特殊詐欺にあわないためには
特殊詐欺とは、被害者を電話などで対面することなく信頼させ、指定した預貯金口座への振込みを促すことによって、不特定多数の相手から現金等をだまし取る犯罪のことをいいます。
犯人からの接触方法の9割以上が固定電話への架電とされており、「声がそっくりだったから…」などの理由で、つい話を信じて詐欺にあってしまう被害者がいるのが実情です。一旦だまされてしまうと冷静な判断ができなくなり、犯人の罠にはまってしまう特殊詐欺。今回は、その特殊詐欺を未然に防ぐための対策を考えてみましょう。
目次
依然として多い被害
特殊詐欺は、平成15年くらいから多くの認知件数が報告されており、現在も依然として全国で多発しているといえます。警察庁の発表によれば、令和4年度の特殊詐欺の認知件数は17,570件、被害総額は約370億円となっています。
出典:警察庁「令和4年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版)」
出典:警察庁「令和4年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版)」
特殊詐欺は、巧妙に被害者の心理につけこみます。
「お金を支払えば息子を救えると思った」「息子が起こしたトラブルを聞いて驚いた」「息子の将来に傷がつくと思った」など、電話を受けた被害者は困難に直面している身内を一刻も早く救いたいという心境になるのでしょう。息子や孫になりすました犯人の巧妙な状況設定に心が動揺してしまい、短時間で深く術中にはまってしまう人が多いというのが実態です。
ただ、一方で通話中に犯人のうそを見破り、被害を未然に防いだという被害者もいます。うそを見破った理由として「息子の声と違っていた」「息子に直接電話をかけて確認した」「息子の口調や呼び方が違った」など、本当の息子との違いを冷静に感じ取っていることが分かります。特殊詐欺にあわないためには、まず冷静になって相手を判断することが重要なポイントだと言えるでしょう。
万が一、犯人にだまされてお金を用意しようとしてしまった場合でも、水際で被害をくいとめられたケースもあります。
水際とは銀行の窓口やATMのことです。しかし、どうやってここで被害を食い止めることができたのでしょうか。
第三者による声かけの効果
警察庁が特殊詐欺の被害にあった人を対象に行った調査によると、求められた現金を準備する際に金融機関の窓口を使ったという人が約5割、ATMを使ったという人が約4割いることがわかりました。また、犯人からの電話を受けてから現金を支払うまでの間、思いとどまるように声をかけられたという人は3割弱。そのうちの9割は金融機関の職員からお金の使い道などを聞かれたといいます。
ALSOKでは金融機関からの委託を受けATMの管理業務などを多く行っていますが、担当ガードマンが業務中に不審な動きをしている高齢者に気付き、特殊詐欺の被害を未然に防ぐことができたという例も多数あります。
実際に被害を受けてしまった人の約75%が電話を受けてから支払いまでの間、誰にも相談していないという事実も明らかになっています。大きなお金が動くような話が出たら、まずは誰かに相談するということが被害を防ぐ大きな鍵になると言えそうです。
出典:警察庁広報資料「オレオレ詐欺被害者等の調査の概要について」
電話による特殊詐欺の被害を防止する方法は
特殊詐欺の多くは、犯人グループによって高度なマニュアルが用意されており、巧妙なやりとりで被害者をだまし、お金を盗み取ります。日頃から家族に注意をされてだまされないよう心掛けているにもかかわらず、いざ電話に出てしまうと急な話に気が動転し、期限を切られることで急かされ、深く考える間も無くお金やキャッシュカードを渡してしまっているのです。
先にも触れましたが、特殊詐欺の電話の約9割は家の固定電話にかかってきます。1番の防御策は「電話に出ない」ことですが、固定電話には他にも重要な要件がかかってくることもあります。では、どうすればいいのでしょうか。
そこでおすすめしたいのが、ALSOKの防犯サービスのひとつ、迷惑電話自動着信拒否装置「トビラフォン」です。「トビラフォン」は、かかってきた相手の電話番号を警察等の公共機関から提供される迷惑電話番号(約3万件)のデータベースと照合し、過去に問題を起こしている電話番号からの着信を自動で拒否します。さらに、利用者自身で番号ごとに着信の許可・拒否を登録することもできますので、身内からの着信のみ受け付けるという設定も可能です。
不審な電話は、トビラフォンによって多くを防ぐことができます。ただ、それでも電話がつながってしまい、相手が自宅まで来てしまう!ということもあるかもしれません。
そんな不安を解消するにはALSOKのホームセキュリティがおすすめです。
非常ボタンを押すだけで通報ができ、ガードマンが駆け付けます。また、外出時などでも不審者の侵入や火災などをセンサーが自動で感知し発報します。
特殊詐欺はいつ魔の手を伸ばしてくるか分かりません。不安な方は早期に導入の検討をしてみてはいかがでしょうか。