。侵入には平均2から5分要するため、通行人や立ち話をしている人がいると見つかりやすく、通報される可能性も高いです。そのため、侵入後スムーズに逃げられるような人気が少ない立地の家をターゲットとするケースが多いです。
駅や商業施設などが近い
人の目がある場所であれば、必ずしも安全とは限りません。不特定多数の人が集まっている場所は死角ができやすく、万が一見つかっても逃げることができるため、泥棒にとって犯行に及ぶのに好都合といえます。特に商業施設や駅などの人混みに紛れやすい場所が家の近くにある場合、空き巣や盗難被害に遭いやすくなるリスクがあります。
泥棒被害を防ぐおすすめの防犯対策
万が一、泥棒に標的とされたとしても、家の中に侵入されない対策を行うことで泥棒被害を防ぐことができます。ここでは、泥棒被害を防ぐのにおすすめの防犯対策についてご紹介します。
防犯カメラ
防犯カメラは、設置しているだけでも威嚇効果が期待でき、泥棒が下見に来たときに標的から外されやすくなります。また、外出時もスマートフォンから家の様子を確認できるカメラであれば、万が一泥棒に侵入された場合すぐに通報できます。さらに、異常を検知するとガードマンが現場へ駆けつけるホームセキュリティを導入するとより安心です。防犯カメラは、玄関や裏口、外から死角になる場所へ設置しましょう。
補助錠・防犯鍵
侵入に時間がかかる家は、泥棒が嫌がって犯行を諦めやすい傾向にあるため、ドアや窓には2つの鍵を取り付ける「ワンドアツーロック」が基本です。さらに、セキュリティを強化するために防犯性能の高い鍵を取り付けることをおすすめします。補助錠や防犯鍵を取り付けて、泥棒の侵入を未然に防ぎましょう。また、防犯鍵は複製が難しいディンプルキーなどがおすすめです。これらの鍵を活用することでより一層住宅の防犯性能を高めることができます。
センサーライト
センサーライトは、人や動物を感知すると明るく点灯します。特に夜間や街灯の少ない暗い場所は人の目に付きにくいため、泥棒が犯行を行う可能性が高くなります。センサーライトを設置することで、泥棒に「防犯意識が高い家」と判断させ、犯行を未然に防ぐのに有効です。
泥棒被害に遭わないために日頃から心掛けるべきこと
泥棒は犯行前に下見をし、侵入しやすさ、逃げやすさといった視点から標的を決めます。ここでは、泥棒被害に遭わないために日頃から心掛けるべきことをご紹介します。
庭やベランダの整理整頓をする
泥棒に「防犯意識が高い」と思わせるためには、庭の草を放置せず、ベランダに物を散乱させないことが大事です。庭やベランダは外から死角になりやすく、泥棒が侵入経路に選ぶ傾向が高い場所です。また、ベランダに物があると足場として利用される場合もあります。庭やベランダにはあまり物を置かず、日頃から整理整頓しておくことを意識しましょう。
近所の人と交流を図る
近所の人と日頃から交流を図り、家に異変があったときにすぐに気付いて教えてもらえるような関係性を作っておくと安心です。近所付き合いを大切にし地域コミュニティを形成することは、自然と泥棒を寄せ付けない環境作りにつながります。日頃からご近所とのコミュニケーションを積極的に図ることで、地域全体の安全性を高めることができます。
短時間の外出でも施錠を怠らない
近くのコンビニへの買い物やゴミ捨て、回覧板など、短時間の外出でも施錠を心掛けることが大事です。たとえ短時間の外出であっても、必ずドアや窓に鍵がかかっているかを確認しましょう。
防犯効果を高めるためにホームセキュリティの導入も検討しよう
泥棒が何を根拠に標的を決めているか、そして泥棒の標的とならないための防犯対策についてご理解いただけたかと思います。
泥棒被害に遭わないために適切な防犯対策を行い、侵入に時間がかかる家と思わせて、泥棒に犯行を諦めさせることが大事です。防犯対策に不安を感じている場合は、「犯行を未然に防ぐ効果」と「万一犯行を試みられてもやりとげさせない効果」の2つの面から自宅を守るホームセキュリティの導入をおすすめします。
ALSOKのホームセキュリティは、「セルフセキュリティ」「オンラインセキュリティ」の2つから選択できます。セルフセキュリティでは、お手頃価格でホームセキュリティを実現でき、もしものときにはガードマンの依頼駆けつけが利用可能です。オンラインセキュリティでは、不審者の侵入や火災などの異常発生時に自動でガードマンが駆けつけます。
また、スマートフォンを所持して近づくだけで自動で警備を解除し、外出時はワンタッチで警備を開始することも可能です。窓の閉め忘れやスマートフォンの持ち忘れのお知らせ機能もあるため、毎日慌ただしく家を出ることの多い方も安心でしょう。
さらに、在宅中も警備をセットできるので、就寝中や一人での在宅時にも安心です。
防犯対策を高め、泥棒に狙われない家作りのために、ぜひホームセキュリティの導入をご検討ください。
また、ご自身で防犯対策を強化したいという方のために役立つアイテムを揃えた「ALSOKの防犯・防災グッズ通販ショップ」も運営しています。防犯カメラや防犯センサー、補助錠など、多種多様な商品をご用意していますのでぜひ一度ご覧ください。
まとめ
今回は、泥棒が標的にしやすい家の特徴と対策について解説しました。「うちは大丈夫」と気を抜かず、日頃から泥棒に狙われないための対策を施すことで、自分自身や家族の安全を守ることに繋がります。今回ご紹介した防犯グッズやセキュリティサービスを活用し、ぜひ、安心して暮らせる家作りにお役立てください。