認知症による徘徊は危険!徘徊の原因と対策を説明

高齢者・介護 2020.03.25(2023.09.27更新)
認知症による徘徊は危険!徘徊の原因と対策を説明

認知症の症状が進むと、「徘徊」が始まるケースがあります。徘徊は昼夜を選ばないので、介護する家族はたいへんです。ふと油断したときに一人で外出してしまい、行方不明になったり事故に遭ったりするのではと不安に感じている人も多いでしょう。また、徘徊中に熱中症や低体温症を引き起こしたり、転倒、骨折したりという危険もあります。そこでここでは徘徊の原因や対策について紹介します。

目次

認知症が引き起こす徘徊とは?加齢により徘徊する人が急増

徘徊とは、目的もなく歩き回ることを指します。しかし、認知症が原因で引き起こされる徘徊は、本人としては何らかの目的があって行動しているケースが多いようです。ただ徘徊をやめさせようと思っても、難しいでしょう。警察庁によると、令和4年中の認知症の行方不明者は1万8,709人と発表されています。さらに、認知症の行方不明者は60歳代から徐々に現れ始め、70歳以上の高齢者になると一気に急増します。なお、それほど高齢ではなくとも、若年性アルツハイマーで認知症となるケースもあるので油断できません。

認知症の症状は中核症状と周辺症状に分けられ、中核症状は、記憶障害など認知症を患うと必ず発症する障害です。一方、人によって現れる症状に違いがあるものは周辺症状と呼ばれ、睡眠障害や抑うつ、そして徘徊も周辺症状のひとつに挙げられます。

徘徊は決まった時間に行われるわけではないので、常に見守るのは難しいでしょう。いったん徘徊して外に出てしまうと、行方不明になったり、事故に遭ったりする危険がつきまといます。また、天候や季節に合わない服装で外出してしまい、体調を崩すこともあるでしょう。真夏の徘徊で熱中症や脱水状態となったり、真冬に低体温症になったりする場合もあります。

下記は警察庁から公表された「原因・動機別の行方不明者数」です。

原因・動機別の行方不明者数

出典:警察庁「令和4年中における行方不明者の状況」

認知症の徘徊の原因は脳の機能低下が原因?

認知症にあらわれている症状をみることで、徘徊の原因となるものをチェックすることができます。
まず、記憶障害が挙げられます。芸能人の名前が出てこないとか、漢字が思い出せないといった単純な物忘れが多いという状況では、認知症とはいいません。認知症の記憶障害とは、自分の行動を忘れてしまう状態を指します。たとえば、何を食べたかではなく、ごはんを食べたことそのものを忘れて何度も食事を催促したり、自分でお金を使ったことを忘れて誰かがお金を抜き取ったと騒いだりというのが記憶障害の症状です。簡単にいえば「自分が忘れたことを忘れてしまっている状態」です。会社を退職しているにもかかわらず出社しようとしたといった徘徊は、この記憶障害が原因といえるでしょう。

見当識障害も認知症の症状のひとつです。
自分の置かれている状況がわからなくなることが特徴で、具体的には時間や場所、人がわからなくなります。いったん見当識障害の人が徘徊してしまうと、自力で家に戻ることは難しくなります。見当識障害は中核症状のひとつであり、認知症と判断される基準にもなっています。

不安やストレスも徘徊の原因となります。
引越し直後や、家族が結婚や独立により家を出た際に、徘徊が始まる可能性もあります。前頭葉や側頭葉が縮んでしまう前頭側頭型認知症を患っている人は、同じ行動を繰り返すことが多いことが知られています。そうした人が徘徊を始めると、何度も繰り返すことになりやすいので注意しましょう。天候や時間を問わず徘徊しようとするので、たとえ行動パターンがわかっていたとしても、引き留める必要があります。

徘徊を見つけたときの適切な対応は?

徘徊が発生した場合には、感情的にならず落ち着いて対応する必要があります。
まず、怒ってはいけません。
日頃の介護疲れもありイライラしているかもしれませんが、怒られた恐怖のみが心に定着し、再び徘徊する原因となる可能性があります。徘徊を見つけたら、落ち着いて何をしようとしているのか尋ね、会話を重ねましょう。ストレスや不安で徘徊していた場合は、気持ちが落ち着けば徘徊がおさまる可能性もあります。

他のことに気をそらすのも効果的です。記憶する機能と記憶を引き出す機能の両方が弱っているため、気をそらしているうちに徘徊していたことを忘れる場合もあります。無理して引き留めるのではなく、「外に行くなら、おみやげを用意してからにしましょう」「トイレに行ってからにしたほうがいいのでは」などと、自然な雰囲気で引き留めるようにしましょう。

趣味や仕事を見つけるのもおすすめです。楽しいと感じる趣味、やりがいのある仕事を見つけられれば、現状の不安やストレスが和らぎ、徘徊のリスクを抑えることができます。

徘徊前・徘徊が起きた後に分けて対策することが重要

徘徊前

徘徊の対策は「徘徊を防ぐもの」「徘徊してしまったときのもの」の2通りに分けられます。
まず、徘徊を防ぐ対策として、玄関から出て行けないような工夫をしましょう。わかりにくい場所に施錠したり、玄関の前に重い荷物を置いておいたりなどの対策が考えられます。日中適度な運動をすることで気分転換するのもよいでしょう。
それでも徘徊しそうになったときには、そのまま一緒に散歩に出るのもおすすめです。しかし、必ず誰かが付きそうようにしましょう。認知症の人が一人で外出するのはたいへん危険です。
日々の見守りに介護者が疲れてきた時にはデイサービスなどを利用して心身を休めてください。介護保険サービスを受けるときにケアマネージャーに状況を話し、ケアプランについて相談するといいでしょう。

徘徊が起きた後

徘徊してしまったときの対策としては、服や持ち物に名札をつけ、名前や連絡先を書いておくということがまずあげられます。見つけてくれた人が連絡してくれる可能性があります。また徘徊に備え、近所の人や交番などに事情を説明しておくとよいでしょう。
行方不明になったことを交番に連絡する際には、当日の服装や髪型を詳しく伝えられるとスムーズに捜査できます。

認知症の徘徊対策には見守りグッズの導入を

認知症の徘徊に対応するのは容易なことではありません。
家族や近所の人、警察、自治体などの福祉サービスの力も借りて対策を練るようにしましょう。また、居場所がわかるようなグッズを携帯してもらうのもおすすめです。

ALSOKでは徘徊にも対応できる商品をご用意しています。
おすすめは、おおまかな位置情報を確認できる「みまもりタグ」で、靴に取り付けることができる小さな端末です。認知症の方に携帯電話やスマホを常時携帯してもらうことは非常に難しいといわれていることから開発されました。専用の感知器と組み合わせれば、外出した瞬間もスマホにお知らせが届きます。履いて出る靴や上着などが決まっている場合には非常に有効な策となります。

また、ALSOKではグループ会社を通じ、各種介護サービスのご提供も行っております。日々の介護疲れで介護者の方が先に倒れてしまったらそれこそ一大事です。上手に介護サービスを使って、体力回復や気分転換を図りましょう。ぜひ一度ご相談ください。

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