高齢者のスマホ利用について
これまで、高齢者はあまりスマートフォン(スマホ)を使っていないイメージがありましたが、最近では高齢者へのスマホ普及率が目に見えて増加してきています。高齢者の方がスマホを選ぶ際は、操作性や画面の大きさ・見えやすさなどに注意して選ぶことで、より快適にスマホを利用できるようになるでしょう。
本記事では、高齢者へのスマホの普及状況や高齢者の方がスマホを選ぶ際のポイント、スマホ利用時に注意しておきたいセキュリティなどについて、解説します。
目次
高齢者のスマホ普及率は年々右肩上がり

総務省の「令和5年通信利用動向調査」によると、65歳以上の高齢者の内、スマホを保有している人の割合は2023年時点で56.2%でした。2013年時点では4.2%だったため、この10年で保有率が大きく増加し、高齢者の過半数がスマホを持つ状況に変化したことになります。[注1]
一方、それとは反対に年々減少しているのが従来型の携帯電話(ガラケー)等の保有率です。2013年には40.4%とスマホを大きく上回っていたものの、2023年には割合は逆転し、ガラケー等の保有率は25.7%にまで減少しています。
このことから、高齢者においても従来型の携帯電話に代わりスマホ広く普及していることがわかります。
高齢者がスマホを選ぶ際の5つのポイント
いわゆる「ガラケー」から初めてスマホに乗り換えた際、同じ携帯電話でありながらまったく操作感の異なるスマホを使いこなすのに、四苦八苦した方も多いと思います。
高齢者の方が初めてスマホを使う際にも、同じようなことが起きることが十分想定されるため、高齢者の方がスマホを選ぶ際には以下のようなポイントに注意しておいたほうがよいでしょう。
- 操作がわかりやすい
- 画面が見やすい
- 持ちやすく丈夫で壊れにくい
- 家族と同じキャリア
- サポートがしっかりしている
それぞれのポイントについて、説明します。
1 操作がわかりやすい
操作がわかりやすいことは、高齢者がスマホを選ぶ際の必須ポイントです。スワイプにピンチイン・ピンチアウト・フリック入力など、スマホの基本的な操作はただでさえ慣れるのに時間がかかるため、そのほかの操作がわかりにくいと高齢者の方が使いこなすのは非常に大変です。
普段の生活のなかで、どの程度スマホを利用するかにもよりますが、利用頻度の高い電話・メール・インターネットといった機能を利用するための操作や、困ったときにホーム画面に戻るための操作はわかりやすいのが望ましいでしょう。
スマホは物理的なボタンが少ないので、感覚的にわかりやすく操作ができるかどうかは非常に重要です。
また、機種によっては、物理的なボタンが1つもないスマホもありますが、なるべく物理的なボタンがある機種を選んだ方がわかりやすいでしょう。
2 画面が見やすい
スマホの画面は、以前の携帯電話から比べれば大きくなったことは間違いありませんが、それでも高齢者の方にとっては見にくいことが多いです。そのためできるだけ画面が大きくて見やすいものを選ぶように心がけましょう。
見やすさに影響するのは画面の大きさだけではなく、文字のフォントや画面の明るさ・色調なども影響します。画面の大きさ以外は設定で調節できることが多いので、スマホを購入したら自身が見やすいように設定を変更するとよいでしょう。
3 持ちやすく丈夫で壊れにくい
スマホは決して持ちやすさに配慮された形状というわけではないので、高齢者でなくても注意して使っていなければ落としてしまうことがあります。高齢になると握力が衰えてくることも考えられますので、その傾向はより顕著なるでしょう。
画面の見やすさは重要ですが、そこまで大きいサイズではなく、手になじみやすいものを選ぶようにしましょう。
また、万が一落としてしまった場合でも壊れにくいように、耐衝撃性能や防水性能に優れているもののほうが望ましいです。傷がつきにくいガラスを採用して画面の強度を高めているものもあるので、そういった部分もスマホ選びのポイントとなります。
4 家族と同じキャリア
高齢者の方がスマホの使い方でわからないことがある場合、頼りにする頻度が高いのはおそらく家族でしょう。
例えば、スマホは「ガラケー」と違い「OSのアップデート」「アプリのアップデート」という操作を定期的に行う必要があります。
パソコンを使ったことがある方はアップデートの意味を理解していることが多いですが、そうでない場合はこの処理を行うために四苦八苦するかもしれません。家族と同じキャリアであれば、こうした操作方法を教えてもらえますし、代わりに対応してもらうことも比較的簡単でしょう。
5 サポートがしっかりしている
家族が頼れない場合には、キャリアのサポートに頼ることになるので、サポート体制がしっかりしていることも、高齢者にとっては重要なポイントです。「わからないことがあってもサポートに確認すれば安心」と思えることは、スマホの利用に対する不安を和らげてくれます。
ただ、サポート体制はバッチリでも、どのようにすればサポートセンターに連絡できるのかがわからないということも考えられます。スマホのなかには、サポートセンター直通のボタンが設けられているようなものもあるので、そのような機種を選ぶことでより安心して利用できるでしょう。
高齢者がスマホを使用する際にはセキュリティに注意が必要

スマホは「携帯電話」ではあるものの、その性能はいってみれば持ち運びできるパソコンのようなものです。パソコンをよく利用している人は、個人情報の流失を防ぐことや、危険なサイトは訪れないように気をつけることは、当然のことでしょう。
スマホを利用する際も、同じような意識でいるため、危険そうなアプリなどに対してはある程度自衛本能が働くと思います。
しかし、高齢者のなかには、スマホをあくまでも「便利な携帯電話」という感覚で利用している方もおり、スマホ利用時の危険性を理解できていないことも多いようです。そのため、提供元のよくわからないアプリなどを気軽にインストールしてしまい、個人情報が流出してしまうような可能性があります。スマホがどのようなものか、利用する際の注意点などをしっかりと理解することも重要ですが、悪意のあるサイトなどは巧妙な手口のものも多いためそれだけでは心配です。
設定を変更し提供元が不明なアプリをインストールできないようにしておくなど、ハード面でのセキュリティ対策を行っておくことが重要です。
また、スマホではGPS機能を利用してスマホの現在位置を確認することもできます。このような機能は家族と連絡がつかない際に役立ちます。
ですが、GPS情報を介して個人情報が漏えいするケースもあります。そのため、スマホの機能別にGPS情報を設定するようにしましょう。
高齢者のスマホは「安心して利用できる」ことが重要なポイント
高齢者へのスマホ普及率は年々右肩上がりで伸びてきており、ここ数年間でフィーチャーフォンとの立場関係ははっきりと逆転しました。高齢者の方はスマホを利用するのが初めてという方も多く、スマホを選ぶ際は操作がわかりやすい・画面が見やすい・サポート体制がしっかりしている、などの点を重視する必要があります。
また、セキュリティにも注意しておく必要があるので、あらかじめ設定して提供元不明のアプリをインストールしないようにしておきましょう。
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