応急手当の方法
目の前で人が突然倒れたら、とっさに思い浮かべることはなんでしょうか。まずは「声かけ」ですが、意識があれば状態を確認することができますが、意識がハッキリしないような場合はどうしたらいいのでしょうか。ここではこのような緊急時に必要な応急手当の方法について紹介します。
応急手当について
目の前で人が突然倒れた場合には、落ち着いて次の手順で応急手当を行いましょう。
- まず周囲の安全を確認する。
- 倒れた人に近づいて反応を確かめる。
両肩をたたきながら、声をかけて相手の反応をみます。 - 相手に反応が無かった場合は、大声で助けを呼ぶ。
周囲に人がいない場合には自分で119番への通報をし、AEDの設置場所がわかっている場合には取りに行きます。119番に通報すると、通信指令員が電話を通じて居合わせた人がすべきことを指導してくれます。冷静になって対応しましょう。 - 呼吸の確認をする。
胸と腹部が動きをみて普段通りに呼吸をしているかどうかを確認しましょう。呼吸の確認は10秒以内に行います。 - 普段通りに呼吸をしていない場合やしゃくりあげるように途切れ途切れの呼吸をしているときには心停止と判断し、AEDの使用および胸骨圧迫(心臓マッサージ)を開始する。
AEDがある場合は電源を入れ、AEDの音声ガイドに従って手当てを行います。
AEDがない場合はまず、胸骨圧迫(心臓マッサージ)を開始します。
出典:北海道医師会「応急手当Web」
傷病者の胸の真ん中あたりに両手を重ねておき、垂直に体重がかかるように腕を真っ直ぐに伸ばして手底(てのひらの基部)部分で胸骨を圧迫します。
傷病者が8歳以上の場合なら、胸が5cm沈み込む程度の力加減が適切です。8歳未満の場合は胸の厚さの1/3の深さを目安とします。圧迫のペースは少なくとも1分間に100回のテンポが必要です。
救助者が心肺蘇生の訓練を受けていて、人工呼吸ができる場合は、胸骨圧迫30回に人工呼吸2回のセットで行います。毎回の圧迫後に胸が完全に元の高さに戻るように気を付けます。
胸骨圧迫には非常に体力が必要となるため、周りに人がいる場合は1〜2分毎に交代するようにしましょう。その際、休んでいる人は圧迫の位置、テンポ、深さなどが適正になっているかの確認役に回ります。これを救急車が到着するまで続けます。救命の可能性は時間とともに低下していきますが、救急車が到着するまでの間に現場に居合わせた人が応急手当を行うことによって、救命の可能性が高くなります。
Holmberg M et al.Effect of bystander cardiopulmonary resuscitation in out-of-hospital cardiac arrest patients in SwedenResuscitaion 47:59-70,200.より、一部改変して引用
出典:政府広報オンライン「暮らしに役立つ情報」
応急手当を学習するには
街を歩いていて目の前で突然人が倒れても、自分に知識やトレーニングの経験がなければただただあわててしまうだけのことでしょう。倒れた人の助けになるためには何よりも応急手当の知識と技術をもつことが必要となります。応急手当の講習を受けていれば、より確実に自信を持って心肺蘇生を行うことができるかもしれません。応急手当の技術は、自分で訓練をして修得するしか方法がありません。
消防署では一般向けの救命講習を実施していますので、興味関心のある方はお近くの消防本部・消防署の講習会に参加してみましょう。救命講習には、救命入門コース・普通救命講習、上級救命講習などがあります。忙しくて救命講習会に行く時間がないという場合には、消防庁では一般市民向け応急手当WEB講習を用意しています。インターネットにつながる環境があれば、誰でも好きな時間に応急手当の基礎知識を学ぶことができますので、問い合わせをしてみてください。
また、ALSOKでは町内会や商店街など地域の集まりや職場、学校での教師や保護者などに対する「救急トレーニングサービス(BLS)」を実施しています。救急トレーニング体験レポートはこちらをご参考ください。
さらに、子ども向けではALSOKが実施しているあんしん教室のプログラムもあります。あんしん教室でおこなう救急救命授業では、AEDの役割や心肺蘇生法について学習することができます。このプログラムでは救急救命に対する啓蒙を図るとともに、命の大切さについての気づきや学習をすることができますので、ぜひこちらも参考にしてください。
AEDはどこにあるの?
AEDは病院、交番、空港、駅、学校、コンビニへの設置が進んでいます。また、日本全国AEDマップや、日本救急医療財団のAED設置場所検索で調べることもできます。自宅や学校、会社など身近な場所にあるAEDの設置場所を確認してみることもオススメです。
ALSOKにもAEDの取り扱いがあります。レンタルやリースなど3種類のプランがあり、導入後のサポートも24時間365日対応が可能なため、ぜひご相談ください。
また、高齢の親と離れて暮らしており、急病などで倒れやしないかと心配、という方には24時間365日のみまもりで緊急時にはボタンひとつでガードマンが駆けつける「みまもりサポート」のサービスがあります。こちらもあわせてご検討ください。