ガラス付き玄関ドアの防犯対策!セキュリティ強化で侵入被害を防ごう
玄関ドアには、採光目的でガラスが設置されている場合が多いですが、空き巣などの犯人はガラスを破って玄関ドアを開錠するケースもあります。そのため、自宅の侵入対策には、玄関ドアの防犯強化も欠かせません。この記事では、玄関からの侵入窃盗の被害状況やガラス付き玄関ドアの防犯対策について解説します。
目次
ガラス付き玄関ドアが好まれる理由
玄関には、住宅の構造上、採光できる窓がない場合が多いです。自然光が入ってこないため、「昼間でも玄関が暗い」という家も多いでしょう。また、玄関には日常的に使用する靴や履物が置かれており、自然光が入らない暗くて湿った場所に放置されていると、臭いやカビも発生しやすくなります。照明を使って玄関を明るくすることはできますが、換気ができないことから臭いがこもってしまう点が気になる人は少なくないでしょう。
玄関でよく見られるこれらの問題を解決するために、多くの住まいで取り入れられているのがガラス付きの玄関ドアです。ドアの左右や上部にガラスを用いることで、自然光を取り入れ、玄関を明るくできます。また、開閉できる窓ガラスを使用すれば、換気の問題も解決します。
しかし、ガラス付き玄関ドアには採光や通風などの面でメリットがあるものの、防犯面ではリスクもあります。続いては玄関ドアの侵入被害の状況について確認しましょう。
玄関ドアの侵入被害
警察庁の調査によると住宅を狙った侵入被害について、戸建て住宅では窓が侵入口になるケースが多いものの、玄関ドアからの侵入も20.2%となっており、約5件に1件は玄関ドアから侵入されている状況です。また、共同住宅の場合、玄関ドアを侵入口とするケースは、3階建て以下の場合は46.7%、4階建て以上になると61.5%にも上ります[注1]。階数が上になるほど侵入手段が限られるため、空き巣などが玄関から侵入を試みるケースが増えると推測できます。このように、住宅の種類によって差はあるものの、侵入被害を防ぐためには玄関ドアの防犯対策が重要です。
まず、外出時の施錠を意識し、鍵の閉め忘れを防ぐだけで、住宅の種類を問わず玄関ドアからの侵入被害を減らすことが可能です。また、ピッキングによる解錠を許してしまうまでの時間を少しでも長く稼ぐために、鍵が複数ある玄関ドアの採用もおすすめです。
さらに、どれだけ施錠を徹底したとしても、玄関ドアに設置されたガラスを破られ、そこから工具や手を差し込んで鍵を開けられることで、侵入を許してしまうケースもあります。ガラス付き玄関ドアを採用することで、自然光を取り入れられるようになりますが、空き巣などによって侵入される可能性が高まってしまう点には注意しなければなりません。
ガラス付き玄関ドアの防犯対策
ガラス付き玄関ドアを設置する際は、あわせて防犯対策も行いましょう。具体的には、防犯ガラスの使用が効果的です。現在の玄関ドアを防犯ガラス付きのものへ交換したり、ガラス部分のみを防犯ガラスへ交換したりするなどの方法があります。
侵入犯が玄関ドアのガラスを破る手口は、代表的なものとして次の2種類があります。1つ目は、ドライバーなど細くて長い工具を用いた「こじ破り」です。ガラスと窓枠の間にあるゴム部分に工具を差し込んでガラスを割り、錠の付近に指が入る程度の穴をあける方法で、空き巣の多くのケースで使われます。
もう1つの侵入方法がハンマーやバールといった鈍器類を用いた「打ち破り」です。鈍器を直接ガラスに打ち付けて破壊し、侵入する手口です。
防犯ガラスは1枚の特殊な防犯フィルムを2枚のガラスで挟み込んで作られているため、柔軟性や強度が高く、打ち破りやこじ破りへの対策に有効です。ドライバーなどを用いてもなかなか穴があけられず、ハンマーやバールで大胆にガラスを割ったとしても、フィルムが張り付いているため貫通を許しません。
防犯ガラスによって時間を稼げれば多くの犯人は諦める
防犯対策として、非常に破られにくい防犯ガラスですが、絶対に穴をあけさせないというわけではありません。あくまでも侵入され辛いというものです。ですがその効果は大きく、犯人が侵入するまでの時間を大幅に稼いでくれます。
空き巣の犯人の多くは、侵入口の確保に時間がかかると侵入を諦めるようです。警察庁の調査によると、2〜5分かけて侵入できなかったために諦めたケースが51.4%にも上ります。そのほかにも、2分以内で諦めるケースが17.1%、5〜10分で諦めるケースが22.9%です[注2]。
つまり、10分かけても侵入できなければ、91.4%という非常に高い割合で犯人は諦めます。玄関ドアを防犯ガラス付きのものに交換しておけば、ガラスを割って侵入しようとする犯人に対して大きな抑止力となるでしょう。
[注2]警察庁:住まいる防犯110番 侵入者プロファイリング~心理と行動3
防犯性の高い玄関ドアに交換する際は専門業者に依頼しよう
玄関ドアの交換は、必要な工具を用意していればDIYで行うことも可能です。しかし、慣れない作業で玄関やドアを傷つけてしまったり、思わぬ怪我につながったりする可能性があるため、専門会社への依頼をおすすめします。外壁や玄関全体の改修など、自宅のリフォームと合わせて依頼するのも良いでしょう。業者選定や発注などの負担を減らすことができます。
防犯ガラスを使用した玄関ドアの取り付けに対応してくれるのは、ドアメーカーやガラスの専門会社、リフォーム会社などです。採用する玄関ドアのタイプにもよりますが、料金はおおよそ10〜50万円ほど。料金の内訳としては、ドア本体の購入費、設置、古いドアの撤去となっており、さらに防犯ガラスの費用が加わります。費用はなるべく抑えたいものですが、中途半端な防犯対策で簡単に突破されてしまっては意味がありません。会社を選ぶ際は料金だけに注目するのではなく、料金体系が明確、見積もりを詳細に作成してもらえる、対応が丁寧など、信頼できる会社を吟味しましょう。
CPマーク付きの玄関ドアが特におすすめ
玄関ドアを選ぶ際はCPマーク付きのものに交換するのが理想的です。CPマークは、「防犯建物部品」と呼ばれる、特に防犯性能が高いと認められた建物部品に使用されます。具体的には、泥棒などの使用が想定されるさまざまな侵入攻撃に対して、実際の試験で5分間以上耐えることができた製品が対象です。CPマークの付いた玄関ドアに換えることで、玄関ドアの防犯性能を全面的に強化できます。
また、現在ガラス付き玄関ドアを設置している場合は、ガラスを防犯ガラスに交換する方法も選択肢です。防犯ガラスへの交換だけであれば、費用や工期を抑えることができます。
さらに、できるだけコストをかけず、速やかに防犯加工を施したいなら、防犯フィルムの使用がおすすめです。ガラスに貼り付けるだけで、割れにくくしてくれます。ライターやバーナーなどの熱をあてることで、ガラスに穴をあける「焼き破り」対策にも効果的です。
その他の玄関の防犯対策
防犯ガラス付きの玄関ドアに交換するだけでは、防犯対策は十分とはいえません。空き巣は、ガラスを破る以外にもピッキングなどの手段で侵入を試みるためです。ここでは、ドアの交換以外の玄関全般における防犯対策をお伝えします。
ピッキングされにくいディンプルシリンダー錠に交換する
築年数が経過している物件や中古住宅などでは、防犯性の低いディスクシリンダーやピンシリンダーを使用しているケースがあります。この2つのタイプの錠前は、構造がシンプルであり、ピッキング技術があれば数分程度で解錠されてしまいます。そのため、玄関の防犯を強化するには、ピッキングがされにくいディンプルシリンダー錠への交換がおすすめです。
鍵をスマートロックに交換する
玄関ドアの防犯性能を高めるには、鍵をスマートロックに交換する方法もあります。スマートロックとは、スマートフォンなどの機器を使った施錠や解錠、管理が可能なシステムです。スマートロックを導入することで、鍵の閉め忘れを防止できるほか、スマートフォンと連携したハンズフリー解錠や、指定した人に開け閉めの権限を付与するなどの機能がある機種もあります。鍵を締めるのを忘れたり、締めたか不安になりがちな人は、スマートロックの導入を検討してみましょう。
着脱式のサムターンを採用する
玄関ドアの外側からドリルで穴をあけたり、ガラスを割ってサムターンを強引に回して侵入されるケースもあります。サムターン回しを防ぐためには、着脱式のサムターンを採用するのも有効です。着脱式のサムターンを設置し、外出時や就寝時などに取り外しておけば、サムターンを操作できなくなるので不審者の侵入防止につながります。
玄関にセンサーライトや防犯カメラを設置する
玄関周りが暗かったり、死角があったりすると不審者に狙われやすくなります。玄関にセンサーライトや防犯カメラを設置することも有効な防犯対策の1つです。センサーライトは、人が通るとそれを感知して点灯するため、不審者や空き巣などは警戒して近づきにくくなります。
防犯カメラは、侵入者の顔や服装などの特徴、被害に遭った時刻を記録できるため、被害に遭った際、警察に提出することも可能です。玄関ドア自体の防犯対策をすることに加えて、センサーライトや防犯カメラを設置することで、玄関の防犯性をさらに高められるでしょう。
ALSOKのホームセキュリティで家全体の防犯対策を万全に
空き巣などの侵入者に「この家は防犯意識が高い」と思わせ、侵入を諦めさせるには、ホームセキュリティの導入がおすすめです。
ALSOKのホームセキュリティは、「セルフセキュリティ」「オンラインセキュリティ」の2つをご用意しています。セルフセキュリティでは、お手頃価格でホームセキュリティを実現でき、もしものときにはALSOKの依頼駆けつけが利用可能です。
一方、オンラインセキュリティは、異常発生時には自動でALSOKが駆けつけます。さらに、帰宅時にはスマートフォンを持っているだけで警備を自動解除し、外出時もワンタッチで警備を開始する便利な機能も活用できます。また、防犯カメラとアプリ連携ができ、外出中でもリアルタイムで映像を確認することも可能です。
さらに、ALSOKのホームセキュリティは警備したい部屋を柔軟に細かく設定することが可能なため、2階で就寝中に1階の警備だけをかけるといったこともでき、就寝中や一人での在宅時にも安心です。在宅中の防犯対策も含めて、家全体のセキュリティを強化したいと考えている場合は、ぜひご相談ください。
まとめ
今回は、ガラス付き玄関ドアの防犯対策について解説しました。防犯対策の施されていないガラスが組み込まれた玄関ドアや、築年数が経過した物件や中古住宅などの玄関ドアは、防犯性の高い玄関ドアに交換すると良いでしょう。ガラスを防犯ガラスへ交換することや防犯フィルムの使用も有効です。
また、ドアの交換が難しい場合は、ディンプルシリンダー錠やスマートロックなどに交換することで防犯性を高められます。玄関だけでなく、家全体の防犯対策を考えている方は、ホームセキュリティの導入も検討すると良いでしょう。ご自宅の玄関ドアの防犯性を高めるために、本記事を参考にしていただけると幸いです。