高齢者見守りサービスとは?種類と選び方
現在の日本では、ご高齢の親御さんと遠く離れて暮らしている方は珍しくありません。そのようなケースにおいて、親御さんの健康状態は大きな心配事となっています。何か問題が起こっても、駆けつけるどころか気づくことすら困難な場合があります。この不安はどうすれば解消できるのでしょうか。
本記事では安心につながる見守りサービスとはどんなサービスなのか、さまざまな見守りサービスが存在するなかで、それぞれのメリットやデメリットを解説し、具体的な選び方のポイントをお伝えします。
目次
高齢者見守りサービスとは?
高齢者見守りサービスとは、家族に代わって高齢者を見守ってくれるサービスです。一人暮らしの高齢者は、家の中での転倒や誤飲など、日常生活の中で事故が起きる可能性が高く、また健康上の不安を抱えていることが多いものです。また、地震、火災、不審者の侵入といった不測の事態の発生も懸念され、家族が同居していない場合は何かが起きた時にすぐに駆け付けて対処することが困難なことが多く、心配の種は尽きません。見守りサービスを利用することで、緊急時の対応ができる安心感があり、離れて暮らしていても高齢の家族が元気に暮らせるようサポートすることができます。
高齢者見守りサービスの種類とそれらのメリット・デメリット
高齢者見守りサービスは主に民間企業が提供しており、さまざまなタイプのサービスが存在します。
高齢者見守りサービスの種類 | 概要 |
---|---|
訪問型 | スタッフが住まいを訪問する |
カメラ型 | カメラを設置して状況を確認する |
センサー型 | センサーを設置して状況を確認する |
配食型 | スタッフが食事宅配を行う |
緊急時通報型 | 利用者が緊急時に通報する |
GPS型 | GPS機能によって居場所を確認する |
ロボット型 | ロボットを設置して状況を確認する |
訪問型高齢者見守りサービス
訪問型高齢者見守りサービスは、スタッフが定期的に利用者の住まいを訪れて生活や安否を確認するタイプです。
メリット
対面でコミュニケーションをとるので、孤独感を軽減できます。
デメリット
決められた日のみ訪問するサービスであるため、24時間日常的に見守りを行うわけではありません。そのため、突然倒れたり、発作が起きたりした際に、すぐに異常を察知することができません。
カメラ型高齢者見守りサービス
カメラ型高齢者見守りサービスは、住まいにカメラを設置して目視で健康状態などを確認します。
メリット
ご家族が遠隔地からスマホなどで現地の画像を確認することができます。また、マイク・スピーカーが備えられている場合には、会話することも可能です。
デメリット
人によっては「見られている」という感覚が精神的な負担となることもあります。
センサー型高齢者見守りサービス
センサー型高齢者見守りサービスは、住まいに設置したセンサーが利用者の状況を感知します。
メリット
反応がなければ家族に連絡が入ります。プライバシーを考慮した見守りを行うことができます。カメラがないため「見られている」という感覚はほとんど感じません。
デメリット
遠隔地から現地の様子・映像を確認することができません。
配食型高齢者見守りサービス
配食型高齢者見守りサービスは、スタッフが食事を宅配する際に利用者の健康状態をチェックするタイプです。
メリット
利用者は、食事の用意のサポートを受けることができます。低糖質食、低タンパク食、低カロリー食、減塩食などにも対応しているサービスもあります。
デメリット
「訪問型」と同じように、24時間日常的に見守りを行うわけではないので、突然倒れたり、発作が起きたりした際に、すぐに異常を察知することができません。
会話型高齢者見守りサービス
会話型高齢者見守りサービスでは、スタッフが電話やメールで利用者に健康状態などを尋ねます。電話やメールによる見守りサービスの頻度は一般的に週1回、多くても週に数日となります。
メリット
費用面がリーズナブルであることです。電話・メールの対応のみですので、サービスも受ける側の精神的負担も最小限ですみます。
デメリット
「訪問型」と同じように、24時間日常的に見守りを行うわけではないので、突然倒れたり、発作が起きたりした際に、すぐに異常を察知することができません。また、高齢者が元気かどうか、何も問題がないかどうかの情報は高齢者側の言葉だけで判断することになります。「心配をかけたくない」という思いから、自分から健康上の不安を言い出せないこともあり、客観的な安否確認ができないことなどがデメリットです。
緊急時通報型高齢者見守りサービス
緊急時通報型高齢者見守りサービスは、異常を感じた利用者がボタンを押して通報するタイプです。
メリット
ボタンを押すだけで助けを呼べる手軽さと安心感が挙げられます。
デメリット
見守りにあたり通報のためのシステムを導入する必要があります。また、通信インフラ(インターネット回線など)が必要となります。
GPS型高齢者見守りサービス
GPS型高齢者見守りサービスでは、GPS機能で利用者の居場所を検知することができます。
メリット
通常の外出時だけでなく、利用者が徘徊する可能性がある場合に役立ちます。常にどこにいるかを特定することができます。
デメリット
利用者がGPS端末を身に付けて歩く必要性があります。GPS電波の受信状況によっては、正確な位置が把握できないこともあります。地下に入った場合などには、GPS電波が受信できず、位置の特定ができなくなります。
ロボット型高齢者見守りサービス
ロボット型高齢者見守りサービスは、カメラが搭載されたロボット型の見守りサービスです。
メリット
住まいに設置することで離れた場所にいても利用者の様子を確認できます。会話ができるなどさまざまな機能が搭載されている種類もあります。
デメリット
機能が充実している分コストが高くなります。カメラが搭載されているため、人によっては「見られている」という感覚が精神的な負担となることもあります。
高齢者見守りサービスの選び方は?料金やサービス内容など
高齢者見守りサービスにはそれぞれ異なる特徴があるため、どのタイプを選べばよいか悩みますよね。多くの種類の中からサービスを導入する際は、料金やサービス内容などを比較して目的に合ったタイプを選ぶことが重要です。
利用者本人の気持ちに寄り添って選ぶ
見守りサービスを選ぶにあたって、まず利用する人の状況・ライフスタイルを確認し、本人の気持ちをよく理解してあげることが大切です。
どのようなサービスを選ぶことで本人が安心できるのか、ライフスタイルや個人の特性に合っているかを確認しましょう。
料金で選ぶ
種類が多すぎて、見守りサービスの選び方が分からないという人も少なくありません。
そのような場合は料金面を重視して見守りを選ぶのもひとつの手です。
見守りサービスは介護保険が適用とならないため、予算との兼ね合いがとても重要になります。自治体が提供する見守りサービスは料金が安い場合もあるため、予算に不安があるなら、それらも視野に入れて見守りサービスを検討するのが得策です。
サービス内容で選ぶ
さらに、見守りサービスの内容は以下の3つに大きく分かれるので、どれが良いか絞っておくと選びやすくなります。
セルフ通報型
1つ目は、自分でボタンを押したり、自動音声の番号に電話をかけたりするセルフ通報型です。シンプルな操作で異常の通報が可能ですが、緊急時も自分で行う必要がある点に注意しなければなりません。
自動通報型
2つ目は、カメラやセンサーなどで状態を確認してもらう方式であり、自分で操作をしなくても見守ってもらえます。ただし、最初に機器を導入するための工事が必要な場合があります。
対面型
3つ目は対面型で、スタッフが巡回したり電話をかけたりしてくれます。実施の回数は多くありませんが、細かく確認を受けることや悩み事の相談などが可能です。
目的に合わせて選ぶ
見守りサービスを導入するときは、見守る対象の方がどのような状態にあるのか、どのような考えであるかを考慮しなければなりません。たとえば、カメラで監視されることを嫌がる方がいらっしゃいます。また、機器の操作はできるだけ簡単であることを好む方もいらっしゃいます。このような特徴を踏まえたうえで、できるだけニーズに合った選び方をすることが重要です。
安心につながる見守りサービスを選ぼう
見守りサービスの種類は豊富にあるので、事前によく検討して家族のニーズに一番合うものを選択するようにしましょう。
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