空き巣で盗まれやすいものは金目の物だけではない!?
現金や高級な宝石、ブランドの腕時計などを家に置いていなければ、空き巣の被害に遭うことはないと思っていませんか？空き巣といえば、金目のものだけを狙うとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際には金目のものだけではなく、ごく普通の家庭にあるような意外なものも狙われており、どのような家庭でも空き巣などの侵入窃盗の被害に遭う可能性があります。本コラムでは、空き巣では実際にどのようなものが盗まれているかについて説明し、そのような被害を防ぐための対策についてご紹介します。
目次
現金だけではない？空き巣が盗むものとは
自宅にブランド品のバックやジュエリーなどの高級品を置いていたり、大金を保管していたりしている場合には、「セキュリティを厳重にしておこう」という意識が働くことが多いと思います。逆に、そういったものは家にないという場合には、空き巣に入られるリスクは軽く見られがちです。しかし、一般家庭にあるようなものも盗まれてしまうことがあり、空き巣に入られてから「しまった、もっと対策しておけばよかった」と思っても「後悔先に立たず」となりますので、やはり日ごろより自宅のセキュリティの強化を検討しておくことが望まれます。
さて、具体的には、空き巣などの侵入窃盗においては、どのようなものが盗まれているのでしょうか。埼玉県警察のWebページ（※）によれば、住宅対象の侵入窃盗における現金以外の主な被害品は以下の通りです（令和4年中の分析）。
| 現金以外の主な被害品 |
|---|
| 貴金属・宝石等 |
| クレジットカード |
| 衣料品類 |
| キャッシュカード |
| バッグ・財布等 |
| 時計類 |
| 商品券 |
※（引用元ページURL）https://www.police.pref.saitama.lg.jp/c0011/kurashi/shinnyu-toukei1.html
クレジットカード・キャッシュカードの暗証番号として類推されやすいものを使用していると、これらのカードが盗まれた場合、不正にお金を引き出されたり、不正にキャッシングが利用されたりするなど、二次被害が発生する可能性が高まってしまいます。生年月日、電話番号、車のナンバー、住所の地番などをクレジットカード・キャッシュカードの暗証番号として使うことは避けるようにして、なるべく類推が難しいものを暗証番号として設定しておくようにしましょう。
どのような家でも空き巣などの侵入窃盗の被害に遭う可能性はありますので、今一度、住宅のセキュリティを確認しておきましょう。
狙われるのは換金がしやすく、持ち運びやすいもの
現金以外に空き巣が目をつけるものの特徴として、以下のようなことがあげられます。
- 換金しやすいもの
- 持ち運びやすいもの
運転免許証や健康保険証といった身分証も狙われます。身分証が盗まれた場合には、その身分証の者になりすまして消費者金融からお金を借りるなど悪用され、二次被害が発生する可能性があります。
さらに近年では、ネット上で品物が売買できる「フリマアプリ」が一般的に使用されるようになったことで、ネット上で買い手がつきやすい衣料品類も狙われています。そのほか、パソコン、スマホ、家電製品、個人で収集したコレクション類なども泥棒に狙われやすいアイテムといえます。
ストーカーやいたずら目的の場合もある
いたずらやストーカーの目的で侵入されてしまうケースもあります。ストーカー目的で侵入された場合には、一見被害が無さそうであっても、密かに盗聴器や隠しカメラが設置されていることもあり、侵入後しばらくたってから被害が拡大してしまうようなケースもあります。無線LANやインターネット回線を用いて通信を行う機器もあり、最近では、比較的簡単に長期にわたって継続的に盗聴を行えるようになっています。心配な場合には、ALSOKの「盗聴器・盗撮器検索サービス」をご検討ください。
ストーカー目的の侵入被害があった場合は、犯人が勤務先の所在地や実家の住所などといった個人情報を盗み見ていて、後日、犯人が勤務先や実家に突然現れるようなケースも考えられるので注意が必要です。
侵入窃盗で一番多い手口は「空き巣」
自宅や事務所などの建物内に入り、ものを盗むことを侵入窃盗といいます。
家人や管理者の不在時を狙って侵入する「空き巣」や、家人が寝ている間に盗みを働く「忍び込み」、家人が食事など別の用事をしている隙にものを盗む「居空き」は、すべて侵入窃盗に該当します。住宅侵入における侵入窃盗の大半は、空き巣です。
| 居空き | 家人が在宅中に隙を見計らって侵入する |
|---|---|
| 空き巣 | 家人が留守の間に侵入する |
| 忍び込み | 家人が寝静まった就寝中に侵入する |
居空き・空き巣・忍び込みに向けた防犯対策について詳しくはこちらからご参照ください。
侵入窃盗に狙われやすいのは一戸建て住宅
警察庁が公開している住まいる防犯110番「データで見る侵入犯罪の脅威」によると、侵入窃盗の認知件数は3万6,588件で、このうち住宅を対象とした侵入窃盗の認知件数は1万6,524件です。1日あたり約45件発生しており、多くの住宅が被害にあっています。また、グラフの侵入窃盗の発生場所別認知件数をみると、45.1％が住宅を対象とした犯罪です。
住宅のなかでも、最も多いのが「一戸建て住宅」、続いて「共同住宅（3階建て以下）」、「共同住宅（4階建て以上）」の順となっています。
侵入窃盗の約3割は、家人が在宅中のときに発生している
次に、警察庁「令和4年の刑法犯に関する統計資料」によると、住宅の侵入窃盗の手口としてもっとも多いのは「空き巣」で全体の63.9％を占めていることが分かります。次いで多い手口は「忍び込み」で25.2％、「居空き」は5.3％となっています。
注目すべきは侵入窃盗の約3割が大胆にも住人が在宅中のときに行われているという点です。「居空き」については、家族が集まってひとつの部屋で食事をしている時や、主婦が洗濯物を干している時などが狙われやすいといわれています。在宅中であってもドア・窓などの施錠を心がけるようにし、特に誰もいない部屋の窓などは必ず施錠するようにしましょう。
住宅への侵入窃盗の侵入方法別認知件数をみてみると、鍵の閉め忘れである「無締り」が最多で46.8％と全体の約半数を占めています。次いで多いのが「ガラス破り」で26.2％となっています。
「ガラス破り」の詳細については、次のコラムを参照してください。
ピッキングやサムターン回しなど、いわゆる「施錠開け」の手口は8.0％となっています。
「無締り」が46.8%と非常に多くなっていますが、ゴミ出しや買い物などで「すぐ戻るから」と油断して施錠しなかったことから侵入されるケースも想定されます。ごく短時間の外出でも、必ず施錠を徹底するようにしてください。
侵入窃盗の手口と住宅のタイプの組み合わせのそれぞれについて、どのような侵入方法（無締り、ガラス破り、施錠開けなど）が多くを占めているのかを表にまとめましたのでご参考にしてください。
| 空き巣 | 忍び込み | 居空き | |
|---|---|---|---|
| 一戸建て住宅 | ガラス破り、無締りが多い | 無締りが非常に多い | |
| 共同住宅（4階建以上） | 施錠開け、無締りが多い | ||
| 共同住宅（3階建以下） | 無締まり、ガラス破りが多い | ||
施錠をすることはもちろんですが、きちんと施錠をしていても侵入窃盗に遭う可能性があります。住宅周辺の死角（侵入者が姿を隠すことができる場所）を減らす工夫を検討してみましょう。泥棒から自宅と家族を守るために、日頃から「泥棒から狙われているかもしれない」という意識を持ち、ホームセキュリティ、ワンドア・ツーロック、窓ガラスへの防犯フィルムの貼付などの対策を行うことが重要です。
もし空き巣に入られた場合はどうすればよい？
実際に空き巣の被害に遭ってしまった際の対応手順をイラストにまとめました。
詳細については、次のコラムを参照してください。
空き巣の前兆や空き巣が嫌がる家の特徴とは
ここでは、空き巣の前兆や空き巣が嫌がる家の特徴を紹介します。
空き巣の前兆とは？
次の1～3のようなケースは、空き巣の前兆である可能性があります。
- 玄関・表札などに不審なマーキングがなされていた。
- 不審な電話がかかってきた。
- 自宅付近で不審者を見かけた。
詳細については、次のコラムを参照してください。
空き巣の嫌がる家の特徴とは
空き巣が嫌がって侵入のターゲットにしない家には特徴があります。
次のような家は、侵入窃盗のターゲットから外されることが多いでしょう。
- 補助錠が設けられている（ワンドア・ツーロック）。
- 地域の住人が良く通りかかる場所にあり、住宅周辺に死角（姿を隠せる場所）がない。
- 侵入するまでに時間がかかる。
- セキュリティシステム、防犯カメラ、センサーライトなどが設置されている。
近所の人がよく通りかかる場所にあって、住宅周辺の見通しが良く、死角（姿を隠せる場所）がない家の場合、犯人は自身の姿を通行人などに見られることを嫌うため、侵入窃盗のターゲットになりにくくなります。
一方で、駅近くや繁華街など不特定多数の人が良く通る場所にある家は、周囲で人がうろうろしていても通行人から注意を払われることも少なく、また、犯行後は人込みに紛れて逃走を図りやすいため、一般的に侵入窃盗に遭うリスクは決して低くないので注意が必要です。
わが家の安全・安心のためにホームセキュリティの導入を
空き巣被害に遭わないためにも、空き巣が嫌がる家づくりを心掛けましょう。ご家族や家財の安全・安心のために、住宅を守るホームセキュリティを導入することをおすすめいたします。
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