ゴミの不法投棄対策には防犯カメラを!不法投棄されやすい場所や対処法
不法投棄は、空き地や駐車場、個人宅の敷地内などさまざまな場所で日々発生しています。もし自宅の敷地内に不法投棄された場合、犯人が見つからなければ自分で廃棄物を処理しなければなりません。このような不法投棄の被害を防ぐためには、防犯カメラの設置が有効です。防犯カメラは不法投棄の現場を記録するだけでなく、犯罪の抑止力としても効果を発揮します。
本コラムでは、ゴミの不法投棄対策や不法投棄されやすい場所の特徴、おすすめの防犯カメラについて解説します。
目次
不法投棄とは?科される罰則について
不法投棄とは、法律で定められた処分場以外の場所に、廃棄物を投棄する行為のことです。
アパートや道路沿いのゴミ収集場に、ゴミ処理券が貼られていない粗大ゴミが放置されているのを見かけたことはないでしょうか。また、家庭ゴミや粗大ゴミを自分の私有地に投棄された経験がある、という人もいることでしょう。これらはすべて不法投棄にあたります。
最近問題になっている不法投棄のなかには、引越しの際に近所のゴミ収集場や建物の隙間、駐車場、空き地などに不用品を投棄して立ち去ってしまうといったケースもあります。
不法投棄の罰則は5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金
個人が不法投棄をした場合、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)違反として、5年以下の懲役か1,000万円以下の罰金、またはその両方の罰則が科せられます。
(廃棄物処理法第25条第1項第14号)[注1]
不法投棄をした本人は、「ここに置いておけば誰かが処分してくれるだろう」「業者を呼ぶ時間がないからここに捨ててしまおう」と軽い気持ちでゴミを捨てただけかもしれません。しかし、不法投棄に対する処罰は想像以上に重いものです。たとえ故意ではない、または未遂であっても処罰される場合があります。
[注1]電子政府の総合窓口 e-Gov:廃棄物の処理及び清掃に関する法律
不法投棄の発生状況
環境省の調査によると、10t以上の大量の廃棄物や、爆発性、毒性を有する廃棄物など、特に悪質な不法投棄の件数・投棄量はピーク時の平成10年代前半に比べて大幅に減少しています。しかし、令和4年度で年間134件、総量4.9万トン(5,000トン以上の大規模事案3件、計1.7万トン含む)もの不法投棄が新規に発覚しており、いまだに後を絶たない状況です。
年度 | 不法投棄件数 | 不法投棄量(万トン) |
---|---|---|
平成10年度 | 1,197 | 42.4 |
平成15年度 | 894 | 74.5 |
平成20年度 | 308 | 20.3 |
平成25年度 | 159 | 2.9 |
平成30年度 | 155 | 15.7 |
令和元年度 | 151 | 7.6 |
令和2年度 | 139 | 5.1 |
令和3年度 | 107 | 2.2 |
令和4年度 | 134 | 4.9 |
不法投棄されやすい場所の特徴
下記のような場所は不法投棄されやすいため注意が必要です。
不法投棄への対処がされていない
不法投棄されたゴミが処分されていなかったり、雑草が生い茂ったまま放置されていたりする場所は、管理が行き届いていないと思われてさらに不法投棄される可能性があります。
また、人が不在の時間が長い資材置き場なども不法投棄が発生しやすい場所です。全国の自治体では、資材置き場として貸し出した土地に産業廃棄物やゴミを不法投棄される事例が発生しています。
人目が少ない
不法投棄は違法行為であり、見つかった場合は重い罰則を科される可能性があります。そのため、人目が少ない場所で行われるのが一般的です。奥まった場所や囲いがない場所、空き家などは被害に遭いやすい傾向があります。また、山間部などの人通りが少ない場所でも不法投棄が多く発生しています。
ゴミを運びやすい
不法投棄をする場合、多くがトラックや自家用車などでゴミを運び込みます。そのため、道路に面した場所や柵・囲いがない土地などは、車両の出入りがしやすいことから不法投棄がされやすい傾向にあります。見通しが良く人目につきやすい場所でも、深夜に忍び込まれて不法投棄をされる可能性があるため注意しましょう。
もし自宅が上記のような特徴に当てはまる場合は、人目につかずに侵入されやすいことから、不法投棄だけでなく空き巣などの犯罪被害に遭うおそれもあります。自宅の安全を守るには、ホームセキュリティの導入をおすすめします。
不法投棄された現場を目撃した際の対処法
不法投棄の現場を目撃した場合は、廃棄物の大小に関わらず、速やかに最寄りの警察署生活安全課に連絡してください。トラブルに発展する可能性があるため、現場で注意するのは控えましょう。可能であれば、不法投棄をした人の特徴や風貌、車種やナンバーを控え、警察に伝えてください。投棄された廃棄物は、証拠品としてそのままにしておきます。危険物の可能性もあるため、むやみに触ったり、移動させたりはしないでください。不法投棄された廃棄物を発見した場合も同様です。
不法投棄を自分の私有地にされた時は警察に通報
自宅の庭や駐車場など、自分の私有地に不法投棄されてしまった場合も、廃棄物は投棄された状態のままにしておき、速やかに警察に通報してください。もし不法投棄している場面に遭遇しても、トラブルを避けるため注意や声をかけるのは控えた方が良いでしょう。
警察への通報が済んだら、自治体への連絡も忘れずに行ってください。廃棄物処理法第5条第2項には、土地の所有者または占有者が所有地への不法投棄を発見した場合、速やかに自治体へ通報するように努めなければならないと定められています。[注2]
この規定はあくまで「努力義務」であり、通報しないからといって罰則を受けるわけではありません。しかし、2010年の廃棄物処理法改正により、立入検査と報告徴収の対象として、不法投棄された土地の所有者も含まれるようになりました。[注3]
不法投棄を発見したにも関わらず通報をしなければ、「不法投棄を黙認した、または関与しているおそれがある」として、行政の事情聴取対象になる可能性があります。
[注2]電子政府の総合窓口 e-Gov:廃棄物の処理及び清掃に関する法律
[注3]環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部 産業廃棄物課:廃棄物処理法の改正について
発見された不法投棄物などの処理は土地の所有者が行う
不法投棄をした人を特定できれば、警察に告発することが可能です。主張が認められると、不法投棄をした人に対して廃棄物の処理や廃棄場所の清掃を行うよう、警察から指導がなされます。
不法投棄をした人が特定できなかった場合、投棄場所が国、または地方公共団体の管理する公共用地であれば、管理している市や区などが撤去作業を行います。
しかし、私有地に不法投棄された場合は、基本的に自治体が関与することはありません。管理責任はあくまで土地の所有者にあるため、その土地の所有者や管理者が廃棄物を処理する必要があります。
なお、環境センターで処理ができず、処理費用がかかる廃棄物に関しては、地区長と市の環境政策課で協議のもと処理が行われます。
ゴミの不法投棄対策には防犯カメラが効果的
私有地に不法投棄された場合、不法投棄した人が見つからなければ土地の所有者や管理者が自費で処理をしなければなりません。廃棄物の量や種類によっては、まとまった処理費用がかかることもあるため、日頃から不法投棄対策を講じておく必要があります。
不法投棄対策としては次の3つが効果的です。
- 敷地の周囲にバリケードや柵、ロープを張って侵入できないようにする
- 私有地の定期的な見回りや手入れ(草刈り・清掃)を行う
- 防犯カメラやセンサーライトを設置する
特に防犯カメラの設置は、不法投棄だけでなく空き巣や居空きなど、さまざまな犯罪の抑止に効果的な対策です。
防犯カメラは赤外線付きがおすすめ
不法投棄をする人の多くは、自分が「悪いことをしている」という自覚があります。そのため、不法投棄しようとした場所に防犯カメラがあるだけでその場所を避ける傾向があります。防犯カメラを設置したら、不法投棄をする人へ知らせるために「防犯カメラ作動中」のステッカーを目に留まる場所に貼るようにしましょう。
また、万が一不法投棄された場合でも、防犯カメラが作動していれば不法投棄の現場を捉えることができ、警察に証拠として録画データを提出できます。
なお、不法投棄は人目の少ない夜間に行われることが多いです。暗い場所でも不法投棄の瞬間をはっきりと撮影できるよう、赤外線付きの防犯カメラをおすすめします。
防犯カメラを設置して不法投棄被害を未然に防ごう
「防犯カメラを設置したいけど、大がかりな工事はしたくない」という場合は、ALSOKの屋外対応無線式カメラ「HOME ALSOK Connect Eye」がおすすめです。HOME ALSOK Connect Eyeは、Wi-Fi接続のため配線工事不要で、屋外・屋内を問わず簡単に設置できます。
アプリを通じてスマートフォンからリアルタイムの映像を確認できるほか、センサーが動きを検知するとお手持ちのスマートフォンにプッシュ通知が届きます。もしもの時にガードマンが駆けつける(有償オプション)ことも可能です。不法投棄対策にはもちろん、空き巣対策としても導入できます。
また、不法投棄場所になりやすい空き家には、防犯カメラ設置のほか、「HOME ALSOK るすたくサービス」の導入もおすすめです。
るすたくサービスでは、空き家となってしまったご実家や長期不在の自宅、普段人がいない別荘などに対し、月に1回、確認と見回りを行います。郵便物の回収・整頓も行いますので、管理だけでなく防犯面でも安心です。
空き家の不法投棄対策に、ぜひHOME ALSOKるすたくサービスをご活用ください。
まとめ
不法投棄は、法律で定められた処分場以外の場所に廃棄物を投棄する行為であり、重い罰則が科される犯罪です。大規模な不法投棄の件数は減少しているものの、管理が行き届いていない場所や人目につきにくい場所では、不法投棄がいまだに後を絶ちません。
もし自分の私有地に不法投棄された場合、犯人が特定されなければ、投棄された側に廃棄物を処理する責任があります。他人が不法投棄した廃棄物を、貴重な時間とお金を使って撤去するのは心理的にも負担になります。私有地の駐車場や空き家などには防犯カメラを設置することで、不法投棄対策を行いましょう。
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