風水と防犯の効果から見る門の考え方

防犯 2020.11.20

多くの戸建には玄関の前に門を構えています。門のデザインや形、設置する位置は家によって様々ですが、昔から門を構える際は「風水」と「防犯」の2つの面が考慮されてきました。その風習はいまも変わらず残っています。

そこで今回は、「風水」と「防犯」の面から考える門の構え方について解説します。これから戸建を購入する人や門扉を新しく構える人は参考にしてみてください。

風水・防犯の観点から門の一直線上に玄関があるつくりはNG

門の一直線上に玄関がある家がよくない理由とは?
門の一直線上に玄関がある家がよくない理由とは?

門と玄関が一直線のつくりは、風水の面からも防犯面からもよくないとされています。その理由をご紹介しましょう。

風水では悪い気が入ってきやすいといわれる

一般的に「風水」は、“自身の周りの環境を整えて運を呼び込むためのもの”として考えられており、家の中に風水を取り入れている人も少なくありません。

風水において、門は特に「家の吉凶相」に関係するといわれている重要な場所です。良いエネルギーは緩やかな曲線を描いて届くとされているのに対し、悪いエネルギーは一直線に届くとされています。
そのため、門と玄関が直線上に配置されていると、外からの悪い気が入ってきやすく、不幸や災難が訪れやすいといわれています。

防犯面では玄関の様子が把握できて狙われやすい

玄関は防犯上の面でも役割が非常に重要視されている場所です。「玄関+門」という二重の構えを設けると、泥棒や空き巣の侵入を心理的に防ぐ効果も期待できます。

泥棒や空き巣の心理において、門の隙間から玄関の様子が把握出来たり、門から最短距離で玄関まで到達できるというのは、非常に負担が少ないといえます。防犯の面からみても直線はかなりリスクが高い配置にもなりますので、少なくとも、門から玄関の出入りを見られないようにするというような策を講じる必要はあるでしょう。

玄関を門扉に正対させないつくりがおすすめ

それでは、玄関と門をどのような位置関係にすればよいのかというと、玄関を門扉に正対させなければよいのです。左右のどちらかに少しずらすというだけでも外部の目をそらすことができ、「風水」「防犯」の面においても効果的と考えられます。

もし、門から玄関までのアプローチを長くできそうな場合は、玄関と門の間に植え込みを立てて、門扉から玄関が見えないようにすることもおすすめです。

風水において、玄関先の植栽は「気のエネルギーを高める」「悪い気を浄化する」といった吉相があると考えられています。積極的に植栽を取り入れてみてもよいかもしれません。

門扉を設置する必要性・メリット

門扉を設置する必要性とメリット
門扉を設置する必要性とメリット

上述したように、門扉を設置することは「風水」と「防犯」の面において効果があると考えられています。具体的なメリットを2つご紹介します。

1安全性を高められる

「門は簡単に乗り越えられてしまうだろう」「安全性が上がるとは思えない」と考える人も少なくありません。ただ設置された門を乗り越え得ようとする行為は、傍からみて非常に目立ちます。そのため人目にもつきやすいのです。
目当ての侵入口まで泥棒の障害になるものがひとつもない家と、門がある家では、心理的な面からも泥棒や不審者の侵入率低下が期待できます。

また門は、「泥棒に対する防犯」以外にも、子どもやペットの飛び出しを防げるという点も門の大きな特徴です。門の扉さえ閉まっていればそこから飛び出す可能性はかなり少なくなりますし、車や通行人との接触も防げます。

2プライバシーが守られる

門を設置することで、門の内側を見えにくくするといった効果も期待できます。家のプライバシーも守られやすくなるでしょう。

ただ、プライバシーを重視しすぎて門に隙間がない板のようなタイプのものを設置してしまうと、逆に泥棒や不審者などが隠れやすくなるというというデメリットが発生してしまいます。門扉を選ぶときは、その点にも注意しましょう。

防犯性の高い門の3つの特徴

門の設置は防犯面でも役に立つものですが、防犯性の高さは門によってさまざまです。

一般的に泥棒は「玄関や窓が外からしっかり見える家」を嫌います。それは、侵入するところを目撃される可能性が高くなるためです。
公益社団法人 日本都市計画学会が行なった調査では、窃盗犯の19.5%が犯行を思いとどまった理由に「住民の目が気になったから」と答えています。[注1]

また、外からの侵入や脱出が難しそうな構造になっている家も敬遠されます。これは、泥棒は侵入や脱出に手間取っている間に目撃されることを恐れるためです。

門扉においても同じことが言えます。防犯性が高い門扉とは、「周りからの見通しがよい」かつ「侵入や脱出が難しく時間がかかる」といった特徴を踏まえたものなのです。

では実際に、どのような門が「防犯性が高い」と言えるのかを具体的に解説しましょう。

1門扉にカメラ付きのインターホンが付いている

門扉にカメラ付きのインターホンを設置すると、訪問者を家の中から確認できます。これは非常に有効な防犯対策です。

多くの泥棒や空き巣は、留守であることを確認するためにインターホンを押します。インターホンを押して反応や応答がなければ、その家は留守とみなされるわけですから、泥棒にとっては安易に確認できるシステムともいえるのです。

しかし、インターホンにカメラが付いていれば、泥棒や空き巣は自分の姿を録画されるかもしれないと考え、インターホンを押しにくくなります。そうして家主の所在が確認できなくなると、その家を諦める可能性が高くなるのです。

もしインターホンを押されたとしても、その家の居住者は来訪者を確認できますので、明らかな不審者かどうかを判断できるでしょう。

2見通しがよく、外から不審者が確認できる

門には、どこにも隙間が無く、鉄板のような一枚板で構成されているものも存在します。一見泥棒にとっては入りにくそうな造りですが、このような門は「防犯」の面で考えると適切ではありません。

なぜなら、一旦門の中に入ってしまうと、ドアや窓の前に不審者が留まっていたとしても外から確認できないためです。したがって門はできるだけスリット状、もしくは外が見えやすい状態のものを選ぶようにしておくべきでしょう。

3電気錠機能がついている

近年、防犯性を高めるために学校や公共施設に導入されつつあり、その存在が大きくなっている機能が、電気錠機能搭載の門です。電気錠の特徴は、専用カードや暗証番号を入力するスイッチなどを用いて開けるようになっていることです。

このタイプの錠は、物理キー用の鍵穴がない限り、ピッキングでは解錠できません。家の門であれば、スマートフォンを鍵として用いることも可能です。泥棒からすれば、門を乗り越えることでしか侵入の手段がないため、諦める可能性が高いのです。

防犯性の高い門を選ぶだけでは充分とは言えない

泥棒や空き巣は、さまざまな策を講じて家に侵入しようと試みます。そのため、防犯性の高い門を選ぶだけで充分な対策が取れていると考えるのは危険です。

他にも「玄関周りに監視カメラを設置する」「人感センサー付き照明を導入する」「防犯用の砂利を玄関前に敷き詰めて足音が聞こえるようにしておく」など様々な方法を組み合わせることが大切です。

「風水」と「防犯」の両面から門の配置や種類を考えましょう

門は、自分の家を犯罪から守るとても重要な存在です。ただ、配置場所や種類を間違えてしまうと、悪い気を集めたり、思わぬトラブルにつながる恐れがあるので、この記事を参考にしながら門を選ぶようにしましょう。

簡単にできる防犯対策としては、踏んだ時に大きな音(目覚まし時計と同音量、80db)のでる防犯用砂利がおすすめです。人目につきにくい場所に散布するだけで、大きな音を嫌う泥棒や空き巣から家を守れます。

ホームセキュリティを取り入れればさらに安心。プロの視点で総合的な防犯対策を行い、24時間365日あなたのお家を見守ります。

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