防犯対策は庭から!空き巣に不法侵入されない庭造りのポイント
庭が持つ役割は、景観を保つことだけではありません。庭の造り方次第では、大切な自宅を空き巣や泥棒から守る防犯対策としても役立ちます。しかし、せっかく庭付きの家に住んでいたとしても、侵入しやすい造りになっていては本末転倒です。
そこで今回は、空き巣が嫌がる庭の造り方について解説します。
目次
空き巣が好む&嫌がる庭の4つの特徴
警察庁の調査によると、住宅を対象とした侵入窃盗の認知件数は令和5年の1年間で18,379件となっており、1日あたり約50件発生している計算になります。令和4年は、16,524件だったことから、1年で侵入窃盗被害が2万件近く増えていることがわかります。
空き巣は侵入できる家があるかどうか、下見をしてから犯行に及ぶケースが多いとされます。特に、庭は侵入の際に通ることが多いため、空き巣にチェックされる可能性の高い場所です。そこでここでは、空き巣が好む庭と嫌がる庭の特徴を解説します。
庭木や雑草の有無
庭木や雑草の有無は、空き巣が侵入しやすい家かどうかを見極めるポイントの1つです。家の庭に雑草が生えっぱなしだったり、庭木が全く手入れされておらず荒れ放題だったりした場合、空き巣は「侵入しやすい家」とみなします。なぜなら、手入れがされていない庭は「住まいの環境に気を配っていない=防犯意識が低い」「庭が散らかっている=力仕事ができる人がいない」という印象を与えるためです。
また、伸びきった庭木を放置していると、陰を作ってしまい、空き巣が身を隠す範囲を広げてしまいます。空き巣は周囲にバレずに侵入したいと考えるため、身を隠せる場所が多いと他の家の庭より侵入しやすく感じさせてしまうのです。
逆にこまめに雑草を抜くなど、庭の手入れがされている家は「住まいの環境に気を配っており、防犯意識も高い可能性がある」「死角や隠れる場所がない」という印象を与えることができるので、防犯対策として有効です。
庭が片付いているかどうか
庭に草木や物が散乱しており、片付いていない場合、空き巣は「侵入時に物の位置を変えても異変に気づかれにくいはず」と考えます。そのため、狙われやすくなります。
また、脚立やはしごなど、足場になりそうな物が庭に散乱している場合も要注意です。空き巣がこれらの道具を利用し、2階のベランダや高い位置にある小窓から侵入してしまう可能性があります。
庭が片付いていると、地形によっては足跡が残りやすくなるので、空き巣が侵入しにくい庭へと変わるでしょう。
塀や生け垣の有無や高さ
家の周囲に高い塀や生け垣を設置することは、一見防犯対策として有効のように思えます。たしかに、塀や生け垣があれば侵入までに時間を要するため、一定の防犯効果が期待できます。
しかし、高い塀や生け垣のある庭は、一度侵入されてしまうと外から姿が見えなくなるため注意が必要です。結果として、侵入時に周囲に発見されて警察に通報される可能性も低くなり、空き巣の被害に繋がってしまいます。
反対に生け垣や塀を低くしたり、フェンスを設置したりして、敷地内を見えやすくしている庭は、侵入をした際に外からも姿を見られやすいので、空き巣や泥棒に狙われにくくなるのです。
夜の庭の見通し
夜の庭はライトなどがついていないと真っ暗になってしまいます。暗い庭は見通しが悪いため、人目を気にすることなく空き巣が侵入できてしまう絶好の場所です。
一方で、庭にライトがついている場合は、夜でも比較的明るく照らされて顔が見られる可能性があるため、空き巣は嫌がる傾向にあります。
庭の防犯対策のポイント
庭の防犯対策は、上記で紹介した空き巣の嫌がる庭の特徴をうまく取り入れることが大切です。ここでは、具体的な対策を6つご紹介します。
塀や生け垣ではなくフェンスを配置する
道路と家の敷地の間には何かしら設置するケースが多いですが、外からの視線を遮断する高い塀や生け垣は空き巣対策には不向きです。そこでおすすめなのが、格子タイプのフェンスの設置です。格子タイプのフェンスであれば、ある程度高さがあっても外から見えなくなる心配はなく、空き巣の侵入を防止しやすくなります。
加えて、フェンスは塀や生け垣よりも風通しが良く、庭からも外の景色が見えるため開放感が得られるという利点もあります。
防犯砂利を敷く
庭の防犯対策には、防犯砂利を敷くのも効果的です。防犯砂利とは、歩くとジャリジャリと大きな音が鳴る、空き巣の侵入を防ぐアイテムの一種です。
一般的に、空き巣は周囲に自分の存在が知られることを嫌います。そのため、周囲の人に音で存在を知らせる防犯砂利は、庭に敷くだけで一定の防犯効果が期待できます。
なお、防犯砂利の敷き方は、まずは侵入経路に用いられやすい「側庭」や「裏庭」などの人目につかない場所に敷くのがおすすめです。側庭や裏庭は身を隠しやすいため狙われやすい傾向にありますが、大きな音が鳴ると犯行をあきらめるでしょう。
雑草を抜いて庭木は定期的に整える
庭からの空き巣の侵入を防ぐには、定期的な雑草抜きや庭木の剪定は必須です。上述したように、雑草や庭木が伸びっぱなしで手入れされていなど、空き巣から「防犯に無頓着」「侵入がバレない可能性が高い」とみなされてしまいます。また、雑草や庭木を手入れすることは、庭の衛生にも良い影響をもたらします。
もし雑草や庭木の定期的な手入れが面倒な場合は、専門会社に依頼したり、除草剤や熱湯を撒いたりすることで、雑草の生える本数や頻度を減らし、手間を省くことが可能です。
センサーライト・防犯カメラを配置
夜になると人気がなくなり暗くなる場所には、「センサーライト」の設置もおすすめです。センサーライトは、近くを人が通ると人感センサーが反応し、光で人の存在を知らせてくれます。周囲に自分の存在を知られたくない空き巣が嫌がるアイテムです。
また、庭を写すように防犯カメラを設置することも、防犯対策として効果的です。防犯カメラは、下見を行う空き巣に「防犯意識が高い」という判断をさせやすく、結果として狙われにくくなります。
防犯カメラを設置する際は、「庭全体が写るように設置すること」が大切です。多くの場合、庭を見渡しやすい家の外壁などに設置します。雨に濡れてもいいように防水機能がついた屋外用カメラを用意すると良いでしょう。
また、赤外線付きのカメラもおすすめです。赤外線が付いていれば、真っ暗で何も見えない場所でも、しっかりと人の姿を写し出すことができます。
留守を悟られないようにする
庭の防犯対策では留守を悟られないことも大切です。郵便物がポストに溜まっていたり、洗濯物が干しっぱなしになっていたりすると、留守にしていることがバレてしまいます。旅行や出張などで長期不在にする場合は、郵便物は局留めにしたり洗濯物は室内に干したりして対策するようにしましょう。
また、固定電話がある場合、空き巣は電話を利用して留守を確認することがあります。長期不在の場合も、留守番電話のメッセージはそれを悟られないものにしましょう。携帯電話へ転送設定しておくのもおすすめです。
近所の人とコミュニケーションを取るようにする
防犯対策には近所の人とコミュニケーションを取ることも大切です。近所に住む人の顔を把握しておくことで、顔の知らない不審者が近所をうろついていたり侵入したりしていることにいち早く気づきやすくなります。また、長期不在にする場合は、隣近所へ声を掛け合うようにしましょう。
空き巣の侵入を拒むその他の防犯対策
空き巣の侵入を防ぐには、庭以外にも複数の防犯対策を組み合わせることが重要です。ここでは、庭以外でできる防犯対策をご紹介します。
戸締りを忘れない
侵入窃盗の侵入手口として多いのが、一戸建住宅・共同住宅ともに「無締り(鍵をかけていない状態)」です。ゴミ捨てなど短時間であっても、空き巣に入られる可能性があるため、注意しなければなりません。少しの時間でも留守にする場合は、出入口や窓の戸締りをするようにしましょう。
窓に防犯対策を施す
侵入窃盗の手口では、さまざまな手段で窓ガラスを割って侵入する「ガラス破り」も多いです。一般的な窓ガラスに使われるペアガラス(複合ガラス)は、防犯効果があまり期待できないため、比較的簡単に突破されてしまいます。
ガラス破り対策としては、割れにくい防犯性の高い窓ガラスへの交換が推奨されますが、手間やコストがかかることから現実的ではないという方もいるでしょう。そこでおすすめなのが、防犯フィルムです。防犯フィルムは、窓ガラスに貼るだけで耐久性をアップさせ、割れにくくなります。
他にも、補助錠の設置もおすすめです。補助錠を取り付けることで、クレセント錠を解錠するだけでは窓を開けられなくなるため、侵入に時間がかかり犯行をあきらめる可能性があります。
ホームセキュリティを導入する
家全体の防犯性を高めるなら、ホームセキュリティの導入がおすすめです。セキュリティシステムの設置に加えて警備会社のステッカーを貼っておくことで、防犯対策をアピールでき、空き巣から敬遠される家になります。また、万が一侵入された場合も即座に異常を感知でき、適切に対処してもらえるため安心です。
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庭の防犯対策で空き巣から住まいを守ろう!
最近では、高い塀や生け垣で囲われた庭のある家が増えてきました。しかし、そういった庭は、手入れや防犯対策が施されていないと空き巣が侵入しやすい格好の場所になってしまいます。そうならないためにも、ぜひ今回紹介した庭の特徴や防犯対策を庭に取り入れてみてください。