留守宅管理とは?長期不在にする家の管理方法と防犯対策
自宅を安心して快適に暮らせる状態に保つには日々の手入れが欠かせませんが、長期不在で家を空ける場合、家の管理が行き届かなくなるため、防犯や建物の劣化対策が重要です。海外赴任や長期出張、転勤などで長期間家を空ける場合は、「留守宅管理」の依頼を検討しましょう。
留守宅管理を実施し、定期的に郵便物の整理や通気、清掃などを行うことで、家の劣化を防ぎながら外部から見ても人が管理している印象を与えられます。
今回は、留守宅管理の方法や必要性、長期不在にする家の防犯対策についてご紹介します。
目次
留守宅管理とは?
「留守宅管理」とは、海外転勤や国内の長期出張、旅行などの理由で家を長期間空けてしまう人が行う自宅の管理のことです。
留守宅管理は主に、2パターンあります。
- 家族・親戚・友人に管理してもらう
- 留守宅管理専門サービスに管理してもらう
それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で、どちらにするか選びましょう。
家族や親戚に管理してもらうメリット・デメリット
家族や親戚に管理してもらう最大のメリットは、金銭的な負担がかからないことです。
管理会社はもちろん、友人や近所の人に管理をお願いするとなると、金銭的な面や気を遣う面など多々出てきてしまいますが、家族や親戚であればそのような心配もありません。また、家のことをある程度わかっている人が管理してくれるため、安心感もあります。
デメリットとしては、家族が遠い場所に住んでいたり、家族や親戚が高齢だったりする場合、管理を頼みにくい点です。ご家庭の状況によっては現実的ではない手段かもしれません。
友人に管理してもらうメリット・デメリット
信頼できる友人に管理してもらうのも1つの手段です。気の置けない仲であるほど、管理は依頼しやすく引き受けてくれる可能性も高いでしょう。
しかし、仲の良い友人であっても、他人にプライベート空間を知られることに変わりはありません。ある程度、プライベートを知られてしまう点は覚悟しておいた方が良いでしょう。
また、管理の最中にトラブルが起きた場合、対応が難しい点もデメリットです。状況によっては管理が継続できなくなるケースもあるでしょう。
ご近所さんに管理してもらうメリット・デメリット
ご近所の方で親しい人がいれば管理してもらえる可能性は高く、しっかり留守宅管理をしてくれることもあるでしょう。また近くに住んでいることから不審者の侵入などにも気づきやすく、犯罪を未然に防げる可能性も高い点もメリットです。
ただ、家族や親戚、友人と同様に留守宅管理に関しては素人です。万が一トラブルが起きたときに対応は難しいのがデメリットといえます。
専門の管理会社に依頼するメリット・デメリット
専門の管理会社に依頼することで得られるメリットはいくつかあります。
1つは「帰宅後の部屋の快適さ」です。詳しくは後述しますが、留守宅管理を誰にも依頼していない部屋と依頼した部屋では、帰宅後の生活環境に大きく差が出ます。
家族や知人であっても留守宅の手入れは可能ですが、専門の管理会社であれば、建物の価値を維持するのに適した換気や清掃を行ってくれます。管理が不十分だと、留守にしていたがために建物の修繕が必要になる場合もあるので、帰宅後も部屋を快適に使いたいという方は依頼した方が良いでしょう。
2つ目は「安全性の高さ」です。会社によっては空き巣などの侵入盗にも対応してくれ、長期間留守にしても安心できるようになっています。また、家の中で火災などのトラブルが起きても早く的確に対応してくれるでしょう。
デメリットとしては、ほかの方法よりも金銭的な面で負担がかかってしまうことです。契約内容や企業の形態にもよりますが、多くの場合は月に1~3万円ほどで依頼することになるため、費用の観点でも依頼する会社の選定は重要です。
留守宅管理の必要性
なぜ留守宅管理が必要なのでしょうか。なかには「留守にするのだから何も管理しない方がお得なのでは?」と思う人もいるでしょう。
留守宅管理をする目的は「帰宅後に安心して快適に暮らせる環境を保つこと」だと言えます。
ここでは、留守宅管理をしなかった場合に起こり得る住環境の悪化について、詳しく見ていきましょう。
建物の劣化が早まる
「長期間家を留守にしても建物は古くならない」と考えている方もいるかもしれませんが、実際には定期的な管理が必要です。人が住んでいない家は埃や湿気が溜まりやすく、カビが発生するリスクも高まります。カビの発生は空気を汚染し、木製の柱やフローリング、畳、水場などに影響を及ぼし、建物全体の劣化を加速させる可能性があります。特に、内壁の劣化が進行すると、外壁にも影響が出ることがあります。
こうした劣化を防ぐためには、留守宅管理による定期的な清掃や換気を行うことが効果的です。
また、長期間不在のまま家を放置しすぎ、倒壊等の危険や衛生上の悪影響などが出てくると、特定空き家に該当するリスクも生じます。特定空き家に指定されると、固定資産税の減額がなくなり、場合によっては解体命令が出され解体費がかかってしまうこともあります。
虫や動物の住処になってしまう
住宅環境を破壊する要因は、カビや埃だけではありません。虫や動物が原因となるケースもあります。特に多いのが秋の時期に巣を作り出すスズメバチ、柱を食べてしまうシロアリ、どこにでも住み着くネズミやイタチ、タヌキなどです。
留守宅管理を行っていれば、このような問題を予防し、実際に問題が起きても早く対処できますが、人の手が加わらない場合、下手をすると動物達の住処になる可能性があります。環境としてはかなり不衛生になり、周辺住民の生活に支障を及ぼすほか、自宅の資産価値も下がることが考えられます。
家具や設備が劣化する
長期間不在にしていて、家を締め切ったままにしていると、室内に湿気がこもってしまいます。湿気がこもることで家具が腐食したり、使用頻度が減ることで給水管にカビが付着したりする可能性があります。トイレなどの排水設備では、排水トラップの水がなくなり、臭いや虫の発生にもつながってしまうため、定期的に換気を行い室内に湿気がこもらないようにすることが大切です。
ご近所トラブルにつながる可能性がある
留守宅管理がされていないと、庭の草木の手入れ不足や建物の劣化によって、景観を損ねたり、見通しが悪くなったりします。また、ゴミの不法投棄などの被害にも遭いやすく、悪臭等が発生してしまうこともあるでしょう。悪臭等が原因で、ご近所トラブルにつながる可能性もあるため、留守宅管理が必要です。
不審者の侵入を許してしまう
長期間放置された家は手入れが行き届いていないことが外観からもわかります。ホームレスや空き巣に目をつけられやすくなってしまうため、注意しなければなりません。場合によっては犯罪に利用される可能性もあります。
こうした不法侵入者は、手入れの様子などから人のいない家を目ざとく見つけ、さまざまな手段を用いて侵入しようとします。仮に盗難被害などが無くても、帰宅後に誰かが侵入した形跡があるのは気持ちの良いものではありません。防犯面を考えても、人の目や手入れが入ることが非常に大切なのです。
このように、留守宅管理をおこなわないとさまざまな面で住宅に影響を及ぼしてしまいます。帰宅後の安全性や快適さを求めるのであれば、留守宅管理を徹底しましょう。
家を長期間不在にする場合の防犯対策
出入口や窓の施錠を行う
警察庁の調べによると侵入窃盗の侵入手口として一番多いのは「無締り」となっており、次に「ガラス破り」「合かぎ」の順に多くなっています。長期不在に限りませんが、日頃から玄関などの出入口や窓の鍵を確実に施錠する習慣をつけることが大切です。
また、施錠をしていても侵入されてしまう場合もあるので、二重ロックや補助錠を設置したり、ホームセキュリティを導入したりといった対策も検討しましょう。
郵便局に不在届を出す
長期間不在にする際に郵便配達を止めていないと郵便受けに郵便物が溜まり、不在であることが周囲に伝わってしまいます。そのため、長期間不在にする際は、郵便局に不在届を提出すると良いでしょう。
不在届は郵便局でもらうことができるほか、郵便局のホームページからダウンロードすることも可能です。不在届を提出することで、最長30日間郵便物の配達を止めることができ、不在時に届いた郵便物は期間の終了後にまとめて配達されます。
新聞をとっている場合は、新聞も配達を停止するように手続きすると良いでしょう。
留守番電話のメッセージを不在を悟られないものに変更する
自宅に固定電話がある場合、長期不在時に留守番電話を設定することも多いと思います。留守番電話のメッセージを設定する際は、不在を悟られないものにしましょう。不在であることは明確にせず「ただいま手が離せません」「ただいま電話に出ることができません」などの内容に設定することで防犯対策にもなります。
留守番電話や転送サービスを使用しない場合は、電話回線を一時中断や利用休止、解約などの方法も選ぶことができるため、自身に合った方法を選択すると良いでしょう。
センサーライトや防犯カメラを設置する
自宅の不在がわからないように、電気をつけておくことは防犯対策になります。しかし、昼間の点灯は不自然であるため、夜間に自動で点灯するライトやセンサーライトを設置するのが良いでしょう。屋外にセンサーライトや防犯カメラを設置することで、不審者が侵入しづらい環境を作ることができます。長期間の不在時だけでなく、在宅時の防犯対策にもなるため安心です。センサーライトや防犯カメラを設置する際は、センサーの反応距離や周囲の状況がしっかり映る場所を選び設置しましょう。
家の外構を片づけておく
家の周囲に、足場になりそうなものや隠れられそうな場所などがある場合は片づけておくことが重要です。足場になるものがあると侵入されるリスクが高くなってしまうため、長期不在時や在宅時でも家の外構を片づけると良いでしょう。
また家の外構を片づけておくことで、周囲からの見通しが良くなり、不審者が侵入しにくい環境を作ることが可能です。庭木など死角になるものは剪定しなるべく死角を作らないことが大切です。
リアルタイムの情報をSNSに載せない
短期間の留守でも同様ですが、自身のリアルタイムの情報はSNSに載せないようにしましょう。外出先や滞在先など自身の居場所がわかってしまうような投稿は、自宅を留守にしているということを他の人に知らせてしまいます。SNSは誰が見ているかわからないため、リアルタイム投稿は避け、投稿をしたい場合は公開範囲を限定し、家族や友人など限られた人しか見ることができないよう対策をとることが大切です。
長期不在にする家の管理はALSOKの「るすたくサービス」がおすすめ
「るすたくサービス」はホームセキュリティを提供しているALSOKの空き家管理サービスです。1カ月に1回巡回し、玄関扉や勝手口、車庫など屋外の指定箇所(10箇所まで)に異常がないかチェックします。また、郵便受けの投函物を確認の上、お客様との契約に基づき、郵便物の廃棄または指定された住所へ送付するサービスも行っています。
長い期間家を空ける際や、実家が空き家になってしまった際におすすめのサービスです。
また、オプションで、不審者の侵入があった場合にガードマンが駆けつけるホームセキュリティとの組み合わせや、家の換気や通水を依頼することも可能です。
留守宅管理をプロに依頼したい場合は、一度検討してみてはいかがでしょうか。
長期間家を空けるのであれば「留守宅管理」は必要不可欠!
長い期間家を空け、誰も管理しないのは犯罪や住環境破壊のリスクを高めてしまいます。そのような家は資産価値も薄れていき、最悪の場合は誰も住むことのできない空き家になる可能性もあります。「留守宅管理サービス」は、長期不在の家や空き家の現在だけでなく未来を見据えたサービスです。長い期間家を空ける場合は利用を検討しましょう。
ALSOKでは「るすたくサービス」のほか、お客様のお悩みや不安に応じて、さまざまなホームセキュリティサービスを提供しています。是非ご相談ください。
ガードマンが駆けつけるオプションサービスも
ALSOKの「るすたくサービス」