ランニングの効果と注意点
体一つで気軽にできる運動といえば、ランニングでしょう。いまやマラソン大会は年間を通じて全国各地で開催されており、その人気の高さを伺い知ることができます。そこで、今回は手軽に始められ、かつ健康に役立つランニングについて探ってみました。
ランニング人口
日本全体でランニングをしている人はどれくらいいると思いますか。2018年に年1回以上ジョギング・ランニング実施したという成人の率は男女平均で9.3%。これに日本の成人人口をかけると推計で964万人が年1回以上ジョギング・ランニングを実施したという計算になります。
また男女の内訳をみると男性が12.9%、女性が5.8%となっていて、男性の方が女性に比べて約2倍「走っている」という結果となっています。
年1回以上の実施率の推移
調査年 | 1998 | 2000 | 2002 | 2004 | 2006 | 2008 | 2010 | 2012 | 2014 | 2016 | 2018 | |
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全体 | 実施率 (%) |
6.9 | 7.7 | 4.8 | 6.6 | 5.9 | 7.3 | 8.5 | 9.7 | 9.5 | 8.6 | 9.3 |
推計人口 (万人) |
675 | 766 | 483 | 671 | 606 | 755 | 883 | 1,009 | 986 | 893 | 964 | |
男性 | 実施率 (%) |
8.7 | 10.5 | 6.2 | 9.7 | 8.1 | 10.0 | 12.2 | 14.0 | 12.9 | 11.8 | 12.9 |
推計人口 (万人) |
413 | 506 | 302 | 478 | 402 | 500 | 612 | 703 | 647 | 592 | 646 | |
女性 | 実施率 (%) |
5.2 | 4.9 | 3.4 | 3.5 | 4.0 | 4.6 | 4.8 | 5.3 | 6.1 | 5.4 | 5.8 |
推計人口 (万人) |
262 | 251 | 176 | 184 | 212 | 246 | 257 | 285 | 327 | 290 | 311 |
注)推計人口は住民基本台帳の成人人口(人)に実施率(%)を乗じて算出
笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998~2018)より作成
ランニングをしている理由・走る頻度
ランニングをする理由については、「健康のため」が8割弱と最も多く、「体力の維持・向上」が5割弱、「運動不足解消」「ダイエット、体型の維持」「運動能力の維持・向上」がそれぞれ3割、と続いています。項目の違いこそあれ、やはり健康を動機にランニングをしている人が多くいるようです。
ただ、健康によいとはいっても無理は禁物です。自分に合ったペースで進めていくことが大切ですが、実際にはどのくらいの頻度で走っているのでしょうか。
走る頻度では「週に2~3日」が28.7%でもっとも多く、次いで「週に1日程度」24.9%、「1ケ月に1日以下」15.4%と続いています。一方で「週に4~5日」という強者も11.1%おり、約10人に1人は生活の一部となっているようです。
ランニングの効果
では、ランニングを始めることのメリットは何でしょう。ランニングは水泳やサイクリングなどと同じ有酸素運動のひとつですが、有酸素運動は体脂肪をエネルギー源として使い燃焼させるため、内臓脂肪も減少させることができます。内臓脂肪量が減少することで、高血圧や動脈硬化などの予防・改善につながることから、生活習慣病の原因を予防・改善する効果があるといわれています。世間一般に「ランニングはダイエット効果がある」といわれていますが、体脂肪の燃焼や内臓脂肪量の減少が一役買っているのでしょう。より体脂肪を燃焼するには、歩幅を広げて走ることも有効だと言われています。
ランニングで注意すべき点は
ダイエットに有効であるとはいえ、ランニングを実践する上で注意すべき点もあります。運動量は、少なすぎても多すぎても効果が得られないことがあり、とくに激しい運動は心臓などに負荷がかかります。健康の維持向上のための運動としては、決して無理をせずに、汗ばむ程度を心がけてください。
ランニングの準備
ランニング時には汗の吸収の良いウエアや、足に負担の少ないシューズ選びが大事です。
とくに初心者の場合は、膝や腰に負担の少ないクッション性の高いものを選ぶことをおすすめします。また、靴のフィッティングは朝よりもむくみが溜まっている夕方がベターです。窮屈なサイズを選ばないようにしましょう。
最近では女性向けにおしゃれなウェアもたくさん種類がでています。女性用スポーツウェア市場全体の伸びは2%(2017年10月~2018年9月期)でしたが、そのうちランニングに使用するウェアの割合は19%。昨年同期比で13%も成長しており、おしゃれに気を遣う女性のランナーが増えてきているようです。
(NPD Japan, エヌピーディー・ジャパン調べ)
防犯意識をもって
人通りの少ない早朝や夜間の時間帯にランニングを行う場合は、防犯面にも意識を向けることが大切になります。とくに女性がひとりで走るような場合は、注意が必要です。イヤホンで音を遮ることや、街灯の少ない道をランニングコースに選ぶことはせず、自身の身を守る準備もしておきましょう。防犯ブザーを携帯していざという時に備えるのも一つの手です。
また、ALSOKでは女性専用のサポートサービスも提供しています。ストーカー被害などでお悩みの方はぜひご相談ください。