セキュリティの高いマンションの選び方や自分でできる防犯対策
マンション探しでは、セキュリティの高さが決め手となることも珍しくありません。特に、女性が一人暮らしをする場合、空き巣や不審者、ストーカーなどから身を守るためにセキュリティレベルが高い物件を選びたいと考える人も多いでしょう。
この記事では、マンションのセキュリティレベルを見極めるポイントや、住まいのセキュリティを強化するための防犯対策について解説します。
目次
セキュリティレベルが高いマンションを見極める6つのポイント
マンションのセキュリティを判断するうえで、注目すべき点は6つあります。
1.防犯カメラが設置されている
マンションの敷地内に防犯カメラが設置されていれば、空き巣やストーカーなどの犯罪行為を抑止しやすくなります。
ただし、多くの防犯カメラが設置されていても、死角が多ければ簡単に侵入されるおそれがあるため、設置場所は重要です。エントランスや駐輪場、エレベーターだけでなく、不審者に狙われやすいバルコニー付近を画角に収めた防犯カメラが設置されていれば、犯罪行為の早期発見と迅速な対応が可能です。
2.オートロックを採用している
オートロック式の扉はカードをかざしたり、暗証番号を入力したりしないと建物内に入れないため、不審者の侵入防止に役立ちます。オートロック式の物件は、新築マンションや分譲マンションに多いのが特徴です。オートロックの解錠方法には、主に以下の5つの種類が知られています。
- 暗証番号
- カードキー
- 集合キー
- 生体認証(指紋、顔など)
- 非接触タイプ
また、近年はエレベーターにも専用システムを導入し、鍵やカードをかざしてから階数を選ぶ物件も登場しています。
ただし、オートロック式の物件であっても、住人の後をつけて内部に侵入するなど、空き巣やストーカー被害が発生している点に注意が必要です。オートロックを過信することなく、マンション内に入るときは必ず周囲の状況を確認するようにしましょう。
3.玄関の鍵に「ディンプルキー」が使われている
築年数が経過したマンションの中には、「ディスクシリンダー」「ピンシリンダー」などのギザギザした形状が特徴の鍵が使われている物件があります。これらの鍵は2000年頃まで広く普及していましたが、構造がシンプルなため、ピッキングや複製がしやすく防犯性が低いというデメリットを抱えています。不審者の侵入を防ぐなら、表面のくぼみ(ディンプル)が特徴の「ディンプルキー」への交換がおすすめです。ディンプルキーは、ディスクシリンダーやピンシリンダーと比べて構造が複雑なため、第三者による複製やピッキングの防止に役立ちます。
4.窓に防犯ガラスが使われている
2023年には、マンションを対象とした侵入窃盗が全国で4,889件発生しており、窓が侵入口となった事例は全体の約34%です。そのため、窓に防犯ガラスが使用されているマンションがおすすめです。防犯ガラスは特殊加工によって耐衝撃性が高く、割る際に時間がかかるため防犯性が高いのが特徴です。
なお、窓は共有部分であり、管理人や管理会社の許可なく防犯ガラスに交換することはできないため、最初から防犯ガラスが使用されているマンションを選ぶとよいでしょう。
出典:警察庁「住まいる防犯110番 手口で見る侵入犯罪の脅威」
5.モニター付きインターホンで来訪者を確認できる
モニター付きインターホンであれば、玄関を開けることなく来訪者の様子を確認でき、不審者の侵入を防止しやすくなります。モニターが付いていないインターホンの場合、来訪者を玄関扉やのぞき窓で確認する必要があり、防犯性が低下します。運送業者や点検業者を装って室内に侵入しようとするケースもあるため、玄関をむやみに開けてしまうと危険です。
そのため、モニター付きインターホンが設置されているマンションがおすすめです。インターホンには録画機能が搭載されているものも多く、万が一の際の証拠としても利用できます。
6.管理人やコンシェルジュが24時間常駐している
大型の分譲マンションには、24時間有人管理の物件もあります。トラブルが発生した場合に、常駐している管理人やコンシェルジュにすぐ相談できるため安心です。警備員の巡回があれば、泥棒やストーカーなどの早期発見も可能です。
マンションのセキュリティを強化する防犯対策
警察庁の調査によると、侵入窃盗の侵入手口は、「無締り(無施錠)」と「ガラス破り」が7割以上を占めています。そのため、防犯対策は玄関や窓、ベランダなどを中心に行う必要があります。ここでは、マンションのセキュリティを強化する防犯対策を5つご紹介します。
1.玄関や窓に補助錠を取り付ける
防犯対策の基本は、1つのドアに2つの鍵を取り付ける「ワンドアツーロック」です。玄関や窓に補助錠を設置すれば、不審者が侵入するまでの時間を稼げます。
警察庁の調べによると、侵入に2分以上かかると不審者の約5割が、5分以上かかると約7割が侵入をあきらめることがわかっています。つまり、侵入までの時間を5分稼ぐことができれば、不審者から狙われにくくなるといえます。
ワンドアツーロックで二重にセキュリティを強化し、不審者の住居侵入を防ぎましょう。
出典:警察庁「住まいる防犯110番 侵入者プロファイリング~心理と行動~」
2.窓に防犯フィルムを貼る
窓からの侵入では、窓ガラスを破壊したり、焼き破ったりする「ガラス破り」の手口も多くあります。そのため、マンションの窓のセキュリティを強化するなら、「防犯フィルム」の活用もおすすめです。防犯フィルムは、窓ガラスを張り替えなくても、ガラス自体の強度を上げるフィルムを貼付することで、侵入までの時間を稼げます。
なお、賃貸マンションにお住まいの場合は、防犯フィルムを貼る前に管理人や管理会社に相談しましょう。
3.ベランダに防犯カメラやセンサーライトを設置する
マンションなどの共同住宅の場合、ベランダから侵入されるケースも見られます。外壁の雨樋や排水管を伝ってベランダから侵入する「雨樋上り」や、屋上からロープなどを垂らしてベランダに降りる「下がり蜘蛛」など、さまざまな手口があります。階層に関係なく侵入されるリスクがあるため、ベランダにも防犯対策が必要です。
たとえば、防犯カメラやセンサーライトは設置しているだけでも威嚇効果があるため、不審者が嫌がる防犯アイテムです。不審者は侵入前に下見をするケースも多く、防犯カメラやセンサーライトが設置された家は狙われにくくなります。玄関や裏口、死角になる箇所に設置するようにしましょう。
4.一人暮らしを悟られないようにする
一人暮らしの場合は、それを悟られないようにすることも重要です。一人暮らしは留守のタイミングが予測しやすいため、空き巣に狙われやすくなります。また、万が一不審者と鉢合わせてしまうと、窃盗だけでなく強盗に遭うことにもつながります。特に女性の場合は性犯罪に遭ってしまうことも考えられます。
一人暮らしを悟られないためには、次のような方法が効果的です。
- 洗濯物を外に干さない
- シンプルなデザインのカーテンを選ぶ
- 表札や郵便受けに名前を書かない
- 郵便受けに鍵をかける
- 帰宅時には「ただいま」などの声をかけてから室内に入る
- 個人情報が記載されたゴミはそのまま捨てない
5.ホームセキュリティサービスを導入する
セキュリティに配慮されたマンションを選んでも、犯罪に巻き込まれるリスクをゼロにすることはできません。既存のセキュリティだけでは不安に感じる場合は、万が一に備えてホームセキュリティサービスの導入をおすすめします。
ALSOKでは、マンションで安心して暮らせるようホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」をご提供しています。
ALSOKのホームセキュリティは、「セルフセキュリティ」「オンラインセキュリティ」の2つから選択できます。セルフセキュリティでは、お手頃価格でホームセキュリティを実現でき、もしものときにはガードマンの依頼駆けつけが利用可能です。オンラインセキュリティでは、不審者の侵入や火災などの異常発生時に自動でガードマンが駆けつけます。不審な来客で危険を感じたときはボタン1つで緊急通報も行えます。
また、スマートフォンを機器に近づけるだけで自動で警備を解除し、外出時はワンタッチで警備を開始する機能も活用できます。窓の閉め忘れやスマートフォンの持ち忘れのお知らせ機能もあるため、毎日慌ただしく家を出ることの多い方も安心です。
セキュリティ面でおすすめできないマンションの5つの特徴
一方、次のような特徴を持つマンションはセキュリティ面に懸念があるため、あまりおすすめできません。
1.共用部分が汚い
ゴミ捨て場・エントランス・郵便受け・廊下など、共用スペースが整理整頓されていないマンションは、大家や管理会社の目がきちんと行き届いていないといえます。防犯意識が低いことも多く、高いセキュリティレベルを求めるのであれば、あまりおすすめできない物件です。
また、空き巣やストーカーは事前に犯行場所の下見をしています。廊下にゴミが散乱していたり、郵便受けにチラシが溜まっていたりする物件は、長期間不在にしていると思われ、不審者に狙われやすくなってしまうため注意が必要です。
2.足場代わりに利用できるものがある
不審者はベランダやバルコニーからも侵入します。中高層マンションであっても油断はできません。2023年に4階建以上の共同住宅で発生した侵入窃盗のうち、約10%がガラス破りの手口によるものでした。
ベランダの周辺に木が生えていたり、塀があったりする物件は、不審者が木や塀に足を掛けてよじ登り、窓を割って住居侵入を試みる危険があります。物件を内見するときは、ベランダの周辺も必ずチェックしましょう。
出典:警察庁「住まいる防犯110番 手口で見る侵入犯罪の脅威」
3.人通りや街灯が少ない
マンションの立地にも注意が必要です。警察庁の調査報告書では、子どもや女性を狙った犯罪の被疑者・行為者のうち、34.6%が犯行時に「人の有無(人通り)を気にかけていた」というデータがあります。
また、「死角が多い」ことを犯行場所選びの基準に挙げている被疑者・行為者もいます。先の調査では、全体の7.7%が死角を意識しているようです。
安全安心に暮らせるマンションを選ぶなら、上記のような犯人の心理を考慮し、人通りが少ない物件や、街灯が少なく夜間などに死角が生まれやすい物件は避けるのが無難です。
出典:警察庁「子供・女性に対する犯罪等を防止するための対策に関する調査研究」
4.周囲からの見通しが悪い
敷地内に背の高い樹木が植えられていたり、塀に囲まれていたりする物件は、周囲からの見通しが悪い分、一度侵入してしまえば犯行の様子が外から見えないため、不審者に狙われるリスクが高くなります。
5.「単身者向け」のマンション
「単身者向け」のマンションは、昼は学校や仕事で不在にしていることが多く入居者の状況を予測しやすいため、不審者から狙われやすい物件です。また、単身者が多いことから住人同士の交流も少なく、不審者が侵入しても気づくことができない可能性があります。
セキュリティが高いマンションを選んで安心できる住まいを手に入れよう
安全安心な住まいのため、マンション探しの際はセキュリティレベルをチェックしましょう。共用部が整理整頓されていない物件や人通りの少ない物件は、防犯上あまりおすすめできません。 また、防犯グッズや防犯サービスを活用すれば、すでにお住まいのマンションのセキュリティを強化することも可能です。ALSOKのホームセキュリティなら、不審者の侵入や火災などのリスクから、24時間365日体制で大切なお家を守ります。ガードマンが全国に常駐しているため、いざというときに安心です。
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