強制わいせつ被害にあわないための防止策について
警察庁の「令和4年の刑法犯に関する統計資料」によると、令和4年(2022年)の刑法犯の認知件数は601,331件です[注1]。強制わいせつの認知件数は平成26年(2014年)から令和2年(2020年)まで年々減少してきていましたが、令和3年(2021年)以降、上昇傾向に転じています。
強制わいせつ被害に遭わないようにするにはどのようにすればよいでしょうか。本記事では、強制わいせつの被害状況を分析し、強制わいせつから身を守るための3つの対策を解説します。
目次
強制わいせつの被害状況は?2022年の認知件数は4,708件
警察庁が公開した「令和4年の刑法犯に関する統計資料」によると、令和4年(2022年)の強制わいせつの認知件数は4,708件でした。
強制わいせつ事件の認知件数は令和3年(2021年)以降、2年連続で増加しています。
一方強制わいせつの検挙件数(逮捕、書類送検、微罪処分等により、犯罪の行為者が特定され被疑者とされた件数)は令和4年(2022年)で4,062件であり、こちらも令和3年(2021年)以降、2年連続で増加しています。
また、強制性交等の認知件数は令和4年(2022年)で1,655件であり、この件数も令和3年(2021年)以降、2年連続で増加しています。
強制わいせつの認知件数・検挙件数、強制性交等の認知件数・検挙件数のすべてにおいて2年連続で増加しており、一人ひとりが高い防犯意識を持つこと、そして適切な防犯対策を講じることの重要性が高まっています。
強制わいせつ被害に遭わないための3つの対策
夜間のひとり歩きはなるべく避けよう
強制わいせつ被害の多くは夜間に発生しています。警視庁によると、都内における令和4年(2022年)中での強制わいせつの認知件数は約640件でした[注2]。
[注2]出典:警視庁「痴漢等の性犯罪被害防止対策」
外出する際は、あまり遅くならない時間帯を選び、可能な限り複数人で行動するようにしましょう。やむを得ず夜間に行動する場合は、なるべく明るく人通りの多いルートを選ぶと良いでしょう。可能であれば、夜間の帰宅においてはタクシー等を利用することでリスクを低減できます。また、すぐ手に取って操作できるところ(バッグなど)に防犯ブザー取り付けておくと、いざという時に周囲に異常を知らせることができるので安心です。
帰宅するまではまだ「屋外」。周囲の状況に注意しよう
都内で発生した強制わいせつ事件の28%は、道路上で発生しています[注2]。
[注2]出典:警視庁「痴漢等の性犯罪被害防止対策」
住宅の付近までたどり着いても、まだ「屋外」です。帰宅するまで気を抜かず、周囲の状況に注意しましょう。道路上でスマホや音楽プレイヤーを操作していたり、イヤホンをして音楽を聴いていたりすると、不審者が急に接近してきたことに気づきにくくなります。夜間に一人で立っているときや歩いているときは、スマホや音楽プレイヤーの使用を控えたほうがよいでしょう。
アパートやマンションに住んでいる場合は、自分の部屋に向かうまでの階段・エレベーター・エントランス等でも性犯罪が発生する可能性があります。後ろからつけている人物がいないか常に気を配りましょう。
戸建てやマンションの敷地内に入っても気を抜かず、周囲の状況に注意することが安全安心につながります。
自宅の戸締り・防犯対策も忘れずに
都内の強制わいせつ事件のうち、アパート・マンションなどの中高層住宅(4階建て以上)で発生したものは約15%、一戸建て住宅で発生したものは約3%、その他の住宅(3階建て以下)で発生したものは約7%です。
都内の強制性交等のうち、中高層住宅(4階建て以上)で発生したものは約27%、一戸建て住宅で発生したものは4%、その他の住宅(3階建て以下)で発生したものは約19%となっています[注2]。
[注2]出典:警視庁「痴漢等の性犯罪被害防止対策」
自宅にいるからといって、強制わいせつ・強制性交等の事件に遭うリスクが完全になくなるわけではありません。玄関ドアや窓、ベランダのガラス戸、庭の雨戸などの施錠ができているか、帰宅時や就寝前に必ず確認しましょう。
また、訪問者があった場合は、相手の身分や訪問目的がわかるまで、ドアを開けてはいけません。過去の被害事例では業者や関係者を装い、住宅への侵入を図った手口があります。
もし被害に遭った際はまず相談・通報を
もし性犯罪の被害に遭った場合は、勇気を出して相談・通報することが大切です。
勇気を出して声を上げることが、その地域の性犯罪の再発防止、治安の向上につながるということを知っておきましょう。
希望すれば女性の警察官に相談可能
被害の内容や種類によっては、異性の警察官に相談しづらい方もいるかもしれません。しかし、ほとんどの警察署や警察本部には女性の性犯罪捜査員が配置されているため、希望すれば同性の警察官に対応してもらえます。
警察庁の「令和5年版 犯罪被害者白書」によれば、令和4年(2022年)4月現在、性犯罪捜査において性犯罪被害者から事情聴取等を行う性犯罪指定捜査員として指定されている警察官等は、全国で12,124人(うち女性警察官等は8,094人)となっています[注3]。
もし強制わいせつや強制性交等の被害に遭ったら、泣き寝入りせず、すぐに110番しましょう。
あなたの勇気が犯人逮捕や再発防止につながる
強制わいせつ事件の加害者の多くは、被害者と面識があるというデータがあります。警察庁の「令和4年の刑法犯に関する統計資料」では、令和4年(2022年)における強制わいせつの検挙件数(解決事件を除く)4,018件のうち、面識のある人物が被疑者となったケースは1,735件であり、全体の43.2%を占めています[注4]。
とくに相手が親族・知人であれば、被害者側は告発しづらいという心理が働くかもしれません。また、「気をつけていない自分が悪かった」など、性犯罪に遭った自分を責めてしまう人もいます。
しかし、勇気を出して110番することによって、その地域での性犯罪の再発防止、治安の向上に貢献することができます。いきなり110番をするのに抵抗感がある方は、地方自治体が運営する相談窓口も利用できます。一人で悩むのではなく、勇気を出して相談・通報しましょう。
道路上・帰宅時・在宅時の3つのタイミングで適切な防犯対策を
強制わいせつ被害に遭わないため、日常的に実践できる対策があります。道路上・帰宅時・在宅時の3つのタイミングに注意し、適切な防犯対策をとるようにしましょう。
もし性犯罪の被害に遭ってしまったら、勇気を出して110番することが大切です。全国の都道府県警察には、専門の性犯罪指定捜査員が配置されているため、安心して相談できます。
ALSOKの「まもるっく」を利用すれば、ストラップを引くと緊急通報(音声通話)され、ALSOKが状況を確認、依頼があればガードマンがすぐに駆けつけます。また、ALSOKの「ホームセキュリティ」を導入すれば、暮らしと住まいの安全安心を守ることができます。ホームセキュリティでは「セルフセキュリティ」、「オンラインセキュリティ」の2つから選択できます。セルフセキュリティでは、ご依頼に基づいてガードマンが駆けつけます。オンラインセキュリティでは、異常発生時に自動でガードマンが駆けつけます。