知らない人に声をかけられる人の特徴は?
声かけ・つきまとい被害に遭わないためには、不審者に「隙」を与えないことが大切です。
知らない人に声をかけられやすい人は、周囲への注意力が散漫となり警戒心が乏しい状態にあることから、不審者に声をかける隙を与えてしまっています。知らない人に声をかけられやすい人の特徴を知り、日頃の行動パターンを見直すことが大切です。
この記事では、見知らぬ人に話しかけられやすい人の共通点や、子どもを犯罪被害から守るための防犯教育について解説します。
知らない人に声をかけられやすい人の2つの特徴
知らない人によく話しかけられる人には、実は共通点があります。声かけ・つきまとい・立ちふさがりといった迷惑行為は、殺人・強盗・性犯罪といった重大犯罪の前兆事案であるケースも少なくありません。
日頃の行動が「声をかけられやすい人」の特徴に当てはまっていないか、今一度チェックしてみましょう。
注意力が散漫な状態
不審者の多くは、周囲に対する警戒心が乏しく、声をかける隙がある状態の人をターゲットにします。たとえば、次のような人は狙われやすいため注意が必要です。
- ぼんやりと考え事をしている
- うつむいた姿勢で、あまり周囲を見ていない
- スマートフォンや音楽プレーヤーを操作しながら歩いている
- ゆっくりとしたペースで歩いている
- はっきりした目的がなく、暇そうな様子をしている
迷惑行為をする不審者は、ターゲットの「後方」から近づいてきます。
警察庁の調べでは、女性に対する声かけ・つきまとい・卑わいな言動の54.6%が、「後方」からの接触によるものであることがわかっています。暴行や性犯罪などの犯罪被害についても、接触方向が「後方」だったものは全体の73.8%です。[注1]
周囲に対する注意力が散漫な状態だと、不審者の「後方」からの接触に気がつくことができません。逆に、視線を上げてきびきび歩いている人や、周囲への警戒を怠っていない人は、不審者のターゲットになりにくくなります。
不審者は大声を出されることや、周囲に助けを求められることを嫌がります。声かけやつきまといに遭わないためには、つねに周囲への警戒を怠らないことが大切です。
同行者がおらずひとりで出歩いている
警察庁の調べによると、ひとりで出歩いている子どもや女性が、不審者の標的になりやすいことがわかっています。逆に、同行者がいた場合は、声かけ・つきまとい・立ちふさがりといった迷惑行為に遭う可能性が低くなります。
被害事案に占める割合 | ||
---|---|---|
同行者あり | 同行者なし | |
女性(13歳未満) | 50.0% | 50.0% |
女性(13歳~19歳) | 17.6% | 82.4% |
女性(20~34歳) | 6.3% | 93.8% |
女性(35歳以上) | 7.7% | 92.3% |
[注1]
13歳未満の児童の場合のみ、友人などの同行者がいても半数のケースで被害が発生していますが、それ以外の年齢層では同行者の有無が大きな影響を与えています。罪種別に見たデータでも、ひとりで出歩くことの危険性がわかります。
被害事案に占める割合 | ||
---|---|---|
同行者あり | 同行者なし | |
声かけ・つきまとい・痴漢 | 21.4% | 78.6% |
盗撮・のぞき見 | 31.6% | 68.4% |
性犯罪 | 8.3% | 91.7% |
[注1]
声かけやつきまといは、暴行や性犯罪の前兆事案であるケースが少なくありません。誰かしら同行者がいれば、不審者に狙われる可能性が低くなります。特に夜間に外出する際は、必ず家族や保護者に同行してもらいましょう。
もし知らない人に話しかけられたらはっきりと意思表示を
もし見知らぬ人に声をかけられたら、どう対処すればよいのでしょうか。大切なのは、「いやです」「興味ありません」とはっきり意思表示することです。
何気ない問いかけのように思えても、顔も名前も知らない人が、いきなり話しかけてくるのは不自然な状況です。ちょっとした声かけやつきまといがきっかけとなって、重大な犯罪に発展した事例は少なくありません。もし知らない人が話しかけてきたら、「いやです」「興味ありません」と意思表示しましょう。
それでも不審者がしつこくつきまとってくるようであれば、大声で周囲に助けを求めるか、すぐに110番をして警察を呼びましょう。服や腕をつかまれたりしないよう、不審者が近づいてきたら、すぐに距離をとることも大切です。
防犯ブザーがあれば声を出す勇気のない人も安心
「不審者が怖くて意思表示できない」「大声を出すのが得意ではない」という人もいるかもしれません。そういった場合、普段から防犯ブザーやホイッスルを携帯していると安心です。
不審者は大声や大きな物音を嫌がります。意思表示が苦手な方でも、防犯ブザーやホイッスルで大きな音を出せば、不審者を撃退できる可能性が高くなります。もし防犯ブザーやホイッスルを携帯していない場合は、とっさに携帯電話やスマートフォンで大きな音を出すことでも代用できます。
防犯ブザーやホイッスルには、迷惑行為や犯罪行為の抑止効果がある点もポイントです。防犯グッズを目につく場所に取り付けておけば、防犯意識の高さを周囲にアピールでき、不審者のターゲットになる可能性は少なくなります。
子どもを狙う犯罪を防ぐために「防犯教育」が必要
子どもをターゲットにした声かけ・つきまとい事案は増加しています。愛知県警の調べによると、2019年中に発生した13歳未満への声かけ・つきまといの件数は、2012年以降最多となる1,209件でした。[注2]
警察官を装って声をかけるなど、声かけの手口は巧妙化しています。日本不審者情報センター(JASPIC)によると、実際に発生した声かけ事例には次のようなものがあります。
発生日 | 発生場所 | 声かけ | 現場の状況 |
---|---|---|---|
2020年9月8日 | 熊本県合志市豊岡 | お菓子あげるから車に乗らない? | 車に乗り、下校途中の児童に後ろから近づき、声をかけた |
2020年8月31日 | 岐阜県高山市清見町三日町 | こんにちは、どこの学校? | 下校途中の男児に声をかけ、カメラで撮影した |
2020年7月31日 | 大阪府泉佐野市上之郷 | 日根神社の場所を教えてほしい、車に乗って説明して | 車の中から、自転車の男児に声をかけた |
2020年6月11日 | 兵庫県養父市八鹿町八鹿 | 問題に答えたらお金をあげるよ、名前を教えて | 通行中の男児らに声をかけた |
[注3]
「いかのおすし」を覚えてもらおう
不審者の声かけにはさまざまな手口があり、子どもが判断に困ってしまうケースも少なくありません。見知らぬ人に声をかけられたら、「いかのおすし」を実践するように教えましょう。「いかのおすし」は警視庁が考案した防犯標語です。
「いか」ない:知らない人についていかない
「の」らない:知らない人の車に乗らない
「お」おきなこえをだす:危険を感じたら大声を出す
「す」ぐににげる:その場からすぐに逃げる
「し」らせる:大人の人に知らせる
「いかのおすし」は小さな子どもでも覚えやすく、全国の小・中・高・特別支援学校などで、防犯標語として浸透しています。
見知らぬ人に声をかけられ、その場で考え込んでしまうと、性犯罪や連れ去り被害に遭う可能性が高くなります。子どもがすぐに正しい行動をとれるよう、「いかのおすし」を教えましょう。
ALSOKでは全国の小学校で、登下校やお留守番などのシーンに合わせた防犯出前授業「あんしん教室」を行っています。
「ALSOKあんしん教室」について詳しくみる知らない人に声をかけられないようにするためには
知らない人に声をかけられたり、つきまとわれたりしやすい人には共通点があります。しっかり前を向いてきびきび歩き、周囲への警戒を怠らないことで、不審者のターゲットになりにくくなります。
子どもを犯罪被害から守るためには、子どもへの防犯教育も大切です。「いかのおすし」をキーワードとして、見知らぬ人の誘いに乗らず、すぐにその場から逃げるよう指導しましょう。
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