泥棒被害が一番多い曜日はいつ?窃盗や空き巣が好む時期も解説
空き巣などの泥棒被害はいつでも起こり得る犯罪ですが、件数の多い曜日、件数の少ない曜日というのはあるのでしょうか。
日頃から防犯対策を意識する必要がありますが、特に泥棒被害に遭いやすい曜日というものがあれば、その曜日の前の日を、防犯対策を点検する日とするのも良いアイデアといえるでしょう。
本コラムでは、空き巣などの被害が起こりやすい曜日についての調査結果を示すとともに、泥棒被害に遭わないための対策について解説します。
目次
空き巣被害が多い曜日はいつ?
留守が多い平日は空き巣に狙われやすい
空き巣は多くの場合、犯行に先立って周辺の下見を行います。警察庁の統計によると、空き巣の半数以上が下見の際、「留守かどうか」をチェックするといわれています。[注1]
警察庁の統計データよると、空き巣の認知件数がもっとも多い曜日は月曜日の894件でした。平日(月曜日~金曜日)は約750~900件と多く発生しており、土曜日や日曜日は約400~550件と平日と比較すると少ない件数となっています。家の住人が仕事や学校で留守にしがちな平日の月曜日~金曜日が、空き巣の被害に遭う確率が高い曜日といえるでしょう。[注2]
空き巣は数日かけて住民のライフスタイルをチェックし、住宅に誰もいなくなる時間帯を狙って犯行に及ぶことも少なくありません。特に数時間にわたって誰もいない時間帯があるという住宅は、空き巣のターゲットになりやすいため、空き巣対策をしっかり行うことが大切です。
また、空き巣だけでなく居空き(家人在宅中の隙を見計らっての侵入)や忍び込み(家人が寝静まった就寝中の侵入)も被害が発生していることがグラフから見て取れます。居空きや忍び込みは平日・休日問わず被害が一定数のため、曜日に関係なく侵入が計画・実行されているものと考えられます。
[注1]警察庁:住まいる防犯110番「侵入犯罪の脅威 侵入者プロファイリング~心理と行動①」
[注2]警察庁:「犯罪統計書 令和4年の犯罪」
二世代同居や専業主婦がいるご家庭でも安心とはいえない
平日の日中に住民が在宅しているようなご家庭では、泥棒被害に遭いにくいと思われるかもしれません。しかし、空き巣は住民のライフスタイルをチェックした上で犯行に及ぶため、不在にしている時間帯を狙って泥棒に入られる可能性があります。
特に、決まった時間帯に買い物や散歩に行くような行動パターンがある場合には、日々のルーティン(日課、習慣、日常的に行われる一連の動作)を把握され、わずかな隙をついて侵入されるおそれがあるため、注意が必要です。
また泥棒が入るのは、留守中だけではありません。ベランダで洗濯物を干しているときやお風呂に入っているときなどに居空きの被害に遭ったり、就寝しているときに忍び込みの被害に遭ったりすることもあります。在宅中・就寝中でも、ドアや窓をしっかりと施錠するなどの防犯対策を行うようにしましょう。
日中の時間帯は特に空き巣に注意
空き巣は、8時~20時の時間帯の被害が多いことが分かっています。中でも、10時~12時の間が多く、お買い物などで外出しがちな時間帯に被害が多いため注意が必要です。
出典:「警察庁 犯罪統計書 令和4年の犯罪(11 窃盗 手口別 発生時間帯別 認知件数)」
空き巣をはじめとした侵入盗の手口と時間帯については、次の記事で詳しく解説しています。
空き巣被害が多い時期はいつ?
空き巣被害が多い時期にも特徴があるため、チェックしておきましょう。
空き巣被害が増える時期は10月~11月
【侵入窃盗(住宅対象)の月別 認知件数(令和3年次) 】
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1,430 | 1,354 | 1,596 | 1,268 | 1,317 | 1,377 | 1,336 | 1,520 | 1,400 | 1,720 | 1,621 | 1,344 |
法務省の「令和4年版 犯罪白書」によると、住宅を対象とした侵入窃盗の認知件数は10月~11月がもっとも多い結果となっています。これは、行楽シーズンで長期の外出が増えたり、比較的過ごしやすい気候の季節であり、窓を開ける機会が多くなったりすることが要因と考えられます。
また、3月や8月といった長期休みがある時期も、他の月と比べて多い傾向にあります。3月や8月は学校の長期休みがあり、子どもだけで留守番する機会も増える季節です。
雨の日が多い梅雨の時期も注意しよう
雨の日は出歩く人が少なく、雨や傘などで視界も良くありません。顔が見られにくいといった状況や、雨の音で物音が聞こえにくくなることから泥棒に狙われる可能性が高くなります。そのため、梅雨の時期など雨の日は、特に注意するようにしましょう。
空き巣から家を守るための防犯対策
空き巣は住民のライフスタイルを把握し犯行を行います。空き巣の窃盗被害を未然に防ぐためには、常日頃から住宅の防犯対策を徹底することが重要です。
ここでは空き巣などの泥棒の被害防止に役立つ対策法を5つご紹介します。
窓の防犯対策
空き巣の侵入経路は複数ありますが、一戸建て住宅・共同住宅(3階建て以下)ともにもっとも多いのは窓からの侵入です。特に、一戸建て住宅に関しては、約5割が窓から侵入されているため、窓の防犯対策は必須です。
窓ガラスにはさまざまな種類がありますが、防犯対策をするなら、防犯用の「合わせガラス」または「合わせ複層ガラス」への交換がおすすめです。合わせガラスは、2枚のガラスの間に特殊フィルムを挟み込んだ構造をしており、網入りガラス、強化ガラス、複層ガラスに比べて高い防犯性を期待できます。合わせ複層ガラスは、合わせガラスを使用した複層ガラスで、2層構造による断熱性を持ちながら、合わせガラス同様に高い防犯性があるのが特徴です。CPマーク(※)がついているものを選べばより安心です。
(※)さまざまな侵入の試みに対し、5分以上防御することが認められた防犯建物物品につけられるマーク
コストを押さえたい場合は、既存の窓に防犯フィルムを貼って対策する方法もあります。
なお、網入りガラスや強化ガラス、単なる複層ガラス(ペアガラス)については、高い防犯性は期待できないため、注意が必要です。特に強化ガラスの場合、一点にかかる強い力に弱く、ドライバーなど先端が尖ったもので勢いよく衝撃を与えると簡単に破られてしまいます。
また、クレセント錠の窓は簡単に開錠されてしまうため、補助錠を追加してガラス破り対策を行いましょう。外から見えにくいところに設置すれば、補助錠を外されることなく、泥棒の侵入を諦めさせることができます。
窓の防犯対策については次のコラムで詳しく紹介しています。
出入り口の防犯対策
一見頑丈そうに見える出入り口(玄関、勝手口など)であっても、隙間などにバールを差し込むことで簡単にこじ開けられてしまうこともあるため、防犯対策を行う必要があります。ここでは出入り口の侵入手口とその防犯対策についてご紹介します。
出入り口から泥棒が侵入する主な手口としては、次の3つが挙げられます。
- ピッキング
- サムターン回し
- カム送り(バイパス解錠)
ピッキングは、鍵穴に「ピック」と呼ばれる専用の工具を挿し込み、錠前を破壊することなく解錠する侵入手口です。シリンダー錠やインテグラル錠はピッキングによる被害を受けやすいとされています。この対策として、ワンドア・ツーロックにする、ピッキングに強い鍵に変えるなどがあります。ワンドア・ツーロックは、1つのドアに対し2つ以上の鍵がついている状態で、犯人が鍵を開ける手間と時間が増えるため、防犯性を強化することができます。鍵穴のないカードキーや暗所番号を入力する電子ロック、鍵面に円形や楕円形のくぼみ(ディンプル)が複数並んでいるディンプルキーなどはピッキングに強く、おすすめです。
※シリンダー錠イメージ画像
※インテグラル錠イメージ画像
サムターン回しは、ドリルなどでドアに穴を開け、隙間から特殊な工具を差し込み、工具を用いて内側からサムターンを回して開錠するという侵入手口です。ドアに防犯性能の低いガラス窓がある場合は、ガラスを割ってそこから手や工具を差し込まれるケースもあります。この対策としては、サムターンカバーやドアポストカバーを使用したり、外側から外れないドアスコープに交換したり、鍵の数を増やすなどの方法があります。
カム送り(バイパス解錠)は、シリンダーのリングを浮かし、そこから特殊な工具を使って錠本体を攻撃・解錠する侵入手口です。対策としては、鍵のケース部分を対策品に替える、防止金具(スペーサー)を取り付ける、補助鍵を取り付けるなどの方法があります。
そのほか、出入口のこじ開け対策として、ガードプレートを取り付けてドア枠とドアの隙間を塞ぐ方法もあります。
次のコラムでは玄関・勝手口の防犯対策について詳しく紹介していますので、合わせて参考にしてください。
敷地内への侵入対策
泥棒は人目に付くことや自らの画像・映像を残すことを嫌うため、敷地内への侵入防止策としては、「人感センサー付きのセンサーライト・防犯カメラを設置する」「上階への足場となるようなものを置かない」「踏むと音の出る防犯砂利を敷く」などの対策が有効です。
また、二階建て以上の一戸建てや共同住宅では、物置やエアコン室外機、雨どいなどを足場にして二階以上の窓から侵入されることもあるので注意が必要です。物置やエアコン室外機などの設置場所を工夫するなどの対策を講じて、二階以上からの侵入もしっかり防止しましょう。敷地内全体のセキュリティ強化としてはホームセキュリティの導入も泥棒の侵入対策としておすすめです。
周辺の見通しを良くする
住宅街などでは、プライバシー保護のために植木やフェンスなどで囲いを作っている家も多く見られます。目隠しのある家は、人目を避けてガラス破りなどを行うのに都合が良いため、侵入のターゲットにされやすい傾向にあります。背の高い植木は短く剪定したり、枝をすいたりして、なるべく死角を作らないよう配慮しましょう。
また、夜間に自宅の周囲が暗いと感じる場合は、人感センサー付きのセンサーライトや防犯カメラを取り付けるのも有効な手段のひとつです。
空き巣対策にはホームセキュリティの導入も検討しよう
空き巣対策には防犯性能の高い窓ガラスや錠に変えるなど有効な防犯対策はいくつかありますが、ご家財やご家族のより安全・安心な住環境を作るにはホームセキュリティサービスの導入がおすすめです。
ALSOKのホームセキュリティは、「セルフセキュリティ」「オンラインセキュリティ」の2つから選択できます。セルフセキュリティでは、お手頃価格でホームセキュリティを実現でき、もしもの時にはガードマンの依頼駆けつけが利用可能です。
オンラインセキュリティでは、異常発生時には自動でガードマンが駆けつけます。さらに、スマートフォンを機器本体に近づけるだけで自動で警備の解除、外出時はワンタッチで警備を開始することができます。
また、屋外対応の防犯カメラ「HOME ALSOK Connect Eye」もご用意しています。
HOME ALSOK Connect Eyeは、Wi-Fi接続のため配線工事不要で、屋外でも屋内でも簡単に設置できます。アプリを通じてスマートフォンからリアルタイムの映像を確認できるほか、センサーが動きを検知するとお手持ちのスマートフォンにプッシュ通知が届きます。もしもの時にガードマンが駆けつけることも可能です。住宅や周辺の見守りとしても導入できます。
「HOME ALSOK Connect」「HOME ALSOK Connect Eye」どちらも戸建て住宅はもちろんのこと、集合住宅でも導入可能です。相談は無料、専門のアドバイザーがあなたのニーズにぴったりのプランをご提案いたします。ぜひ、お気軽にご相談ください。
窓の防犯には、ALSOKロックがおすすめです。ALSOKロックは、窓の防犯補助錠で、簡単に取り付けることができます。外部からは、補助錠の接着面に印刷された「ALSOKマーク」が見えるため、犯罪抑止が期待できます。
まとめ
空き巣の被害は、家を留守にすることが多い、平日に遭いやすいといわれています。中でも、休日が終わり、朝慌てたり気が緩んだりしていることが多い月曜日にもっとも被害が多いとされています。在宅の場合でも、家事をしている合間に侵入する居空きや、就寝中に侵入する忍び込みといった被害に遭う可能性もあります。そのため、住宅の窓や出入り口、などの防犯対策はもちろん、住宅全体のセキュリティ強化のできるホームセキュリティや屋外に設置できる防犯カメラを導入し、空き巣などの泥棒被害に遭わないよう対策しましょう。