自転車が盗まれた!盗難届(被害届)を出してから見つかるまでの流れ
警察庁の調べによると、令和4年中(2022年)の自転車盗の認知件数は128,883件でした。
平成29年度(2017年)の調査と比べて、認知件数は約37%減少していますが、依然として10万件以上の盗難が発生しています。
自転車盗を始めとして、盗難や窃盗の被害に遭ってしまった場合、まず何をすればよいのでしょうか。
また、日頃からどのような防犯対策をすればよいのでしょうか。
この記事では、自転車などを盗まれた際の盗難届(被害届)の出し方や、盗難物が見つかるまでの流れを解説します。
目次
自転車の盗難に遭ったときに確認すべき2つのポイント
もし自転車の盗難被害に遭ったら、そのままにせず最寄りの警察署に相談し、「盗難届(被害届)」を提出しましょう。
盗難届とは、「遺失届」と違い、事件性が疑われる場合に提出する書類です。
盗難届(被害届)を提出することで、自転車を「盗難自転車」として全国的に手配してもらえます。自転車の盗難・紛失に気づいた段階で、2つのことを確認する必要があります。
盗難被害に遭った日時・場所・状況を記録しましょう
まずは、盗難被害に遭った日付や場所、その場の具体的な状況を記録しましょう。
警察署で盗難届(被害届)を作成する際、日時・場所・状況の3つを記入する必要があります。
盗難物を見つけるためには、現場の正確な情報が必要です。
時間が経つと忘れてしまう可能性があるため、盗難の疑いがある段階で日時・場所・状況の3点を記録しておきましょう。
防犯登録番号の書類があるか確認しましょう
盗まれた自転車を見つけるには、車体を特定できる情報が必要です。
そのためには、車体の色や形状、自転車メーカー、購入価格、購入日、車体番号といった情報が役立つほか、「防犯登録番号」の確認が重要です。
防犯登録番号とは、指定の自転車販売店(自転車防犯登録所)で自転車を購入し、防犯登録を行った時に付与される番号です。
3桁の県コード、2桁の警察署コード、7桁の固有の登録番号からなる12桁の番号で、防犯登録の際にもらえる「自転車防犯登録甲カード」で確認できます。
もし自転車防犯登録甲カードを紛失してしまった場合は、防犯登録を行った自転車販売店(自転車防犯登録所)に問い合わせましょう。
お金がかかるからといって防犯登録をしないでいると、万が一の際に自転車を見つけられなくなります。
まだ自転車の防犯登録をしていない方は、必ず最寄りの自転車販売店(自転車防犯登録所)で手続きをしましょう。
防犯登録番号の調べ方
自転車が盗難被害に遭ったときは、自転車の防犯登録番号が必要となります。
しかし、防犯登録シールが自転車に貼られている以上、自転車を参考にすることができません。
自転車の防犯登録番号は、下記を調べることで知ることができます。
- 自転車を購入した際についてきた書類
- 防犯登録カード
- 購入店舗に問い合わせる
自転車を購入した際についてきた書類のなかには、「自転車品質保証書」と呼ばれるものがあります。こちらにはモデル名やサイズ、色、購入日といった、その自転車に関するさまざまな情報が記載されています。
自転車品質保証書のなかには防犯登録番号の記載欄があることから、こちらの書類を確認することで知ることができます。
また、防犯登録カードは購入時に防犯登録を行った際に受け取れるもので、登録番号やメーカーなどが記載されています。
どうしても書類が見つからない場合、購入店舗に問い合わせることで知ることができます。
盗難届(被害届)を出してから見つかるまでの流れ
こちらでは、盗難届(被害届)を出してから見つかるまでの流れをご紹介します。
必要書類を持って最寄りの警察署へ
「盗難被害に遭った日時・場所・状況」と「防犯登録番号」の2点を把握したら、すぐに最寄りの警察署・交番・駐在所に向かいましょう。
物品が盗難被害に遭った場合は、所轄の警察署刑事課に盗難届(被害届)を提出します。
印鑑・身分証明書・防犯登録カードの3点を持参し、最寄りの警察署や交番で盗難被害に遭ったことを伝えましょう。
もし警察署や交番に直接出向く時間がない場合は、電話で盗難被害を知らせることも可能です。
盗難届を記入(所要時間は15分ほど)
盗難届の記入作業は15分程度で完了します。
盗難届の書類を出してもらえますので、氏名、住所、年齢、職業、電話番号、自転車の車体の特徴、被害に遭った際の状況などを記入します。
現場の確認(場合によって)
その後、警察の方からのヒアリングが行われますので、盗難届に記載した内容に基づき、質問に回答します。
場合によっては、盗難現場への案内を求められ、警察官による現場確認が行われるケースもあります。
盗難届出証明書
盗難届の作成が終わったら、「盗難届出証明書」が発行されます。
この盗難届出証明書は被害届が受理されたことを証明するもので、盗難保険を利用する場合に使える書類です。
盗難保険に入っておくと、自転車が盗まれてしまった場合に被る損害が補償されます。
保険会社によってはタイヤやサドルなどのパーツまで補償してくれる場合もあります。
発見されたら警察から直接連絡がくる
盗難届が受理された段階で、盗難された物品が警察署のデータベースに登録され、全国の警察署に情報が共有されます。
もし警察によって自転車が発見されたら、盗難届に記載した電話番号に警察から電話がかかってきます。
指定の保管所に向かい、自転車を受け取りに行きましょう。
また、盗難自転車が自転車整理により撤去されていた場合、あらかじめ盗難届を出していれば、撤去保管料の支払いが免除される場合があることも覚えておきましょう。
盗難届を出さないとどうなる?
盗難届を出さないと盗難に遭った事実が証明できないため、その自転車が関わるトラブルの責任を所有者が負うことになりかねません。
たとえば、犯人が盗難した自転車で事故を起こしたり犯罪に利用したりした場合に当事者として責任を負わされるリスクがあるため、その日のうちに盗難届を出すことをおすすめします。
また、犯人が自転車を乗り捨てて回収されていたら、保管所へ自転車を取りに行って撤去・保管の手数料を支払わなければなりません。
事前に盗難届を出していれば撤去保管料が免除される場合があります。
もし自転車を盗まれたら、その自転車が手元に戻ってこなくても良いという場合でも盗難届を出しておいた方が良いでしょう。
盗難被害に遭わないための3つの対策
自転車の盗難被害に遭わないため、日頃からどのような防犯対策をすれば良いのでしょうか。
ここでは、盗難被害を未然に防ぐ3つの方法を解説します。
なるべく人目につく駐輪場に駐輪しましょう
自転車を駐輪するときは、なるべく人目につく駐輪場を選びましょう。
人気のない場所ほど犯行が行われやすくなります。
そのため、専用のロック装置がついている駐車場だからといって安心できません。
警察庁の調べによると、2022年に発生した自転車盗のうち、約17%が「駐車場・駐輪場」内で発生しています。[注1]
人気のない路地裏や、塀・生け垣の死角になっているような駐輪場は避け、人目につく場所に駐輪しましょう。
[注1]警察庁:「令和4年の刑法犯に関する統計資料」
補助錠を使えばさらに防犯効果が高まる
自転車本体の鍵だけでなく、U字ロック、ブレードロック、ジョイントワイヤー錠などの補助錠を使うことで、さらに防犯効果が高められます。
鍵を複数つけることで、鍵を壊されるまでの時間がかかり、犯人が窃盗を諦める可能性が高まります。
また、鍵が複数ある自転車は、そもそも犯人がターゲットに選ぶ確率が減少します。
自転車を駐輪する場合は、わずかな時間であっても、必ず本体の鍵と補助錠でダブルロックしましょう。
二重に鍵をかけることで、自転車盗の被害に遭うリスクを大きく減らせます。
自宅の駐車場・駐輪場に防犯カメラ・人感センサーの設置を
警察庁の調べによると、2022年に発生した自転車盗の発生場所で、最も多かったのが「住宅(約39%)」でした。
「駐車場・駐輪場(約17%)」「道路上(約12%)」「駅(約9%)」よりも発生件数が多く、自転車盗難対策の重要ポイントとなっています。[注1]
防犯カメラの設置は、自転車盗難防止の効果が高い対策です。ALSOKは、高機能で信頼性の高い多彩なカメラを用意しております。また、ALSOKのデータセンターで、ご契約先の映像を保管するサービスも提供しており、自宅や外出先からパソコン・スマートフォンなどで現場の状況を確認することも可能です。
ALSOKの「防犯カメラ・監視カメラサービス」について、ぜひご検討ください。
「屋外にセキュリティカメラを設置したいが、大がかりな工事はしたくない」と思われる方も多いと思います。
ALSOKのネットワークカメラ「HOME ALSOK Connect Eye」なら、面倒な設定・配線工事は一切不要でお手軽に「安全・安心」を実現することが可能です。
HOME ALSOK Connect Eyeは、バッテリー駆動かつWi-Fi接続により、電源・ネットワークの配線工事が不要となっております。
専用アプリをインストールすれば外出先からライブ映像を確認することができ、また、もしものときにALSOKへ依頼すればガードマン(警備員)が駆けつけます。
また、自転車を盗もうとする犯罪者は、明るい場所や人目に付く場所を嫌う傾向にあります。
駐車場・駐輪場にセンサーライトを設置することで、人物などに反応し、自動的にライトが点灯するようになるため、防犯対策になります。
[注1]警察庁:「令和4年の刑法犯に関する統計資料」
自宅の駐輪場に防犯カメラを設置するメリット
自宅の駐輪場に防犯カメラを設置することで得られるメリットは以下のとおりです。
- 犯罪の発生を未然に防ぐことができる
- 犯罪が発生した際に記録情報として活用することができる
これらのメリットはお互いに作用しているもので、記録に残ることから犯罪を防ぐことができるともいえます。
日中やお出かけなどで家を空けるときは、窃盗が発生しやすい状況であることから、不安に感じる方がいらっしゃることでしょう。
そのような状況でも、24時間365日の監視が可能である監視カメラが有効に作用します。
防犯カメラの選び方
防犯カメラを設置する際は、下記のポイントを検討して選びましょう。
- 窃盗対策なのか、乳幼児や高齢者の見守りなのかといった「目的」
- 庭先なのか、屋根の下なのかなどの「設置場所」
- SDカードなのか、HDDなのかといった「データの保存方法」
- 価格
防犯カメラをガードマンの駆けつけサービスがあるホームセキュリティと組み合わせることで、より安心な防犯対策となります。
警察から連絡がくる前に見つかったら?盗難届の取り下げを
もし警察から連絡がくる前に自力で自転車を発見した場合、まず何をすれば良いのでしょうか。
乗り捨てられた自転車の付近に犯人がまだいるかもしれないため、なるべく自転車を動かさず、最寄りの警察署に連絡するのがベストです。
また、すでに盗難届を出している場合は、盗難届の取り下げが必要です。
取り下げをしないまま自転車に乗っていると、職務質問などを受けた際、事実確認のために余分な手間がかかります。
盗難届の取り下げに必要なのは本人確認ができるものと印鑑であり、念のため受理書も持っていくとよいでしょう。
手続き自体は10分程度で完了します。最寄りの警察署に行き、取り下げ手続きの書類に押印して完了です。
自転車が盗まれたら盗難届を出そう!日頃からの防犯対策も重要
上述でもお伝えした通り、もし自転車が盗まれたら印鑑・身分証明書・防犯登録カードの3点を持参し、最寄りの警察署で盗難届を出しましょう。盗難被害に遭わないためには、日頃からの防犯対策も重要です。特に効果的なのが「防犯カメラ」です。
防犯カメラで、自転車の盗難を防ぐとともに、住まいの安全を守りましょう。