焼き破りには防犯ガラスで対策!こじ破りや打ち破りとの違いも解説

ガラス 2024.12.27更新(2020.11.13公開)
焼き破りには防犯ガラスで対策!こじ破りや打ち破りとの違いも解説

侵入窃盗全体の認知件数はピーク時と比較すると減少傾向にありますが、「空き巣」は依然として年に1万件以上発生しており、注意が必要です。令和5年の刑法犯に関する統計資料によると、空き巣の認知件数は 11,842件で、侵入窃盗全体の約26.8%を占めています。[注1]そして、空き巣の手口として広がりをみせているのが、「焼き破り」と呼ばれる手法です。空き巣をはじめとした侵入窃盗から住まいを守るためには、焼き破り対策が必要不可欠です。

この記事では、焼き破りの具体的な手口や、対策として有効とされる防犯ガラスや防犯フィルムについて解説します。

[注1]警察庁「令和5年の刑法犯に関する統計資料」

目次

焼き破りとは?ほかの空き巣の手口との5つの違い

焼き破りの手口

「焼き破り」とは、空き巣の手口の一種で、バーナーやライターで窓ガラスを熱する侵入手口です。熱した窓ガラスを水やスプレーで瞬間冷却することで、薄いフロートガラス(FLガラス)なら10~20秒ほどで破ることができます。その手軽さや侵入までの時間の短さから、近年焼き破りによる住宅侵入窃盗が急増しています。

まずは、従来から使われてきた手口との5つの違いを見てみましょう。

ガラスを破る際に音が出ない

ハンマー・バール・ドライバーといった工具を使い、窓ガラスを叩いて破壊する「打ち破り」などの手口は、ガラスが割れる際に破壊音が発生します。しかし、焼き破りは窓ガラスをあらかじめ熱するため、ガラスが割れる際の音がほとんど出ません。焼き破りは周囲に気づかれにくい手口であり、泥棒や空き巣が好む要因の1つとなっています。

短時間で家屋に侵入できる

焼き破りは、短時間で窓ガラスを破ることが可能です。トーチバーナーと瞬間冷却スプレーを使った事例では、バーナーで熱するのに10秒、スプレーで急速冷却するのに5秒、合計15秒ほどで焼き破りに成功しています。冷却を行わず、バーナーで炎を当てるだけでも、一般的な窓ガラスなら20秒もあれば破ることが可能です。

簡単に道具を入手できる

焼き破りには、特殊な道具や工具は必要ありません。ホームセンターで販売されているライター、ガスバーナー、トーチバーナーがあれば十分です。ライターやバーナーは携帯性が高く、服やバッグに隠して持ち歩くことも容易です。

特殊な技能が必要ない

従来、空き巣が好んで使ってきたのが、特殊用具で鍵をこじ開ける「ピッキング」や、穴や隙間から道具を差し込んでツマミ(サムターン)を回す「サムターン回し」でした。しかし、ピッキングやサムターン回しは、専用の工具が必要なだけでなく、特殊な技能が求められます。他方、焼き破りはバーナーで熱するだけでよいため、ピッキングやサムターン回しができない空き巣でも簡単に家屋へ侵入できます。

強い力が必要ない

ガラスに小さな穴をあけ、そこから指を入れてクレセント錠を解錠する「こじ破り(三角割り)」という手口があります。この侵入手口は、音が立ちにくく静かに侵入できますが、穴をあける際に力を必要とします。一方で、焼き破りは熱して窓ガラスを破ることから、侵入するのに強い力が必要ない点も、空き巣に悪用されている理由の1つです。

窓ガラスの「焼き破り」は近年再び増加傾向にある

住宅における窓ガラスの「焼き破り」の認知件数

出典:警察庁「年間の犯罪」

住宅における窓ガラスの焼き破り(焼切り)の認知件数は、令和3年まで減少傾向が続いていました。しかし、令和4年には増加に転じており、翌年の令和5年の認知件数は696件で、前年からおよそ3倍に増えています。窓からの侵入全体の認知件数は4,942件だったので、全体に占める割合は決して高くはないものの、焼き破りは他の手口に比べて増加傾向が特に著しく、急速に広まっている手口だといえます。
近年、SNSの闇バイトを通じた強盗事件や空き巣事件が多発しています。闇バイトによる強盗は、侵入に慣れていないこともあり、力や技術を必要としない焼き破りの手口を使って侵入を試みることもあるようです。

侵入経路の観点では、令和5年に発生した住宅への侵入窃盗のうち、侵入口が「窓」であったものは49.5%でした。この内訳は「居室」の窓が狙われたケースが22.8%、「縁側・ベランダ」の窓が17.5%、トイレや浴室などの「その他」の窓が9.3%となっています。[注2]

侵入手段のデータを見ると、焼き破りや打ち破りなどの窓ガラスを割って侵入する「ガラス破り」が大きな割合を占めています。令和5年に一戸建て住宅で発生した侵入窃盗の被害のうち、35.8%がガラス破りによるものです。3階建以下の低層階の共同住宅でも18.5%がガラス破りの被害に遭っています。なお、4階建以上の中高層住宅も油断できず、侵入手口の10.2%がガラス破りとなっています。[注3]屋上や非常階段からベランダに入られるケースなどもあり、中高層住宅でも窓ガラスの防犯対策が必要だといえます。

このように、住まいの防犯対策を考えるうえで窓ガラスは重要なポイントであり、窓ガラスの防犯を強化するには昨今増加している焼き破りへの対策が欠かせません。

[注2]警察庁:令和5年の犯罪
[注3]警察庁:住まいる防犯110番

焼き破りを防げない窓ガラスの種類

住宅で使われている窓ガラスの種類によっては、焼き破りを防げないものもあります。ここでは、防犯目的のガラスだと誤解されがちな窓ガラスの種類を解説します。

ペアガラス(複層ガラス)

2枚のガラスと、空気層で構成される窓のことをペアガラス(複層ガラス)といい、主に断熱目的に用いられます。ガラスが1枚の窓(単板ガラス)と比較して断熱効果は高いものの、1枚ごとのガラスは薄いため、防犯効果は期待できないといわれています。

網入りガラス

金属のワイヤーが封入されたガラスを使用した窓を網入りガラスといい、主に防火目的や破損時の飛散防止目的に用いられます。網入りガラスは耐熱性が高いものの衝撃に弱く、温度差にも弱いため、バーナーなどでヒビが入ってしまえば簡単に穴をあけて侵入される可能性があります。

防犯ガラスで焼き破りが対策できる2つの理由

防犯ガラス設置で焼き破り対策

窓ガラスの焼き破り対策に有効なのが「防犯ガラス」と「防犯フィルム」です。続いては、防犯ガラスや防犯フィルムがなぜ焼き破り対策になるのか、2つの理由をご紹介します。

侵入までの時間を稼ぐことができる

防犯ガラスや防犯フィルムの設置によって、犯人が侵入するまでの時間を稼ぐことができます。多くの侵入犯は、侵入に手間取ると犯行をあきらめる傾向にあります。

都市防犯研究センターの調べによると、侵入窃盗の前歴がある元泥棒のうち、侵入をあきらめるまでの時間が「2分以内」と回答した者は約17%、「2分を越えて5分以内」と回答した者は約51%でした。[注4]

つまり、窓ガラスが破られるまでに「5分間」の時間を稼ぐことができれば、7割近くの侵入被害を防ぐことができます。一般的なペアガラスを防犯ガラスに交換したり、窓ガラスに耐熱性の高い防犯フィルムを貼ったりして、空き巣の侵入から「5分間」の時間を稼ぐことを目指しましょう。

防犯ガラスや防犯フィルムを選ぶ際は、「CPマーク」の有無を目安にするのがおすすめです。CPマークは、実証実験において泥棒の侵入攻撃に5分間以上耐えることができた製品に付与される目印です。

[注4]警察庁:住まいる防犯110番

防犯対策の高さをアピールし、標的になるのを避けられる

空き巣は、犯行直前に入念な下見を行います。事前に住宅周辺をうろつき、侵入しやすい家かどうかなどをチェックしています。CPマークの認定を受けた防犯ガラスや防犯フィルムを設置することで、下見の際に防犯意識の高さをアピールでき、自宅が標的にされるのを未然に防ぐことが期待できます。

防犯ガラス以外でできる焼き破り対策

焼き破り対策は防犯ガラスだけではありません。ここでは、防犯ガラス以外でできる焼き破り対策をご紹介します。

窓にシャッターや面格子を設置する

シャッターや面格子が設置されていると、犯人はガラスを破る前にシャッターや面格子を取り除く必要があります。シャッターや面格子を壊そうとすると大きな音が出たり、時間がかかったりするため、侵入をあきらめるきっかけになるでしょう。シャッターや面格子の利用は、防犯性能の向上に効果的です。

補助錠を取り付ける

焼き破り対策には補助錠の設置も有効です。焼き破りで侵入する場合、クレセント錠の近くのガラスを焼いて穴をあけ、手を室内に入れて解錠します。この際、窓に補助錠が設置されていれば、クレセント錠だけでは解錠できないため、簡単には侵入できず、犯行を防止できます。

窓用の防犯ブザーを設置する

不審者が窓を開けたり、割ったりしたときに、アラームが鳴る窓用の防犯ブザーがあります。焼き破りは、ガラスが割れたときの音が小さいため、犯行に気づきにくい特徴がありますが、窓用の防犯ブザーを設置することで、不審者に犯行を断念させる効果が期待できます。

センサーライトや防犯カメラを設置する

夜間は犯行が人目につきにくいこともあり、侵入のリスクが高まります。侵入経路となる場所にセンサーライトを設置しておけば、人に反応して点灯するため、人目を嫌う犯人の侵入を防ぐ効果が期待できます。また、防犯カメラはセンサーライトと同様に犯行抑止につながるほか、万一侵入された場合にも、映像を侵入窃盗の証拠として役立てることができるため、防犯対策におすすめです。

焼き破りによる侵入被害を防ぐにはホームセキュリティの導入もおすすめ

上記の対策に加え、焼き破りをはじめとしたさまざまな手口による侵入被害の抑止効果が期待できるのが、ホームセキュリティの導入です。

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防犯ガラスに交換して「焼き破り」の対策を

侵入窃盗の手口で再び急増しているのが、窓ガラスをライターやバーナーで熱して割る焼き破りです。住まいの防犯対策の最重要ポイントである「窓」を守るためには、防犯ガラスへの取り替えや、防犯フィルムの貼り付けが効果的です。空き巣をはじめとした住まいのトラブルを避けるため、窓ガラスの防犯対策を実施しましょう。

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