窓ガラスに貼る防犯フィルムとは?効果やメリット・注意点
窓に防犯フィルムを貼ることは泥棒の侵入を防ぐ方法の一つです。 窓ガラス自体の交換が必要なく、自分で貼ることもできる比較的手軽な防犯対策といえるでしょう。
この記事では、防犯フィルムの効果やメリット・注意点などを詳しく解説します。防犯フィルムの導入を検討している方は、ぜひチェックしてください。
防犯フィルムにはどんな効果がある?2つの効果を解説
まずは防犯フィルムの効果を確認しておきましょう。ここでは、窓ガラスに防犯フィルムを貼ることで得られる2つの効果を解説します。
1泥棒の主な侵入経路「窓」の防犯性を高められる
泥棒や空き巣が住宅に侵入するとき、一番狙われやすいのは窓です。警察庁によると、令和4年に発生した一戸建住宅の空き巣被害のうち、窓から侵入された割合は53.5%、玄関などの出入口から侵入された割合は21.3%でした[注1]。玄関ドアのピッキング対策をしたり、ワンドアツーロックにしたりする家庭も増えたことから、より侵入しやすい窓が狙われているのです。
また、空き巣が一戸建住宅に侵入する際の手段別割合は、以下のとおりです。
- ・無締り:51.2%
- ・ガラス割り:30.7%
- ・施錠開け:1.5%
- ・ドア錠破り:2.2%
- ・戸外し:0.6%
- ・その他:4.4%
- ・不明:6.4%
- [注1]
しっかりと鍵をかけていても、通常のガラスであれば簡単に割られ、手を入れてクレセント(窓ガラスの鍵部分)を外されてしまいます。泥棒の侵入経路は「無締り」に続き、ガラスを割って侵入するケースが多いですが、防犯フィルムを貼っておけば窓の防犯性能は大幅にアップします。種類によっては金属バットで叩いてもガラスが割れないほどの性能をもつフィルムもあります。
2ガラスを割るときに泥棒が嫌がる「音」がでる
防犯フィルムが貼ってある窓は、金属バットなどを使用しても何度か強打しないと破ることができません。泥棒は人に注目される可能性のある強打に伴う大きな音を嫌う傾向にあるので、結果として侵入を諦めやすくなります。
また、侵入に時間がかかるのも泥棒が嫌がる要素のひとつです。警察庁のデータでは、侵入に5分以上かかると約7割の泥棒が犯行を諦めると言われています[注2]。これらの理由から防犯フィルムでの対策は非常に効果的であると言えます。
窓に防犯フィルムを貼ることの3つのメリット
防犯フィルムには、さまざまなメリットがあります。順番に詳しく見ていきましょう。
1手軽に防犯対策ができる
防犯対策として、防犯カメラを設置することや防犯性の高いガラスに交換することなどが挙げられますが、どうしても費用と手間がかかります。防犯フィルムであれば現状の窓ガラスに貼るだけなので、比較的手軽に防犯対策ができます。
2ガラスの飛散による二次被害を防げる
窓に防犯フィルムを貼っておけば、地震などの災害でガラスが割れた場合でも飛散を防げます。ガラスを踏んで怪我をするという二次被害を防げることも、メリットといえるでしょう。
3普段の生活に役立つ機能もある
防犯フィルムには、さまざまな種類があり、不透明で室内の目隠しになるタイプ、虫除け機能があるタイプ、UVカット機能があるタイプなど、普段の生活に役立つものもあります。
防犯フィルムを自分で貼る際の3つの注意点
防犯フィルムの施工をプロの業者に依頼すると、安心ではありますが費用もかかってしまいます。防犯フィルムには、自分で簡単に貼れるタイプもありますので、手軽に防犯対策をしたい場合は、フィルムを購入して貼ってみるのもおすすめです。
ただし、防犯フィルムの貼り方を間違えると、防犯性能が十分に発揮されない可能性もありますので、防犯フィルムを自分で貼る場合は、次の3つのポイントに注意しましょう。
1防犯フィルムのサイズはA3以上を選ぶ
防犯フィルムは貼り付けた部分のガラスの強度をあげることで、窓を破られにくくし、侵入を阻む目的があります。そのため、防犯フィルムのサイズが小さすぎると、フィルムが貼られていない部分を割られ、手を伸ばして外から鍵を開けられてしまいます。窓ガラス全体に貼るのがベストですが、鍵の周辺のみに貼る場合は最低でもA3サイズ以上にしましょう。
2貼る前にガラスの汚れを落とす
防犯フィルムを貼る前に、ガラスの汚れをしっかり落とすことも重要です。ほこりやゴミなどが付いていると、防犯フィルムがガラスに密着せず、すぐに剥がれてしまったり、防犯性能が低下したりする可能性があります。スプレーや中性洗剤などでガラスや窓枠をきれいにしておきましょう。
3ガラスと防犯フィルムをしっかり圧着する
専用液を使って防犯フィルムを貼り付けた後は、しっかりと圧着しましょう。スクイジーなどを使って防犯フィルムの上から擦るようにし、余分な液や空気を防犯フィルムの外に押し出します。圧着が不十分であると本来の接着力が得られず、防犯性能を十分に発揮できない可能性があります。全体的にしっかりと圧着し、防犯性能も高めましょう。
施工液が乾燥するまでは防犯効果が十分に発揮されないため注意が必要です。一般的に1ヵ月程度の養生が必要となるため、その期間の防犯には注意しましょう。
また、自分での貼り付けに不安があれば、専門の業者に依頼する方が良いでしょう。
防犯フィルムを選ぶときの2つのポイント
さまざまな防犯フィルムがありますが、適当な製品を選ばないと窓の防犯性能はアップしません。以下2つのポイントに注意して選びましょう。
1防犯フィルムの厚みを確認する
防犯フィルムの厚みは「ミクロン」という単位で表されます。200ミクロン程度の防犯フィルムでは、せっかく貼ってもすぐに破られてしまうため注意が必要です。350ミクロン程度の厚みがある防犯フィルムを選ぶようにしましょう。
2施工が簡単な防犯フィルムを選ぶ
自分で防犯フィルムを貼る場合は、施工が簡単なものを選ぶことが大切です。手順が難しいとうまく貼れず、防犯性能が発揮されないケースもあります。自宅にある道具だけで施工できる製品もあるため、貼り付け方法もよく確認してから購入しましょう。
防犯ガラスとの違い
ガラス自体に簡単に打ち破られない工夫がされたガラスを「防犯ガラス」といいます。防犯ガラスは2枚のガラスの間に約0.76mm以上の丈夫な中間層を挟み込むことで、簡単に打ち破られない工夫がされています。CPマーク認定[注3]とともに防犯ガラスのマークもつけられます。
では、防犯ガラスと防犯フィルムはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは主な3つの違いを紹介します。
[注3]CPマーク:さまざまな侵入の試みに対し、5分以上防御することが認められた防犯建物物品につけられるマーク
1価格の違い
一般的に防犯ガラスの方が防犯フィルムよりも価格は高く、防犯ガラスは防犯フィルムに比べて製品にもよりますが5~8倍の価格となっています。
2特性の違い
防犯ガラスはガラスが割れた際に室内へのガラスの飛散がありますが、防犯フィルムは室内へのガラスの飛散はなく、窓の取り付けをした後でもフィルムを貼ることができます。また、防犯フィルムとよく似た製品で「飛散防止フィルム」があります。窓ガラス用の飛散防止フィルムは、窓ガラスが割れた際、周囲に破片の飛び散りを防止するフィルムのことを指します。窓ガラス自体の割れを防ぐものであると思っている方もいると思いますが、窓ガラスの割れそのものを防ぐのではなく、割れた窓ガラスの破片を周囲に飛散させないことが主な目的です。
防犯フィルム、飛散防止フィルム、防犯ガラスそれぞれの用途の違いに注意して製品を選ぶと良いでしょう。
3耐用年数
防犯ガラスの耐用年数は約15~20年、防犯フィルムの耐用年数は約10年となっています。しかし、防犯フィルムは環境や状況によっては定期的な貼り換えが必要になります。
防犯フィルムを貼って窓の防犯性能を高めよう!
泥棒の半数以上は窓から侵入しているため、窓の防犯性能を高めることは非常に重要です。防犯フィルムなら、現状の窓ガラスに貼るだけですので手軽に防犯対策を行えます。自分で貼れるタイプの製品も多いため、ぜひ早めに対策しておきましょう。
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