防犯用催涙スプレーの特徴と効果
催涙スプレーは代表的な護身用品の一つです。しかし、実際に利用したことがある人はあまり多くないかもしれません。
催涙スプレーはただ持っているだけでは意味がなく、実際に使用できて初めて護身用品としての役割を果たします。いざという時に使えるように、正しい使い方をきちんと把握しておくことが重要です。
本記事では、催涙スプレーの成分や効果的な催涙スプレーの使い方、催涙スプレーを携帯する際の注意点などについて解説します。
催涙スプレーは護身用品のひとつ
催涙スプレーはスタンガンや警棒などと並ぶ代表的な護身用品なので、実際に使ったことはなくとも、名前は聞いたことがあるという人は多いと思います。
催涙スプレーは相手めがけて噴射する護身用品です。このスプレーを顔面に噴射されると、「涙を催す」という漢字のとおり、涙が止まらないほどの猛烈な痛みを目に引き起こします。
即効性があり、相手の戦意や敵意を鈍らせることができます。殺虫剤やヘアスプレーを使ったことがあれば、使い方は感覚的にわかるでしょう。
催涙スプレーは、スタンガンや警棒とは異なり相手の手の届かない範囲から対処できるというのも、護身用品としては重要なポイントです。
誰かに襲われそうになったとき、すぐに助けを呼べる環境であるとは限りません。仮に助けを呼べる状況であっても、自分自身を守れる道具があるのとないのとでは、緊張感がまったく異なります。
万が一の状況に陥ってしまったときのためにも、催涙スプレーの種類や使い方についてしっかり把握しておきましょう。
催涙スプレーの種類
催涙スプレーに含まれる刺激成分の主成分は「OCガス」と「CNガス」の2つに大きく分けられます。
効果や安全性に大きな違いがあるので、催涙スプレーを選ぶ場合は成分にも注意しておきましょう。
OCガス
OCガスは唐辛子に多く含まれる辛味成分である「カプサイシン」が主成分です。顔に向けて噴射されると激しい目の痛みによって涙が止まらなくなるだけでなく、咳きこんだり皮膚にピリピリとした痛みが走ったりといった症状に襲われます。
野生動物の撃退に用いられることがあることからも、どれだけ強力な成分かがおわかりいただけるでしょう。
効果も1~2時間程度続くので、催涙スプレーを噴射された相手がすぐに反撃してくるような危険性も低く、その場から安全に逃げることができます。
これだけ強力な成分だと、噴射された相手の健康被害が心配になる方もいるでしょう。しかし、OCガスは自然由来の成分なので、健康被害や後遺症を引き起こす心配はありません。
激辛のカレーや麻婆豆腐などを食べたあと、舌にピリピリとした感覚が残ることがあると思いますが、催涙スプレーによって現れる症状はそれに似ています。時間が経てば自然と治まるため、安心してください。
CNガス
CNガスは自然由来の成分ではなく、戦争で利用された毒ガス兵器に由来する化学成分であり、皮膚がただれてしまうといった後遺症を引き起こす懸念があります。
催涙スプレーは成分が自分にかかってしまう可能性もゼロではありません。相手への健康被害のことも考えると、CNガスではなくOCガスを主成分とする催涙スプレーを使うのが望ましいでしょう。
またCNガスは、酔っぱらった相手や薬物中毒者には効果が見られないことがあるのも難点です。
催涙スプレーを効果的に使うためには相手との距離がポイント
催涙スプレーは催涙剤を相手に向けて的確に噴射させなければ、しっかりとした効果が得られません。
催涙スプレーを利用する場合は、噴射する際の相手までの距離や催涙スプレーの持ち方などが重要です。
1 相手との距離は3m程度を目安に
催涙剤を相手に噴射するためにはできるだけ近づいたほうがよいことは間違いありません。しかし、近づきすぎると相手に攻撃されたり腕を掴まれたりする危険性が高まります。
かといって、距離を取りすぎると催涙剤が相手に届かなくなってしまいます。相手に近すぎず遠すぎない距離から催涙スプレーを利用するのが望ましいです。
水滴状の催涙剤が拡散されながら噴射されるジェットミストという噴射方式のものであれば、催涙剤の飛距離もそれなりにあります。催涙剤が多少拡散されるので離れていても命中させることが可能です。
風の影響を多少受けはするものの、3m程度の距離からであれば十分相手に命中させられるので、ジェットミスト式の催涙スプレーを利用する場合は相手から3m程度離れた場所から利用するようにしましょう。
練習用の催涙スプレーも販売されている
催涙スプレーは、練習用スプレーも販売されています。
いざというときにきちんと使用できるか不安な場合は、そちらも一緒に購入して練習すると良いでしょう。
練習する際は、
- 広居場所で使用する
- 風が強いときは使用しない
- いざというときをイメージして使用する
の3点を守ってください。
いざというときを再現するために、代役を立てるのもおすすめです。
練習用の催涙スプレーは、刺激になる成分が抜いてあるので、テスト噴射の際にスプレーを浴びてしまっても害はありません。
2噴射口がしっかり相手の方向を向くように心がける
距離がバッチリでも、噴射された催涙剤が相手の顔面にかからなければ期待していたような効果は得られません。
催涙スプレーを殺虫剤やヘアスプレーを持つようなイメージで持ってしまうと、噴射口の向きと腕の向きが一致せず、思っているところに催涙剤がかからない可能性が高いです。
腕の向きと噴射口の向きを揃えて、「相手に対して腕を向ければ自然と噴射口もそちらを向いている」ような形で催涙スプレーを構えれば、狙いを外しにくくなるでしょう。
なお、催涙スプレーは噴射力が高いものが多く、噴射の反動で噴射口が上に向きやすいため、相手の頭上に噴射してしまうことがあります。
なので、首元付近を狙うことと、相手の顔を縦断するようなイメージで頭頂部まで噴射するようにするとよいでしょう。
3使うと決めたら迷わず使う
催涙スプレーに限らずスタンガンや警棒などにも当てはまることですが、護身用品は持っているだけでは効果がありません。実際に使用して初めて自分の身を守るのに役立つのです。
いきなり危険な目にあったとき、恐怖や驚きで身がすくんで動けなくなってしまう人もいるでしょう。「本当に使ってしまって大丈夫だろうか」と躊躇してしまう人もいます。
しかし、催涙スプレーをはじめとした護身用品を使うべき場面では、迷わず使うことが重要です。
催涙スプレーがどのような構造になっていてどのようにすれば使えるのかをきちんと把握しておかなければ、いざ使おうと思っても使えない可能性があります。購入したあとは実際に使うことを想定して、催涙スプレーの構造をきちんと確認しておきましょう。
確認作業によって、必要なときに躊躇なく利用するという意識も芽生えてくるはずです。
携帯するときの注意点
催涙スプレーは、いざというときに自分の身を守る護身用具ですが、使い方によっては人に危害を与える可能性もあります。
催涙スプレーを携帯する場合は、使用目的と方法としっかりと理解し、間違っても見せびらかしたり、ふざけて使用しないよう注意してください。
不安な方は、催眠スプレーだけでなくプロのサポートをご検討
催涙スプレーを利用する場合、催涙剤をしっかり相手に噴射しなければならないので、相手との距離は近すぎず遠すぎずの3m程度から使用することを心がけましょう。
実際に催涙スプレーを使用しなければならないような状況に遭遇したときには、躊躇せず利用することが重要です。事前に使い方をしっかり確認しておきましょう。
催眠スプレーは護身用具として使用されますが、他にも身を守る為の防犯対策は様々あります。自分に最適な防犯対策おこなうために、プロにサポートしてもらうことも検討しましょう。
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