玄関ドアのガラス設置は防犯対策を意識
警察庁の調査によると、多くの犯人は窓を侵入口として侵入窃盗を行っています。その割合は、戸建て住宅の場合、令和4年(2022年)の侵入窃盗侵入口調査における総数の約半分を超える53.5%です[注1]。
窓に対する防犯対策は必須といえますが、合わせて考えなければいけないのが表出入口、すなわち玄関です。戸建て住宅の侵入被害における「侵入口が玄関」の件数は21.3%を占めており、決して無視できる数値ではありません。
この記事では、玄関ドアに施せる防犯対策である防犯ガラスの重要性について解説します。
[注1]警察庁:住まいる防犯110番 侵入者プロファイリング〜心理と行動2
玄関ドアにガラスを設置する理由
玄関には、住宅の都合によって採光できる窓がない場合が多いです。自然光が入ってこないため、昼間でも玄関部分は暗くなってしまいます。また、玄関には日常的に使用する靴や履物が置かれており、汗などによって独特な臭いを発しやすいため注意が必要です。加えて、自然光が入らない暗くて湿った場所に放置されていると、臭気やカビなどの問題にも発展する恐れもあります。
照明を使って明るくすることはできますが、自然光が入らないために臭気がこもってしまう点が気になる人は少なくないでしょう。
玄関ドアにガラスを用いることで、自然光が取り入れられて明るい玄関を作り出せます。また、玄関ドアに開閉できる窓ガラスを使用すれば、より効率的に換気が行えるでしょう。
玄関ドアの侵入被害について
戸建て住宅の侵入被害において、窓が侵入口になるケースが多いのに対し、共同住宅の場合は玄関ドアが使用される場合が多いです。警察庁の調査によると玄関ドアを侵入口とするケースは、3階建て以下の場合は47.3%、4階建て以上になると60.7%にも上ります[注1]。
階数が上になるほど侵入手段が限られてしまいまので、玄関ドアには注意が必要です。
鍵の閉め忘れを意識するだけで、住宅の種類を問わず玄関ドアからの侵入被害を防ぐことができます。また、ピッキングによる解錠を許してしまうまでの時間を少しでも長く稼ぐために、鍵が複数ある玄関ドアの採用がおすすめです。
気をつけなければならないのは、鍵の閉め忘れだけではありません。玄関ドアに設置されたガラスを破ることで、侵入を許してしまうケースもあります。玄関ドアにガラスを設置することで自然光を取り入れられるようになりますが、一方で空き巣などによって侵入される可能性が高まってしまう点には気をつけなければなりません。
玄関ドアのガラス防犯対策について
玄関ドアにガラスを設置する際は、防犯対策も必要です。具体的には、たとえば防犯ガラスの使用が挙げられます。
空き巣の犯人が玄関ドアのガラスを破る手口は、主に2種類あります。
1つ目は、ドライバーなど細くて長い工具を用いた「こじ破り」です。空き巣の多くのケースで使われます。
もう1つの侵入方法がハンマーやバールといった鈍器類を用いた「打ち破り」です。
防犯ガラスは1枚の特殊な防犯フィルムを2枚のガラスで挟み込むことで作られているため、打ち破りやこじ破りへの対策に有効です。
内部の防犯フィルムは高い柔軟性と衝撃に対する強さを誇ります。ドライバーなどを用いてもなかなか穴が空けられず、ハンマーやバールで大胆にガラスを割ったとしても、フィルムが張り付いているため貫通を許しません。
防犯ガラスによって時間を稼げれば多くの犯人は諦める
防犯対策として、非常に破られにくい防犯ガラスですが、絶対に穴を空けさせないというわけではありません。あくまでも侵入され辛いというものです。ですがその性能は高く、犯人が侵入するまでの時間を大幅に稼いでくれます。
空き巣の犯人の多くは、侵入口の作成に時間がかかると侵入を諦めるようです。警察庁の調査によると、2〜5分かけて侵入できなかったために諦めたケースが51.4%にも上ります。そのほかにも、2分以内で諦めるケースが17.1%、5〜10分で諦めるケースが22.9%です[注2]。
10分かけても侵入できなければ、91.4%という非常に高い割合で犯人は諦めます。玄関ドアに防犯ガラスを施しておけば、大きな抑止力となるでしょう。
[注2]警察庁:住まいる防犯110番 侵入者プロファイリング〜心理と行動3
玄関ドアを交換する際は専門業者に依頼しましょう
あらかじめガラスが設置されている玄関ドアであれば、必要な工具があれば自分で防犯ガラスへの交換は行えるようですが難度が高いこと、また、ガラスを扱う関係上、取り扱いや思わぬ怪我には注意が必要なことから、専門会社に依頼した方がよさそうです。
玄関ドアそのものを交換する際も、専門会社への依頼をおすすめします。
防犯ガラスを使用した玄関ドアの取り付けに対応してくれるのは、ドアメーカーまたはガラスの専門会社です。採用する玄関ドアのタイプにもよりますが、料金はおおよそ10〜30万ほど。さらに防犯ガラスの費用が加わります。
費用はなるべく抑えたいと感じる方も多いでしょうが、中途半端な防犯対策では意味をなさない恐れもあります。会社を選ぶ際は料金だけで選ばず、信頼できる会社を吟味しましょう。
玄関ドアの防犯対策を徹底して侵入被害を事前に防ぐ
あらかじめ玄関ドアに防犯ガラスを用いていたおかげで、侵入被害を防げた例はいくつも確認されています。玄関ドアは窓に次いで狙われやすいため、しっかりした対策が必須といえるでしょう。
玄関ドアのガラスを防犯ガラスに交換するには、それほど高い費用や工期がかかるわけではありません。できるだけコストをかけず、速やかに防犯加工を施したいなら、防犯フィルムの使用がおすすめです。ガラスに貼り付けるだけで、割れにくくしてくれます。焼き破りにも効果的です。
鍵の閉め忘れが心配な方は、無線で施錠を行ってくれるスマートロックの採用がおすすめです。外鍵はそのままに内鍵部分を交換することで、万が一鍵を閉め忘れてしまった場合でも、遠隔操作で施錠できます。最新の防犯対策を実践して、侵入被害に遭わずに安心して暮らせる住宅づくりを目指しましょう。
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