ドライブレコーダーの駐車監視とは?ドアパンチや当て逃げから愛車を守ろう!

防犯 2024.02.29更新(2020.11.06公開)

駐車中に事故が起こってしまった場合、どのように対応すべきでしょうか。証拠として映像が録画されていれば、その後の対応をスムーズに行うことができます。そこで今回は、ドライブレコーダーの駐車監視について解説していきます。

目次

ドライブレコーダーの駐車監視機能とは

近年、駐車監視機能のついたドライブレコーダーを車に設置する方が増えています。ドライブレコーダーの駐車監視機能とは、走行中だけでなく、駐車中も周辺の状況を撮影・録画することができる機能のことです。
車のトラブルは、運転中だけではなく駐車中においても起こり得ます。自動車の中の現金や品物、積荷を盗む「車上ねらい」も多く発生しています。
神奈川県警が発表しているデータによると、神奈川県では令和4年の1年間で1,025件も車上ねらいが発生しています。神奈川県だけでも1日あたり約2.8件の車上ねらいが発生している計算になります。そのうちの30.2%が施錠された車で発生しており、69.8%が施錠されていない車で発生しています。

出典:自動車盗・車上ねらいの発生状況/神奈川県警察

千葉県においては、令和5年の車上ねらいの認知件数は、1,354件(令和5年12月暫定値)となっています。そのうちの施錠せずに被害に遭ったものは55.0%、施錠していて被害に遭ったものは45.0%でした。

出典:千葉県警察 車上ねらい発生分析(令和5年12月末 暫定値) | 車上ねらい発生分析

車上ねらいに遭うリスクを低減させるために、車の外から見える場所にかばんや貴重品を置かないようにすることが大切です。

常時録画とセンサー録画の違い。それぞれのメリット・デメリットは?

常時録画とセンサー録画の違い

ドライブレコーダーの駐車監視機能の録画形式には、駐車中も常に録画を続ける常時録画、車に衝撃が加わった場合に録画を開始する衝撃検知録画(Gセンサー録画)、人や車などの動きを感知して録画を開始する動体検知録画(モーションセンサー録画)があります。
これらには次のようなメリット・デメリットがあるため、目的に適したものを選びましょう。

常時録画のメリット・デメリット

常時録画の場合は、常に録画をしているため「大切なときに録画されていない」ということは原理的にほとんどないことがメリットです(故障のとき、電池・バッテリが切れたとき、上書き録画不可で記憶媒体の空き容量がなくなったときなどは、録画できなくなりますが、これは他の方式でも同様です)。
一方、デメリットとしては、常時記憶媒体にデータが書き込まれていくため、上書き録画不可の場合には、短期間で記録媒体の空き容量が無くなり録画がストップしてしまうこと、また、上書き録画の場合には、短期間で録画データが上書きされてしまうことがあげられます。
ドライブレコーダーの録画可能時間は、映像の画素数やデータ形式などによって変わってきますが、1920×1080のフルHDで1時間ほど録画するとなった場合、8GB程度が必要とされます。常時録画で保存期間を24時間と録画するのであれば、200GB以上のmicroSDを用意しておきましょう。

衝撃検知録画(Gセンサー録画)のメリット・デメリット

衝撃検知録画とは、衝撃を感知したときに録画が自動で開始する方式です。上書き録画の場合、常時録画と比較して、録画データが比較的長い期間にわたり上書きされず記憶媒体上に残ることがメリットです。一方で、大切な場面で録画できないリスクが高くなることがデメリットです。

動体検知録画(モーションセンサー録画)のメリット・デメリット

動体検知録画とは、画角内の動きを検知して録画が開始される方式です。上書き録画の場合、常時録画と比較して、録画データが比較的長い期間にわたり上書きされず記憶媒体上に残ることがメリットです。しかし、画角範囲外の動きでは反応しないなど、大切な場面で録画できないリスクが高くなることがデメリットです。

ドライブレコーダーの電源供給方式

ドライブレコーダーの電源供給方式

ドライブレコーダーへの給電方式には、アクセサリー電源から給電する方式とアクセサリー電源以外からの給電する方式があります。

アクセサリー電源(ACC電源)からの給電

カーナビやオーディオ、ドアミラーなどと一緒の配線を利用して給電させる方法です。アクセサリー電源からの給電は、駐車してエンジンを停止しているときは使えません。

アクセサリー電源(ACC電源)以外からの給電

ドライブレコーダーの駐車監視機能を利用するためは、駐車してエンジンを停止している状態でも録画できるように、アクセサリー電源以外の電源からの給電が必要となります。

ドラレコの内蔵バッテリーや外部バッテリーからの給電

駐車中は、ドラレコ本体に内蔵された電池(内蔵バッテリー)を利用する方式です。
また、外部バッテリーを利用できるタイプのドラレコもあります。外部バッテリーからの給電の場合、比較的長時間の駐車監視に対応できますが、ドラレコ本体と外部バッテリーの間の配線が必要になります。

車のバッテリーからの常時給電

駐車してエンジン停止となった後も車のバッテリーから給電する方式もあります。車のバッテリーから常時給電を行う場合、車のバッテリーが上がってしまうリスクが高くなる点に注意が必要です。

設置・配線の際の注意事項

ドラレコを設置する際は、いくつか注意点があります。
ドラレコは、国土交通省がフロントガラスへの設置を認めています。ただし、次の①~③のうち少なくともどれか1つを満たしている必要があります。

  1. フロントガラスの上面20%以内
  2. フロントガラスの下のラインから150mm以内
  3. バックミラーの裏側

そして、製造元・販売元の取扱い説明書に従って取り付けるようにしてください。
配線は誤った付け方をしてしまうと機器が故障したり、車のバッテリーが上がったりするなど、トラブルにつながります。業者にドライブレコーダーの取り付けを依頼することで、そういったリスクを低減させることができます。

【トラブル別】駐車監視機能の必要性

駐車場または周辺の治安が悪い場合は、ドライブレコーダーの駐車監視機能の必要性が高まります。万が一、駐車中に何らかのトラブルや犯罪被害に遭ったとしても、駐車監視機能で証拠を残しておけば、その後の警察による犯罪捜査、犯人の特定に役立ちます。
また、駐車監視機能が働いていることを車の外からでもわかるようすれば、トラブルや犯行を未然に防ぐ効果も期待できます。一般の人が立ち入り可能な集合駐車場に車を止めている場合や、乗っている車が高級車の場合などは犯罪やトラブルのリスクは高くなるので、ドラレコによる駐車監視機能を活用することをおすすめいたします。
駐車時において具体的にどのようなリスクがあるのか知っておくことが重要です。次に、駐車時に起こり得るさまざまなトラブルに説明いたします。

当て逃げ

駐車中、当て逃げの被害に遭うことがあります。当て逃げした人を特定するためには、ドライブレコーダーの映像が重要です。

ドアパンチ

ドアパンチとは、駐車中に開けたドアが隣の車にぶつかり、傷をつけてしまうことです。強風時にドアが大きく開いてしまったり、隣接の車を意識せずにドアを開けてしまったりなどの過失で発生してしまうことも多くあります。
車上荒らしなどとは違い、ドアパンチはちょっとしたミスでも発生することがあり、誰もが被害者にも加害者にもなる可能性があると言えるでしょう。ドアパンチは交通事故として扱われ、自分がドアパンチをしてそのまま立ち去ると「当て逃げ」という犯罪になることから、被害の大小に関わらず、警察に連絡して物損事故として対応してもらいましょう。被害を受けたドライバーが近くにいれば、まず直接謝罪を行います。
被害を受けたドライバーから「示談でよい」と言ってきた場合も、後日のトラブル(高額の修理代の請求、言いがかりなど)を防ぐために警察へ連絡を行うことをおすすめします。悪意があってぶつけたわけでなくても、誠意をもって謝罪し、警察に連絡しましょう。

自分がドアパンチの被害に遭ったとき、警察へ連絡し事故として処理しておけば、加害者がその後出頭してきた場合に警察から連絡が入ります。加害者の行方が分からず、その後も加害者が名乗り出てこなかった場合、ドライブレコーダーなどの記録がなければ加害者の特定は一般的に非常に困難です。車にドライブレコーダーが備えられており映像が記録されている場合は、警察に証拠として提出しましょう。ドライブレコーダーの映像記録からドアパンチの加害者が特定されることも少なくありません。

イタズラ

駐車中の車へのイタズラにも注意が必要です。コインや石などで車体を傷つけられたり、タイヤに釘を刺されたりなど、悪質な犯行も少なくありません。このようなイタズラの犯人の特定には、駐車監視機能を持つドライブレコーダーや防犯カメラが役に立ちます。

車上ねらい(車上あらし)

車上ねらいも駐車中に被害に遭う犯罪の1つです。車両パーツや車内の私物・貴重品などが盗まれることがあります。車上荒らしは大胆で目立つ犯行であり、駐車監視機能や防犯カメラの存在が大きな抑止力となるでしょう。

駐車監視機能付きドライブレコーダーの選び方

ここまでは駐車監視機能がどういったものであるかと、その必要性について解説してきました。ここからは駐車監視機能付きドライブレコーダーを選ぶポイントを5つ紹介します。

事故対策には相手の車のナンバーが読み取れる画質のものを選ぶ

事故の証拠としてドライブレコーダーを使うときは、相手の車のナンバーを認識する必要があります。録画した相手の車のナンバーが認識不可能という事態を防ぐためにも、ある程度高画質なものを選びましょう。画質が1920×1080(フルHD)以上だと安心です。

前方だけではなく広範囲を撮影できるものを選ぶ

ドライブレコーダーの視野角(録画範囲)に注意しましょう。広範囲を録画できるものが望ましいと言えます。

LED信号機に対応しているものを選ぶ

LED信号機は人の目には捉えないほどの速さで点滅を繰り返していて、東日本では1秒間に100回、西日本では1秒間に120回点滅しています。一方、ドライブレコーダーで記録された動画についても、1秒間の動画は何枚かの画像から構成されているため、LED信号を撮影した動画を見るとLED信号機が点灯していないように見えることがあります。このため、ドライブレコーダーの購入は、フレームレート(※)を確認してLED信号機に対応している機種(フレームレート27.5fps、29.1fpsなど)を選ぶようにしましょう。

※注:フレームレートは、1秒間の動画が何枚の画像から構成されているかを示すもの。単位は「fps」。

録画容量が大きいものを選ぶ

録画容量が小さい場合、比較的最近のデータが上書きされて失われてしまったり、または、短期間ですべての容量を使い切って記録が止まってしまったりすることがあります。重要な録画データが上書きされてしまったとか、肝心なときに記録が止まっていたとかいうことがないように録画容量は大きいものを選ぶことをおすすめします。

GPSや音声録音など記録機能付きのものを選ぶ

GPSがついていると、どこでトラブルが起こったのかを正確に特定することができます。また、音声も録音できると周囲の状況や事故前のクラクションなど、音声から状況判断することができるため、音声録音機能も備わっていることが望ましいと言えます。

自宅駐車時の防犯対策には監視カメラの活用も

自宅に駐車しているときに犯罪被害に遭うこともあります。ご自宅の駐車場に防犯カメラを導入することで、防犯効果をより高めることができます。しっかりと車を見守りたいという方には、防犯カメラの設置をおすすめいたします。

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