居空きとは?忍び込みや空き巣との手口の違いや防犯対策
警察庁の調べによると、令和4年中(2022年)の住宅対象侵入窃盗は15,692件発生しています。
住宅をターゲットにした侵入窃盗は、留守の間を狙う「空き巣」だけではありません。家人が寝静まったのを見計らって侵入する「忍び込み」や、さらには家人が在宅中の隙をついて家財を狙う「居空き」も多発しています。居空きや忍び込みは、犯人と鉢合わせると身体に危害が及ぶ可能性があります。
この記事では、特に「居空き」に焦点を当てて、空き巣・忍び込みとの手口の違いや、住まいの安全を守る防犯対策について解説します。
目次
居空きとは?忍び込みや空き巣との違い
居空きとは、住人の在宅中(夜間の就寝中を除く)に侵入し、窃盗を行う犯罪のことを指します。居空き犯は、在宅している住人に気づかれないよう侵入しますが、場合によっては鉢合わせしてしまう恐れもあります。犯人は凶器を持っているケースもあり、鉢合わせすると襲われることも考えられます。また、居空きの犯人はあらかじめターゲットの家族構成や生活状況を下調べしていることがあります。
居空きのリスクが高まる状況
居空きのリスクが高まる状況として、以下が考えられます。
音のする環境
工場・工事などで騒音が発生している、激しい雨が降っている、音楽をスピーカーから流したり演奏したりしているなど、音がする環境は、居空きを行おうとする者にとっては好都合となります。また、耳の不自由な方や耳の遠い高齢者しか在宅していない家も狙われやすく、注意が必要です。
入浴をしているときやベランダで洗濯物を干しているとき
在宅中の住人が一定時間狭い空間にとどまっている場合に、目の届かない場所から侵入される可能性があります。
家族全員がリビングなどに集まっているとき
家族が1階に集まっているときに2階の窓から侵入されるなど、誰もいない場所から侵入されるケースがあります。
普段使っていない部屋がある
普段使っておらず人の出入りがない部屋がある場合も注意が必要です。施錠していても、ガラス破り等で侵入されるケースがあります。
空き巣や忍び込みとの違い
家人が留守の間を狙うのが「空き巣」で、家人が在宅中に住居侵入を図るのが「居空き」や「忍び込み」です。居空き・空き巣・忍び込みの違いを表にしました。
居空き | 家人が在宅中、隙を見計らって侵入する |
---|---|
空き巣 | 家人が留守の間に侵入する |
忍び込み | 家人が就寝中に侵入する |
居空き・忍び込みの被害は全体の約3割
警察庁の調べによると、令和4年(2022年)に発生した侵入窃盗のうち、居空き・空き巣・忍び込みの被害が占める割合は次のようになっています。
空き巣は発生した侵入窃盗の63.9%を占めています。一方、居空きと忍び込みについては合わせて全体の30.5%を占めており、これらの手口では泥棒と住居内で鉢合わせるリスクがあります。泥棒と鉢合わせてしまうと、身体に危険が及ぶこともあるため、在宅中の防犯対策を検討しておくようにしましょう。
居空き・空き巣・忍び込みのそれぞれの手口の違い
住居侵入に使われる代表的な手口は次の3つです。
無締り (無施錠) |
戸締まりを忘れた窓や玄関ドアから侵入する |
---|---|
ガラス破り | ドライバーなどでガラスを突き破る「こじ破り(三角破り)」や、ライターやバーナーでガラスを急加熱する「焼き破り」など、窓ガラスを破って侵入する |
施錠開け (ドア錠破り) |
特殊な工具を使ってドア錠の鍵を解錠したり、ドア枠の隙間にバールを差し込んで破壊したりして侵入する |
居空き・忍び込みで多い手口は「無締り」
居空き・忍び込みの手口で最も多いのが「無締り(無施錠)」です。
一戸建て住宅においても、アパートやマンションといった共同住宅においても、居空き・忍び込みの両方で侵入手段としては「無締り」が最も多い結果となっています。
なお、一戸建て住宅では、居空き・忍び込みの両方で「無締り」に次いで「ガラス破り」の割合が多くなっていることがわかります。
「ガラス破り」の手口のなかでも、ライターやバーナーを使う「焼き破り」は、ハンマー・バール・ドライバーといった工具に比べ、窓ガラスを壊すときにほとんど音がしません。在宅中においても大きな音を立てずに窓ガラスに穴を開けられてしまう可能性があるため、注意が必要です。
侵入対象となった住宅のタイプ別に空き巣の手口を分析
警察庁発表のデータを見ると、一戸建て住宅を対象とした空き巣の手口については、「ガラス破り」が43.4%で最も多く、次いで「無締り」が39.0%となっており、この2つの手口で全体の82.4%を占めています。
共同住宅(4階建て以上)を対象とした空き巣の手口では、「無締り」が35.3%で最も多く、「施錠開け」が29.1%、「ガラス破り」が13.3%となっています。
また、共同住宅(3階建て以下)を対象とした空き巣の手口では、「無締り」が46.8%で最も多く、「ガラス破り」が20.8%、「施錠開け」が18.4%となっています。
空き巣の被害に遭わないようにするため、ピッキングに強い錠への交換、サムターン回し対策、ガラスに防犯フィルムを貼るなどの対策を検討するとともに、ちょっとした外出時でも確実に施錠するようにしましょう。
居空き・空き巣・忍び込みを撃退する5つの防犯対策
ここでは、居空き・空き巣・忍び込みから大切な住まいを守るための防犯対策を紹介します。
在宅時でもドア・窓を閉めて施錠する
在宅中であってもドアや窓は閉めて施錠するようにしましょう。外出時には、家族が在宅している場合においても在宅していない場合においても、確実にドアを施錠するようにしましょう。
補助錠を設置し「ワンドアツーロック」にする
住まいの防犯対策の基本は、1つのドアに2つの錠を取り付ける「ワンドアツーロック」です。警察庁のWebページ「住まいる防犯110番」においては、侵入窃盗犯のうち、侵入に5分かかると侵入をあきらめる者は68.5%であるとされています。補助錠を利用することで、侵入にかかる時間を長くすることができ、侵入窃盗に遭うリスクを低減させることができます。
ALSOKでは、ご自宅の引き戸式のアルミサッシ窓に内側から取り付ける補助錠を取り扱っております。この機会に、補助錠の利用をご検討ください。
窓ガラスの破壊に対抗する
窓ガラスが破られ、侵入窃盗の被害に遭うケースがあります。CPマークが付与された合わせガラスまたは合わせ複層ガラスを導入することで、そのような被害に遭うリスクを低減できます(単なる複層ガラス(ペアガラス)、強化ガラス、網入りガラスなどは防犯性が高くないことに注意が必要です)。また、コストパフォーマンスの良い防犯対策として、防犯フィルムを窓ガラスに貼るという方法もあります。
防犯カメラを設置する
防犯カメラの設置は侵入窃盗を抑止する効果があります。侵入窃盗犯の多くは事前に犯行場所の下見をしています。防犯カメラや監視カメラが設置されていれば、その住戸がターゲットに選ばれる可能性が低くなります。万が一犯罪被害に遭ってしまった場合、カメラの映像に犯人の姿が映っていれば、その映像が犯人の特定・逮捕に役立ちます。
ホームセキュリティを導入する
強力な防犯対策を希望される場合は、警備会社の提供するホームセキュリティがおすすめです。ALSOKのホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」では、「セルフセキュリティ」「オンラインセキュリティ」の2つがあり、ご希望に合ったサービスをお選びいただけます。セルフセキュリティでは、お手頃価格〔月額 990円(税込)から〕でホームセキュリティを実現でき、もしもの時にはガードマンの依頼駆けつけが利用可能です。オンラインセキュリティでは、異常発生時に自動でガードマンが駆けつけます。特別な訓練を積んだガードマンが、被害の拡大防止のため迅速かつ適切に対処し、お客様のお住まいを守ります。ALSOKのホームセキュリティなら相談は無料、専門のアドバイザーがあなたのニーズにぴったりのプランをご提案いたします。ぜひ、お気軽にご相談ください。
居空き・空き巣・忍び込みを未然に防ぐため、住まいの防犯対策を!
居空き・空き巣・忍び込みの被害に遭わないためには、住まいを守る防犯対策が必要です。ホームセキュリティを導入したり、補助錠、CPマーク付きの窓ガラスや防犯フィルム、監視カメラなどを活用したりすることで、侵入窃盗の被害に遭いにくい住まいにしていきましょう。