家庭での火災予防
火災は空気が乾燥する冬場に注意すれば良いというものではありません。確かに最近の暖房器具などの電化製品は、火災のリスクが低くなるように設計されているものもありますが、火災発生の要因は様々です。そこで今回は、主な住宅火災の出火原因とその対策についてみていきましょう。
火災の出火原因は
総務省消防庁が発表した「令和4年における火災の状況」を住宅火災の出火原因件数が多い順にみると、こんろからの出火が1,818件で全体の15.9%、たばこが1,303 件で11.4%、ストーブが864件で7.6%、配線器具が715件で6.3%、電気機器が683件で6.0%の順となっています。
出典:総務省消防庁「令和4年(1~12月)における火災の状況(確定値)について
建物火災(20,167件)のうち住宅火災は11,411件と半数を超えており、家庭における火災予防を今一度確認することが必要だといえるでしょう。中でも出火原因として最も多いコンロの使用には十分注意したいものです。コンロによる火災としては次のような事例もあります。
- 調理油過熱防止装置の付いていないガスコンロで調理中、天ぷら鍋を火にかけたまま放置したために出火した
- グリルが長時間加熱されたため、魚や脂分などが発火しグリル内部が焼損した
- ガスコンロで鍋を加熱していた際、ガスコンロの周辺にあった可燃物に着火し、建物が全焼、1名が死亡した
- 使用者が煮こぼれなどを放置していたため点火しづらくなり、繰り返しの点火動作で溜まっていたガスに引火した
また、最近多くなっているIHクッキングヒーターは「電気なので火を使わず安心」と思っている方も多いようですが、揚げ物をつくっている間に油が過熱となり、そこから発火するという事故も少なくないということを覚えておきましょう。油が発火する温度は370度です。直接火を使わないIHクッキングヒーターでも十分注意が必要です。
ちなみにガスコンロの場合、平成20年4月以降に製造されたものは調理油過熱防止装置がついています。それ以前に製造されたガスコンロをお使いの方は早めに買い替えされることをおすすめします。
火災を予防するには
家庭での火災を予防するには、何より調理など火気を扱う際に目を離さないことが大事です。なかでもコンロを使用するときには下記の点をこころがけましょう。
- 使用中はその場から離れない。
- グリルは使用した後に火種となるような材料のカスが残らないようこまめに掃除をする。
- 万が一、グリル庫内で調理物や汚れなどが発火した場合には、あわてて扉を開けずに、操作ボタンや器具栓つまみを消火の状態に戻して火が収まるまで開けるのを待つ。
- 煮こぼれや油汚れはきれいに拭き取る。
- ガス臭いと感じたときには絶対に火を点けず、ガス栓を閉めてガス会社へすみやかに連絡する。
- 点火がしにくく繰り返し点火操作をするときには、周囲にもれたガスがなくなるまでしばらく点火を待つ。窓を開けてガスを排出することも大切。
- コンロの周囲に燃えやすいものを置かない。
もちろん、火災の原因はコンロだけではありません。夜間のストーブの消し忘れやストーブのまわりに燃えやすい衣類などをおかないことも予防対策のひとつです。
また、火を使わない暖房器具だからと安心せずに、使用する際には配線器具にコンセントを付けすぎないことやコンセントをしっかりと接続すること、配線器具のほこりをこまめに掃除することも火災予防の観点からは大切です。
タバコを吸うときには火がついたまま置き忘れをしないこと、吸い殻の火を確実に消火することが大切です。就寝時の喫煙も避けたいものです。
放火にいたっては、自力で抑止できるものではありませんが、新聞紙や可燃ごみ等、燃えやすい物を外に放置しないことや、人感ライトの設置等の防犯対策を施すなどの対応を考える必要もあるでしょう。
ALSOKのホームセキュリティ
ALSOKのホームセキュリティは、火災による温度の変化や煙の発生を感知、不審者の侵入感知、急病時などの非常通報など、さまざまなリスクから24時間365日いつでも守ってくれる安心安全のサービスです。異常を感知したときにはガードマンが迅速に駆けつけて状況の確認や対処を行います。火災予防だけではなく、放火などの防犯対策としても有効なサービスですので、ぜひ一度導入をご検討ください。