空き巣被害に遭った場合の保険での補償について
住民のいない隙を狙って盗みをはたらく空き巣。その脅威はいまだに衰えてはいません。空き巣被害に遭うと、大切な家財が失われることがあり、侵入に玄関ドアや窓ガラスが破壊された場合などには修理代などがかかります。しかし、空き巣被害を補償する保険に加入していれば、損害が補償されることがあります。本記事では、空き巣被害に遭ったときの保険手続きの流れと保険に加入するときに確認すべきポイントについて解説します。
住宅侵入による窃盗件数は減少傾向にあるものの、油断は禁物!
警察庁が公表している「令和4年の刑法犯に関する統計資料」によると、住宅侵入による窃盗の認知件数は以下のようになっています[注1]。
上のグラフからわかるとおり、「侵入窃盗」の認知件数は減少傾向にありますが、平成29年(2017年)から令和4年(2022年)までの6年間において最低の発生件数であった令和4年(2022年)であっても、1日約100件も発生しているという計算になります。このことからいまだに侵入窃盗は多く発生しており、決して油断できない状況であるといえるでしょう。
空き巣被害に遭ったときの対応
もし空き巣被害に遭ってしまったら、どのように対処すればよいのでしょうか。
以下は、空き巣被害に遭ったときにやるべきことを順番に並べています。
警察へ通報し、外で待機!
空き巣の被害に遭ったことが判明したら、まず警察に通報してください。
何よりも身の安全を確保することが先決です。警察が到着するまでは外で待ちましょう。住宅内の被害を把握することも大切ですが、もしかしたら犯人が室内や近くにいて、様子をうかがっている可能性も否定できません。
また、荒らされていた室内やベランダや庭は絶対に片付けないようにしましょう。犯人につながる手がかりを消してしまう恐れがあります。
カード類の盗難被害を確認
警察が到着し、家の中の安全が確保されたら、まずは室内に保管していたクレジットカードやキャッシュカードが盗まれていないかを確認してください。
盗まれていた場合は、すぐにそれぞれの銀行やクレジットカード会社などに連絡をしてカードの使用を停止させましょう。不正引き出しや不正利用を未然に防ぐだけでなく、犯人の使用履歴を追う手がかりにもなります。
大家もしくは不動産会社への連絡
クレジットカードやキャッシュカードの利用停止が完了したあと、賃貸住宅にお住いの場合は、大家さんや不動産会社に空き巣の被害にあったことを連絡しましょう。空き巣が侵入する際に破壊した窓ガラスやドア、そのほかの箇所の修繕の手配をお願いしましょう。
また、もし犯人がスペアキーを用いて侵入した場合は、すぐに不動産会社に鍵を変えてもらうように伝えましょう。空き巣の再犯を未然に防ぎ、自身の身を守ることにもつながります。
なお、鍵はディンプルキーなどピッキングされにくく防犯性の高い形状を選べばより安心です。
保険に入っていれば、保険会社か代理店へ連絡
総合補償タイプの住宅総合保険(保険会社により商品名が異なります)、家財保険(賃貸住宅向けの火災保険商品)及び動産総合保険(特定の動産を保険の対象とする保険商品)では、空き巣による盗難被害に遭った際の損害が補償されます。不測の事態に遭う前に、まずは、ご自身が契約されている保険商品に盗難の補償があるか、被害に遭った際に原状回復するための補償(損害保険金)が得られるかを代理店に確認しておくとよいでしょう。
空き巣被害に遭ってしまったら速やかに警察に被害届を出してください。現場で警察を呼んだ場合は、警察の指示に従いましょう。被害届が受理された後、保険会社または代理店に連絡し、保険金請求の手続きを進めることになります。
しっかり補償(損害保険金)を受けるためには保険の内容を事前に確認する
補償をしっかりと受けるための大事なポイントは、補償内容を理解することと保険金額を正しく設定することです。補償内容はパンフレットや重要事項説明書を確認するだけでなく、代理店の説明をよく受けることが肝要です。また、保険の補償内容と保険金額については、定期的に見直しされることをお薦めします。なお、宝石貴金属、現金・有価証券の補償に関しては、事前に代理店に確認しておきましょう。
オートバイや自動車は補償対象外
敷地内で保管していた自転車や原付自転車(総排気量125cc以下)が盗まれた場合は、火災保険の盗難の補償対象となりますが、保険会社によっては保管場所を定めていることもありますので、契約内容を確認しておくようにしましょう。侵入窃盗によって、総排気量が125ccを超えるオートバイや自動車を盗まれてしまった場合、火災保険の補償の対象外となることが一般的です。侵入窃盗による自動車の盗難は車両保険で補償されます(保険会社によっては「車両盗難不担保特約」をつけることができ、これをつけていると盗難による損害は補償の対象外になります)。バイクの盗難補償については、バイク販売店か代理店にご確認ください。
空き巣被害に遭わないための防犯対策
ここまでは実際に被害に遭った場合の話でしたが、被害に遭う前に未然に防ぐことも大切です。
空き巣被害に遭わないためにまず必要なのは「セキュリティの強化」です。ポイントは家の中も外も同じように強化すること。どちらもできて初めて防犯対策が徹底されていることになります。
以下のような方法をぜひ取り入れてみてください。
窓に防犯対策をほどこす
空き巣の侵入経路のひとつになっている窓への対策は必須です。
設置されているガラスの種類とそれぞれの対策すべき理由を以下のイラストにまとめました。いずれのガラスにおいても防犯性を高めるためには、「防犯合わせ複層ガラス」への変更が有効です。防犯合わせ複層ガラスは、官民合同会議にて防犯性の高い建物部品と認められており、侵入までに5分以上かかることが期待できます。「防犯合わせ複層ガラス」の導入が難しい場合は、防犯性能試験を通過したことの証である「CPマーク」が付いた防犯フィルムの導入がおすすめです。
人に感知するセンサーライトやカメラを設置する
設置している場所を人が通ったときに反応し、光を照らすセンサーのことです。主に出入口や窓の付近の建物外周に設置します。
センサーライトを設置することで、近づいてきた人を感知すると明かりが点くようになるため、空き巣も驚いて退散する可能性が高くなります。防犯カメラとあわせて設置することで、空き巣被害のリスクを減らすことができるでしょう。センサーライトであれば、2,000円ほどから販売されています。
ドアや窓に補助錠を設置する
ドアや窓についている鍵が1つの場合、空き巣の被害を受けやすくなります。たとえば窓についているクレセント錠は、窓ガラスを割った箇所から室内に手を伸ばせば簡単に解錠されてしまいます。
ドアに関してもサムターン回しやピッキング、ドアのこじ開けなど、さまざまな方法で侵入されるケースが後を絶ちません。ドアと窓にそれぞれ2つ以上の錠を設置しておくことをおすすめします。
空き巣被害に遭っても慌てないことが大切
空き巣被害に遭わずにすむことが一番ですが、もし被害に遭った場合には、慌てずに一つひとつ対処していくことが大切です。ガラス破りをはじめとした侵入の痕跡があれば、まずは警察へ連絡し被害届を出します。
そして、キャッシュカードの停止や免許センターへの連絡などを速やかに行い、その後、損害が保険で補償される場合には保険金の請求手続きを行います。
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