火災の原因は?たばこが出火原因として多い!
消防庁の調べによると、2021年の1年間で35,222件の火災が発生しています[注1]。
火災の原因には、火遊び、放火、電気配線の漏電など、さまざまなものがありますが、もっとも多いのが「たばこの不始末」です。たばこによる火災の6割以上は不適当な場所への放置によるものが占めており、火災の被害に遭わないためには、たばこの後始末もふくめて、防火防災意識を高める必要があります。
この記事では、火災が起きる原因や、火災が発生した時の初期対応、火災を未然に防ぐための対策について解説します。
目次
出火原因に多いのは?出火件数・死者数ともに「たばこ」が第1位
火災の原因でもっとも多いのが「たばこ」です。消防庁がまとめた「令和4年版 消防白書」によると、令和3年中(2021年)に発生した主な火災22,761件のうち、たばこが原因のものは3,042件(13.4%)でした。また、2021年に発生した火災全体(35,222件)で見ても、8.6%の割合を占めています。
たばこによる出火件数は、こんろが原因の出火(2,678件)や、放火が原因の出火(2,333件)よりも多く、すべての出火原因の中で最多です[注1]。また、住宅火災による死者数を発火源別に見ても、「たばこ」に起因する死者がもっとも多いことがわかります。
2021年に発生した住宅火災の死者966人のうち、たばこが発火源となったのは131人(13.6%)でした。着火物別に見ると、寝具類や衣類に引火したケースが多く、火災による死亡者のうち、「寝具・衣類」が着火物となった事例は全体の17.4%です[注1]。
火災を未然に防ぐため、「たばこの不始末」に気をつけましょう。
たばこに由来する火災3,042件のうち、半数以上を占めるのが「(たばこの)不適当な場所への放置(1,921件)」です。たばこによる火災の6割を占めています。たばこによる火災の損害はけっして少なくなく、2021年には床面積で合計41,382平方メートルの建物が焼損し、約37億円の損害額が発生しています[注1]。火災による被害を避けるためには、日頃からの対策が欠かせません。
たばこの不始末対策として、次のような行動を心がけてください。
- 寝たばこはしない
- 吸い殻は水を使って確実に消す
- 吸い殻を溜め込まない
火災が発生したときの対応は?初期対応の3原則
もし火災が発生したら、迅速な初期対応をとりましょう。
火災発生時の初期対応には3つの基本原則があります。
すみやかに通報し、隣近所に大声で知らせる
まずは火災が発生したことを大声で周囲に知らせ、助けを求めることが大切です。声を出せない場合は、非常ベルを鳴らすか、叩くと大きな音が出るものを探しましょう。どんなに小さな火災であっても、必ず消防署に通報してください。
119番にかけると、「火事ですか、救急ですか」と聞かれます。「火事だ」とはっきり伝えて、氏名や住所、出火場所の目印になるものを知らせましょう。
出火直後3分間までなら初期消火も有効
出火直後で、まだ火が小さい場合は初期消火も有効です。初期消火をする目安は「出火直後3分間まで」です。家庭用・住宅用の消火器や、浴槽やポリ袋などに貯めた置き水を活用するほか、毛布や座布団で火元を叩く方法も効果的です。
発火源 | 初期消火の方法 |
---|---|
油なべ | ● ガスの元栓をすみやかに閉める ● 粉末タイプの消火器を使用し、油を覆うように噴射する ● 消火器がない場合は、水で濡らしたバスタオルで出火元を覆う |
衣服 | ● 自分の衣服に火が移ったら、床や地面を転がり、すみやかに消火する ● 火が消えたように見えても安心せず、水をかけて完全に消火する ● 付近に風呂場がある場合は、湯船の水を頭からかぶる |
カーテンやふすま | ● 水や消火器ですみやかに消火する ● 火の勢いが強い場合は、カーテンをレールから引きちぎる、障子やふすまを蹴り倒すなどして、天井に燃え広がらないようにする |
石油ストーブ | ● 消火器を火元に噴射するか、水で濡らしたバスタオルや、バケツの水で一気に消火する ● 火が消えたように見えても、余熱で再発火する可能性があるため注意する |
ただし、3分たっても消火できなかった場合や、火の勢いが強く天井付近にまで達してしまっている場合は、初期消火は困難です。自分で火を消そうと思わず、すみやかに避難行動に移りましょう。
消防庁の調べによると、2021年中の救急自動車の現場到着所要時間は平均9.4分でした[注2]。出火後3分以内に消火できなくても、救急車や消防車が火災発生から5分~10分で出火現場に駆けつけます。初期消火にあたっては、けっして無理をしないことが大切です。
[注2]消防庁:令和4年版 消防白書「第2章 消防防災の組織と活動 - 第5節 救急体制」
すこしでも危険を感じたら安全な場所に避難する
すこしでも危険を感じたら、火元を離れて安全な場所に避難しましょう。
2021年中の住宅火災による死者966人(放火自殺者等を除く)のうち、約半数の約48.9%が「逃げ遅れ」によるものです。そのうち、延焼拡大が早く逃げられなくなった方が50人、消火しようとして逃げ遅れた方が49人、服装や持ち出し品に気をとられた方が1人でした[注2]。
火の勢いが強い場合は、服装や持ち出し品にはこだわらず、すみやかに屋外へ避難することが大切です。避難を開始する際は、火災場所の窓やドアを閉め、空気を遮断することで延焼拡大を防げます。火災による煙を吸い込まないよう、避難の際は口元をタオルやハンカチで覆い、一気に屋外へ走り抜けましょう。
火災を防ぐには日頃の対策が大切!効果的な3つの火災予防対策
火災を未然に防ぐためには、日頃からの火災予防対策が欠かせません。
ここでは、3つの火災予防対策を紹介します。
すべての部屋に住宅用火災警報器を設置しましょう
2006年の消防法改正以降、すべての一般家庭で住宅用火災警報器の設置が義務化されています。消防法や都道府県の火災予防条例では、寝室と寝室がある階の階段、台所の3箇所への設置が義務付けられています。しかし、火災の被害を最小限に抑えるには、すべての部屋・階段・台所への警報機の設置が必要です。
火災による死亡原因の約48.9%は「逃げ遅れ」です。
住宅用火災警報器が住宅火災を迅速に検知し、警報を鳴らすことで、すみやかな避難行動が可能になります。逃げ遅れを防ぐため、すべての部屋に住警器を設置しましょう。
住宅用消火器の設置も初期消火に役立つ
消火器を設置していれば、火災発生時の初期消火に役立ちます。個人が利用できる消火器には、一般住宅向けの住宅用消火器のほか、ホームセンターなどで購入できるエアゾール式の簡易消火器があります。
住宅用消火器には使用期限が設定されているため、定期的に買い換えましょう。
また、効果的な初期消火を行うためには、消火器の使い方を学ぶことも大切です。所属する企業や自治体が開催する防災訓練に参加し、消火器を用いた正しい消火方法を学びましょう。
火が燃え移りにくい「防炎製品」を使う
火が燃え移りにくい機能が備わった防炎品として「防炎物品」と「防炎製品」があります。
「防炎物品」とは、消防法にて高層建築物、地下街、劇場といった不特定多数の利用者がいる施設における防炎対策として、使用が義務付けられた物品を指します。
一方、「防炎製品」とは、火災予防として消防庁などが普及を推奨する製品を指します。
防炎製品は通常の製品より耐火性能が高くなっており、例として、布団やマットレスなどの寝具類やじゅうたんなどがあります。このような防炎製品を使うことで、火災が発生した際の燃え移りを防ぎ、延焼拡大を抑えることができます。
防炎製品は全国のホームセンター等にて購入可能です。
出火原因第1位はたばこの不始末!ホームセキュリティで火災対策を
消防庁の統計では、出火原因の第1位はたばこの不始末によるものです。火災による被害を防ぐには、日頃からの火災対策が欠かせません。
火災対策なら、ALSOKのホームセキュリティがおすすめです。火災による温度の変化や煙の発生を感知、不審者の侵入感知、急病時などの非常通報など、さまざまなリスクから24時間365日いつでも守ってくれる安心安全のサービスです。異常を感知したときにはガードマンが迅速に駆けつけて状況の確認や対処を行います。火災予防だけではなく、放火などの防犯対策としても有効なサービスですので、ぜひ一度導入をご検討ください。